5年返品無料サービスの罠!
学生は機種変更タダ。
もし満足頂けなければ、全額返金致します。
こんなキャンペーン広告を目にしたことがあるだろう。
無料が嫌いという人はごくごく少数派。
多くの人が無料という言葉に心を奪われる背景には、全人類共通する「自分が得することよりも損することに、より大きな影響力を受ける」という心理がある。
つまり、私達は5000円の得とよりも、5000円の損の方を重く感じる。
人が損失を受けることで感じる心の痛みは、利益の喜びよりも大きい。
だから、損失が避けられると分かると、得した気持ちになる。
その心の動きを利用しているのが、各種の無料キャンペーン。
中でも、これはすごいと感じたのは、アメリカのとあるデパートが展開している「5年返品無料サービス」である。
どんな商品でも買ってから、5年以内なら返品できる。
そう聞くと、気軽に買われて次から次へと返品が舞い込んできそうである。
ところが、返品可能期間を長くすればするほど、返品率は下がっていく。
なぜそうなるかというと、いつでも返せる安心感から商品を購入。
いざ月日が経つと、たとえ商品が少々気に入らなくても、返品するのが面倒になる。
つまり、5年間返品無料というサービスは、お客様の心の動きを先回りして、買ってもリスクはありません。無料ですから、買いやすいですよね」とささやきかけている。
これは、リスクリバーサルと呼ばれる手法。
大きな買い物を前にしたお客が抱えるリスクを、売る側にぎゃくてんさせることから名づけられた。
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