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お米のちから(その1)

身体が弱ったとき、わたしたちは「お粥さん」をいただく。あまりにも当たり前だけど、考えてみればものすごい知恵だなあ。とあらためて思うのだった。

東洋医学では「気虚証(ききょしょう)」に対する治療は「補気(ほき)」となる。つまり、体にある全体の「気の力」が少なくて、やる気が出なかったり、食欲もわかなかったり、疲れが取れなかったり、疲れやすかったり、風邪を引きやすかったり、おなかがよく下ったり・・・・言い出したら切りがないけれど、つまり、「なんか体がいつものようにはたらいてくれないんだよなあ。つかれやすくて」なんてときにもしかしたら起こっていることは「気虚」かもしれない。

「補気」とはまさに「気を補う」治療法。食材に補気作用を持つものはたくさんあるが、今日は「お米」について。

お米は炊く。お粥にする。もち米なら蒸してついたらおもち。挽いてライスペーパーや米粉にしてお菓子やパンに使う。などなど用途も広い。

なかでも「お粥さん」はもう半分消化しているようなものだから、消化・吸収に優れ、胃腸に負担がないため、本当に疲れてしまっている時にはよい「食薬」だ。

意外に気がついていないかもしれないが、「消化して吸収する」ことには大きなエネルギー(つまり気)をつかう。「気の消耗を減らす」ことも「気虚」の治療には必要なのだ。そのためにもお粥さんはすばらしい。

本当に疲れているとき、頑張ろうと、もりもり食べる。間食をする。などが習慣になっていたら、要注意!とくに、いつも「なんとなく胃がもたれている」のに食べてしまう。を繰り返すとますます、体の調子がくるってしまう。気がつけばいつも体が重だるい。疲れが抜けない。へと移行する切符を手にしているようなものだ。(食べることで元気が回復して、次の日には何事もなかったようにシャキン!となる方はOK)

そんな時はすこ~し、心とからだを休める習慣を。とくに胃腸をやすめることをおすすめする。ゆっくりと「お粥さん」を味わって自分に「いつも頑張ってるね。ありがとう」といってあげよう。シンプルに「白がゆ」をすすってみよう。甘くて幸せな味がする。

ちょっとアレンジを。

薬膳ではよくいろんな生薬を煮出して、その汁でお粥さんを焚く「薬膳粥」が得意。例えばなつめ、黄耆、高麗人参、ハスの実、胡桃などが入ればとってもそれらしいけれど、それを準備するのはなかなか大変。

もっとも~と身近に、今の季節なら梅雨がやってくるので体の湿度を下げてくれる食薬の「大豆」や「小豆」などを加えても。より気を補いたいなら「かぼちゃ」「さつまいも」「長芋」「しいたけ」などを入れるのも。お粥まではいいやぁと思ったらごはんと一緒に炊いてよく噛んで食べる。これも抜群によい。

とはいえ、もちろん体質にあったものを選択することがなによりも大切なのは言うまでもないけれど。そこは長~い道のりでゆっくり書き連ねなければ。


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