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アスリートの食事バランス

こんにちは。管理栄養士の月岡美由紀です。

皆さんは、「アスリートの理想的な食事バランス」と言われると、どんなイメージをお持ちでしょうか?
・パワー系だと低炭水化物、低脂肪、高たんぱく質
・持久系だと炭水化物をたっぷり
といったところが一般的なのではないかと思います。

一部のアスリートや、トレーニング、ダイエットを行っている人たちの間では、一般にPFC比と呼ばれるエネルギー産生栄養素のバランス、つまりたんぱく質 (Protein: P)、脂質 (Fat: F)、炭水化物 (Carbohydrate: C)の比率を意識し、Pが高く、FやCは低いものが「理想のPFC比」ともてはやされている印象です。


果たして、アスリートにとってはどんなPFCが理想的なのか?


残念ながら、この質問に根拠を持って示せる答えはありません。

むしろ、スポーツ栄養の分野では、「PFCを比率では考えない」ことが推奨されています。

この記事では、2019年に国際陸上競技連盟が発表した陸上選手の栄養についての声明 (*1) 、また今年に入って発表された欧州サッカー連盟 (The Union of European Football Associations: UEFA) の栄養に関する声明 (*2) を参考に、日本人の食事摂取基準(*3)とも比較しながら、アスリートの栄養バランスについて、
1.なぜ、PFC比で考えないのか?
2.たんぱく質摂取の考え方
3.脂質摂取の考え方
4.炭水化物摂取の考え方
5.全体のバランスは?
の5つの概要を考えてみたいと思います。

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