好きな小説家のサイン会に行く前の回想⑤(完結編)
(承前①)
(承前②)
(承前③)
(承前④)
奥付に刻まれた日付と小池真理子さんの生年月日から類推すると、小池真理子さんが『無伴奏』を書かれたとき、小池真理子さんの年齢は38歳くらいなので、作中人物と同じ70年代というのは当時の小池真理子さんから見て20年前である。ずいぶん遠い昔だと当時は思っていたが、いまの自分の年齢から高校時代がいつだったかと振り返ると、すでに20年以上の月日が流れている。高校時代にはずいぶん遠いと思えた20年以上の時間を、ぼくはここまで生きてきたの