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羊蹄山登山20200712

2週間以上経って体調不良もないので公開します。

JALのどこかにマイルという商品がある。往復6000マイルでどこか(実際には4)に行けるという桃鉄のぶっとびカードみたいなものである。どこに行きたいというよりはどこかに行きたいという性格なのでお得にどこかに飛べるこの商品を開始以来45回くらい使っている(熊本とか広島とかに飛ばされた)。今回も申し込んでみたところ新千歳に行き先が決まった。アイヌ文化拠点のウポポイのオープン日が12日だったので迷ったけど密でなさそうな山に行くことにして、羊蹄山を候補に選んだ。札幌からも比較的近いことと登山口までの公共交通機関(バス)もあり、そして何よりヒグマとの遭遇可能性が低いことも選んだ理由になった。羊蹄山は単独峰ということもあってヒグマが生息していないらしい(ニセコ方面からの迷いグマと会う可能性もなくはないらしいが)という話もソロ登山なのでこの山に足が向かった大きな理由だったかもしれない。

土曜の前泊は倶知安にあるゲストハウス旅つむぎにした。直前まで比羅夫駅に併設されている駅の宿かはたまた登山口の山小屋か迷ったが、メールで問い合わせをしたところ早朝から無料で登山口まで送迎してくれるということもあり旅つむぎに予約をした。倶知安駅までも迎えにきてくれるらしいが歩いても10分ほどなので十分アクセス至便。ドミトリータイプの宿だったが他に宿泊客はいない日で独り占め。近くのホテルようていの温泉にも車で送ってくれて(全然歩ける距離だったのに優しい)、またオーナーも山をやるようで本棚も山関係がいろいろあり1人でゆっくり楽しめた。


オーナーが車で送ってくれて430に宿を出る。天気はガスガス...天気予報は午後から雨であまりコンディションはよくない。下記の画像にも記載するがまずは当日の記録をば。詳細はイラストもご参照ください。

天気:ガス⇨晴れ⇨ガス
Pagoworks20L、テント寝袋調理器具なし、雨具あり、水分2Lくらい

0450ひらふ登山口
0510:一合目
0521:二合目
0557:五合目
0650:八合目
0726:お鉢
0746:京極下山口
0754:山頂
0830:真狩下山口
0942:五合目
1021:真狩登山口
1103:まっかり温泉

しばらくはガスガスの中を一人歩いていく、六合目くらいで海外の下山者とすれ違うまで誰にも合わず時折雨風も出てきてガスガスの真っ白な中、一人知らない山を歩く不安感よ。ざわっという音にいちいち反応してしまいいないと聞いてはいるもののもしあの茂みからヒグマが出たらどうしようかなど自然への畏怖と自分の小心さを都度感じると同時に真っ白な初めて歩く土地に内面世界というのか精神世界というのかを歩いているような不思議な感覚になる。

五合目くらいから少しづつ明るくなってきてなんとなく雲の薄さを感じる。今まで全く何も見えない世界からポンと雲の上に出た感じの場所があって、しばらく歩くとニセコアンヌプリのテッペンだけが見事に見える場所があった。

パッとみたときに「ああきっとあれがニセコアイヌプリだろう」と思えたのは、ニセコ連峰のなかで一番高いのがニセコアイヌプリ(ですよね?)ということとその均整の取れた双耳峰の姿を昨晩宿で読んだ北海道の山の本から知識としてインプットして且つうっすらと覚えていたからである。

山はもちろん眺望だけではないが、他の山や周りの地形/景色が見えると登った甲斐があるというか、登らなければ見えない視点からの風景という意味ではやはり晴れてくるとうれしさを感じる。
ガスガス真っ白で午後から雨予報ということでせめて降らなければいいやと思って登りはじめ真っ白な精神世界で不安を感じて歩いていたけどここまでくると山頂も晴れてほしいなという気持ちになってきて人間の欲望というのはなんというか遠慮を知らないというかやはり際限がないんだなということをチラッと思った。

おかげさまでその後下山に至るまで、なんなら温泉からバス停にいくまで雨に降られることもなく、帰りの倶知安駅までのバスの中でゲリラ豪雨に降られるという完璧な天気だった。

六合目以降は徐々に花の姿が出てきてウキウキした気分で山頂を目指した。セイコーマートで買ったちくわぱんを食べて青空とニセコ連峰の雲から出た頭を眺めてこの日初めての少し長めの休憩を取る、気持ちいい。9合目直前で今までの樹林帯といえるような(徐々にその背は低くなってきていたが)場所を抜けて急にひらけた場所に出てくる。一気に気分が高まる。

背の低いハイマツ類が卓越する空の広いところをルンルン気分で歩くとお鉢にたどり着いた。ぐるっと山頂方面の岩場などが見渡せて気持ちいい。お鉢の中は少し雪が残っている。

これまで比較的ハイペースで歩いてきたが、それはひとえに樹林帯の中の寂しさと横から何が出てくるかわからない不安と特に何も見えない眺望、そして午後からの雨予報ゆえだったが、ここまでくればもう雨も降りそうにないし、ひらけた稜線で視界もよくあまり怖いものもなく気持ちいいお鉢巡りをゆっくりと楽しんだ。この日は天気予報も芳しくなかったこともあってか登山者もおそらくかなり少なく実際僕が出会った人たちも覚えている範囲ではトレラン24人、登山者4組程度だった。お鉢周りの途中では高山植物を見たり景色を眺めたり、はたまた時折見つけるエゾリスを頑張って撮影してみようと試みたり相当時間をかけて楽しんで歩いた。そうこうしてると岩場を越えて山頂にポンとついた。細く可愛らしくフォントの山頂標識があり、誰もいないのでセルフィーをした。モエレ沼公園の草山をのぞいておそらく初めて登った北海道の山頂である。

その後ぐるっとお鉢を巡って真狩の下山口に至る。途中定年退職後キャンピングカーで百名山を巡っているという方に出会って少し話をした。真狩登山口を少し降りたところに遠くに小屋の見えるなんとも気持ちの良いところがあって帰りのバスの時間から逆算した時間の余裕もあったので少しゆっくりしていた。鳥の声とかも聴こえてなんかこんなシーンを独り占めしちゃって申し訳ないなぁと思ったので写真を載せます。実はジンバルカメラも買ったので動画も買ったのですがまだ編集できていないです...

下山は割と走れるところは走っていくスタイルで進んでいったが5合目くらいからはまたガスが出て登りほどではないもののあまりよろしいとは言えない天気になってきた。上だけガスが抜けていたのだろう。しかしもう晴れた山頂を見た僕に後悔はなく、むしろ真っ白で幻想的なガスの世界と気持ちよく晴れた青の世界の両方を一気に味わえてラッキーくらいの余裕が出ていた。そして油断して1回転けて手をすりむいた...。野苺があったので気になって少し食べてみたがよく考えると北海道の場合キタキツネの糞害などがあればエキノコックスがあるのでは...と思ったが一粒食べてしまったあとだった。そういえば学生の時洞爺湖かなにかの湖畔のキャンプ場で水にも入っていたし数十年後に発症したらどうしよう、と不安になることを思い出してしまう。そんなこんなで真狩登山口まで無事に戻る。そこはキャンプ場になっておりこんな羊蹄山の麓で芝生ふかふかでキャンプをするのも気持ちよさそう。バス停の位置を確認してまっかり温泉まで歩く。温泉で疲れた体を癒して昼飯の豚丼もかきこんで1240発倶知安駅行きバスに乗った。ありがとう羊蹄山。

バス停はこの羊蹄自然公園から少し行った湧水の里というなんかめっちゃ水が湧き出てるところにあった。蕨餅を買って後から電車で食べました。

バス停時刻は上記です。

以下ガーミン記録。


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