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いつか流星を浴びたい

昨日は仕事で帰るのがすっかり遅くなってしまった。さむっ、とつぶやきながら会社の裏口から外に出て、いつものくせでふと空を見上げたら、あまりに星空がきれいで、ほぉああああああ、と、長く息をはいた。

半月に近い月が明るく空を照らしていて、それでもなお、くっきりとたくさんの星。

Twitterを開いてみると、どうやら昨夜は流星群の日だったようで、星空を見上げている人たちのつぶやきが並んでいた。

流星群。

流れ星の群れ。

響きからしてすてきだ。

東京の街中でビルに囲まれて流れ星は見えなかったけれど、今この頭上ではいくつもの星が流れているんだなって想像するだけでも、なんだかわくわくである。

そういえば流星群って、今まで自分の目でみたことがないかもしれない。ふとそう思って記憶を辿ってみる。んー、ないかもしれない。これは「やりたいことリスト」に追加せねば。

と思ったのだけれど。思い出した。あるわ。見たことある、流星群。もう10年ぐらい前、東京のオフィスビルに囲まれた6階建てのマンションの屋上で。

たしかあれは冬ではなくて夏の夜だった。テレビか何かでその日の夜が流星群だと知って、当時住んでいたマンションの屋上に恋人と上がって、空を見上げて星が流れるのを待った。なんせ東京のど真ん中、街の明かりで夜も明るいのでさほど期待はしていなかったけれど、屋上にごろんと寝転がっていると、確かに星がいくつか流れて、そのたびにふたりで、うわぁと歓声を上げた。

そんな夜があったことを、今の今まで、すっかり忘れていた。

いつかゆっくりと暮らす時がきたら、森と水辺の近くに住みたいって思っているけれど、それに加えて流星群の夜に空を眺められる場所ならばさらに最高だなあ。真っ暗な夜空に数えきれないぐらいに流れる流星を浴びたい。

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