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Weekly HRTech #6(21/10/31~21/11/06)

2021年10月31日から11月06日にかけて発表された国内HR Tech関連のニュースは16件、内訳は以下の通りです。

①サービスのローンチ・新機能 3件
②業務提携 1件
③実績・導入実績 2件
➃資金調達・M&A・上場 0件
➄調査 6件
⑥その他 2件

今週のPICK UP

今週はHRアワード2021の受賞者が発表されたので、その中から特に面白い、勉強になったサービスを独断で紹介します!


➀EQIQ株式会社:モチベーションの可視化ツール「Attuned」現場マネージャーに部下毎に最適なマネジメントを提案

社員のモチベーションを可視化するエンゲージメントツール「Attuned」。
組織診断ツールは最近よくありますが、おもしろいと感じたのはその可視化機能。一人ひとりの価値観を面で捉えた1対1の「対人コミュニケーションギャップ分析」で違いを把握したり、個人の集合体としてチームを見た「カルチャーマップ」でチーム全体の価値観の傾向がわかるので、マネージャーが次にとるべきアクションが明確です。

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実際にJT(日本たばこ産業)では、シンプルな可視化とAIによる行動のサジェストによって、スコアに一喜一憂したり、実際にリーダーが何をすればいいのかわからなくなったりする状況を防いでいるとのこと。



➁株式会社ZENKIGEN:候補者の「印象」を定量化し、バイアスを抑えた多面的評価をサポートする「エントリーファインダー」

録画動画の選考をAIで分析し「印象」を複数の項目で定量化するサービス。
おもしろいと感じたのはその可能性です。現在は印象を定量化した客観的な評価指標をセカンドオピニオンとして活用することで、面接官ごとのバイアスを抑えることをメリットとしていますが、ゆくゆくは採用人事の一番のペインである「選考効率化」を実現するサービスへと進化していくでしょう。

昨年ソフトバンクが動画面接の合否評価にAIを導入したというニュースが話題になりましたが、動画面接事業一本に絞っているZENKIGENにとってはここはどうしても獲りたい領域かと思います。今後が楽しみですね


➂VISITS Technologies株式会社:課題発見・解決型人材発掘ツール「デザイン思考テスト」ーこれからのビジネスパーソンに必須の力を数値化

「デザイン思考テスト」は、イノベーション創発に必要とされる「本質的な課題を発見し、解決策を考える力」を数値化・測定可能にしたテスト。就活生の間では割と有名になりつつある本テストですが、やはり独自性が凄い。

創造性を定量化するという独自性それ自体が、各社のイノベーション人材に対するニーズに応えられるベネフィットになっており、プロダクトアイデアとして非常に強いですね。受検者数も1年で5倍以上に伸びており、認知獲得も一気に進んでいきそうです。

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コンサルでよく使ってるイメージでしたが、既に大手企業でも利用実績あるんですね。知らなかった。

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①サービスのローンチ・新機能 3件

サムライト、採用市場における企業認知向上を目指す「採用特化型YouTubeチャンネル運用支援サービス」の提供を開始

企業のコンテンツマーケティング等を支援するサムライト株式会社が企業の採用広報活動に対する支援を強化すべく「採用特化型YouTubeチャンネル運用支援サービス」の提供を正式に開始。

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本サービスでは、サムライトが持つマーケティングの知見を活用し、インフルエンサー・放送作家のアサイン、戦略設計〜チャンネル運用〜企画〜コンテンツ制作~分析改善まで、YouTubeチャンネル運用をフルサポートする。


思いをひとつに、自走する組織に向かっていくための企業理念浸透ツール「onemind」の提供をスタート

株式会社キャッチアップが企業理念浸透ツール「onemind」の提供を開始。

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onemindでは、➀企業理念・行動指針に即したガイドラインやマニュアルの整理、➁アプリ通知、タイムカード等を通じた社員への情報提供、➂アンケート機能による理念浸透度の調査、➃社内報等を用いた組織改善などを行うことができる。


株式会社NeXT STAR、選考までの採用業務を代行する月額制サービス「なんでも人事」提供開始

株式会社NeXT STARは、月額制採用業務代行サービス「なんでも人事」を提供開始。11月5日時点で、西日本を中心に大手・中小企業16社が利用中。



②業務提携 1件

働きがいと生産性の向上に特化した最先端のHR Techを提供するワークスタイルテック社との資本業務提携に合意

ディップ株式会社は、働きがいと生産性の向上に特化した最先端のHR Techを提供することを目指すワークスタイルテック株式会社との資本業務提携に合意。今回の出資を通じてディップ社の「人事労務コボット」をはじめ人事労務領域のサービス開発をさらに強化し、業務プロセスのワンストップ化を進め、中小企業が抱える業務効率化の課題の早期解決を目指す。



③実績・導入実績 2件

“地方創生の取り組み”自治体、複数企業と協力し採用から定着まで行う『マチリク』 東北地方の転職者数増加もあり、中途採用にサービス拡大中

株式会社リクルートが提供するサービス『マチリク』では、採用・育成・定着を「個社単位」で行うのではなく複数の企業や自治体と協力し「地域ぐるみ」で行う「コミュニティ・リクルーティング」を提供。移住して地方企業で働く人を「地域ぐるみ」で獲得し、企業の垣根を越えて横のつながりを研修等でつくることで「地域同期」のコミュニティを創出、職場での活躍と地域への定着の支援を行う。

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現在、宮城県気仙沼市、兵庫県但馬地域、愛知県豊明市、香川県小豆郡、愛媛県宇和島市の5つの地域で取り組みがある。


[20代専門]転職サイト「Re就活」・掲載求人数が昨年同時期比144%に!中途採用が拡大傾向に。

株式会社学情が運営する、[20代専門]転職サイト「Re就活」は、掲載求人件数が12,000件を突破(2021年11月2日時点の掲載求人数は12,763件)。掲載求人数が、昨年同時期比144%と増加した。


➃資金調達・M&A・上場 0件


➄調査 6件

Job総研による『withコロナのテレワーク実態調査』を実施 宣言解除後のテレワーク微減 9割が支持するポストコロナの働き方

キャリアや就職・転職全般に関する研究や各種調査を行う機関『Job総研』を運営する株式会社ライボは、917人の社会人男女を対象に「withコロナのテレワーク実態調査」を実施。以下の特徴が明らかになった。

・全体の74.0%が緊急事態宣言中と宣言解除後で働き方に変化は無いと回答
・緊急事態宣言後のテレワーク実施率は全体の75.4%、宣言中から1.3%減少
・全体の88.9%がwithコロナのテレワークに賛成と回答
・63.2%がコロナ禍でのテレワークに満足していると回答
・61.9%が第6波に不安を感じると回答し、理由は「感染への不安」が最多


【ワークスHI調査レポート】人的資本時代、45歳以上社員の働き方とは?人事担当が考える中高年人材の課題、1位は「自律的なリスキル」

株式会社Works Human Intelligenceは、統合人事システム「COMPANY」のユーザーである大手法人を対象に中高年人材(45歳~59歳)の働き方に関する状況調査を実施し、54法人から回答を得た。以下の特徴が明らかになった。

・人事が考える中高年人材の課題、1位は「自律的なリスキルの必要性」
・45歳以上の正社員に対してキャリア形成や学び直しのための研修制度が「ある」と回答した企業は23.2%
・キャリア制度に関して、45歳以上の正社員が自ら仕事を選択するしくみが「ない」法人は75.0%、キャリアの複線型制度が「ない」法人は71.4%
・周囲の社員を巻き込む課題は、1位「スキルや知識、経験の継承」


【20代意識調査】コロナ禍で、約6割が「仕事のモチベーションに変化があった」と回答。仕事において重視するようになった点1位は、「スキルを身に付ける」。「どこに行っても通用する人材になりたい」の声。

株式会社学情は、20代の仕事観や転職意識をひも解くために、アンケート調査を実施。以下の特徴が明らかになった。

・20代の約6割が「コロナ禍で、仕事のモチベーションに変化があった」
・コロナ禍で、仕事において重視するようになった点は「スキルを身に付ける」が46.9%で最多
・コロナ禍で、仕事や働き方に変化があった点は「会社の懇親会がなくなった」が最多。 次いで「テレワークになった」


【採用担当者アンケート】半数以上が中途採用を「拡大予定」。「景気の回復を見据えて、採用を強化したい」の声。中途採用で入社する社員に実施しているフォローは「職場見学」が最多に。

株式会社学情は、企業の採用担当者を対象に、「中途採用」に関するインターネットアンケートを実施。以下の特徴が明らかになった。

・半数以上が「中途採用を拡大する予定」と回答。「拡大する予定」が「拡大しない予定」の3.6倍に
・中途採用を拡大する理由は「即戦力採用のため」が69.1%で最多。次いで「事業拡大のため」59.7%
・中途採用で入社する社員に、入社前に実施している、実施したいフォローは「職場見学」が最多
・中途採用で入社した社員に、入社後に実施しているフォローは「中途入社の社員を対象にした研修」が最多


2021年7-9月期 転職時の賃金変動状況 「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は30.5% 過去最高値を更新※

株式会社リクルートが、転職支援サービス『リクルートエージェント』における2021年7-9月期の「転職時の賃金変動状況」を報告。以下の特徴が明らかになった。

7-9月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は30.5%
新型コロナウイルスの感染が拡大を始めた2020年1-3月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年2021年1-3月期には概ね感染拡大前の水準近くに復した。足元2021年7-9月期は、そこから更に伸長、過去最高値を更新する結果となった(当統計の始点である2002年4-6月期以降の最高値)。

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【23卒 大学生調査】半数以上が「転職を意識」~7割以上、将来のキャリア「企業に依存せず」~

株式会社ビズリーチが運営するOB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」は、2023年卒業・修了予定の大学生・大学院生を対象に、将来のキャリアに関する調査を実施。以下の特徴が明らかになった。

・7割以上が、企業に依存しないキャリア形成を意識
・半数以上が、新卒で入社する会社を選ぶ際に将来の転職を視野に

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⑥その他 2件

ハイクラス転職サービス『CAREER CARVER(キャリアカーバー)』『リクルートダイレクトスカウト』へサービス名称変更

株式会社リクルートは、運営するハイクラス転職サービス『CAREER CARVER』のサービス名称を2021年11月1日より『リクルートダイレクトスカウト』へ変更すると発表。名称変更の背景は、提供するサービスをよりわかりやすく伝えるためとのこと。


sonar ATS、初のテレビCMを中京エリアで放送開始

Thinkings株式会社が提供する採用管理システム「sonar ATS」は、初のテレビCMを2021年11月1日から中京エリアで放送を開始。あわせてCMの動画が視聴できる特設サイトも開設し、関連コンテンツを随時公開していく予定。

就活生2人の会話を軸に「対応ひとつで割と会社が見えるよね」というフレーズを用いることで、企業の対応ひとつが就活生への印象に影響を与えている本音と、企業と就活生が対等に選び合う時代に「選ばれる企業」になることの重要性を描いています。

企業理念やブランドのメッセージづくりを支援するSIGNCOSIGNの加来さんも以下のようにコメント。勉強になります…!!


さいごに

最近、以下の本を読んでいるのですがこの記事で紹介 / 深堀するプロダクトを見直すきっかけになりました。(デザイン思考テストの話で「独自性」とかベネフィットとか話しているのはそのためです)

特にHRTechは近年市場自体が盛り上がっていることもあり、似たようなサービスが乱立しがちです。その中で独自性があるのか、無い場合のコミュニケーションアイデアや認知獲得がどうなっているのかを改めて考えて、プロダクトやコミュニケーションづくりに取り組まねばいけないなと感じました。

独自性と便益を兼ね備えた「アイデア」があるかどうかが、マーケテイング上で最も重要な要素。
※独自性:他にはない特有の個性であり唯一無二とも言い替えられる、既視感のない特徴
※便益:顧客にとって都合がよく利益のあることを意味します。それを利用することで得られる有形、無形の価値であり「便利、得、有利、快楽」。
1.マーケティング上の「アイデア」は、独自性と便益の組み合わせ
2.「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」は異なる
3.「プロダクトアイデア」の早期認知形成が強いブランドを創る

マーケティングだけでなくプロダクトや事業を考える上でも参考になるのでおすすめです!

では、また来週!




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