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日本脱出マニュアル〜2. 自分の持っている能力を把握して移住ゲームに臨む

生まれた国以外で暮らすには居住許可=ビザが必要である。あまり詳しく知られていないがこのビザ取得が国ガチャを引く上での第一ハードルとなる。なおビザには居住許可と就業許可があるが、長期的に住むという意味で就業許可を念頭に書くこととする。

ひとたび日本を出てしまうと、自分が何者であるかを知る人はいない。地位も名誉もリセット、裸も同然である。自分を説明するには
・年齢
・学歴、資格
・職業
・資産
くらいしか判断基準が無い。貴方が素晴らしい人格者だろうと、周囲ではちょっとした有名人だろうと相手国には関係がない。自分が何者であるかを自ら最大限に引き出さないといけないのだ。謙虚と自虐を社交辞令として流布している日本人には、この切り替えがなかなか難しい。

国際社会において学歴はまだまだ役に立つ。日本は大学が乱立し大学を出てもメリットを感じないかもしれないが、卒業して得た「学士」「修士」といった学歴はここで効いてくる。国際社会ではホワイトカラーは大学出てて当然であるし大卒院卒でないと就けない仕事も多い。国によって事情は異なるがとにかく学歴は無いよりあったほうが有利である。

資格についても同様で、相手国で仕事に就くためには資格がある無しでは大きく変わってくる。専門的な仕事ならマストであろう。ただし国際的に認識されている資格でないといけないので、「私はアイスクリーム検定一級です」とか言っても相手にしてもらえない。経験が少なくても知っているふりが通用するので今から取得するというのもアリである。

職業については会社がスポンサーとなってくれて初めてビザが取れるケースが多く、それが日本企業なのか現地の企業なのかに関わらず通常は会社の保証が義務となる(だからビザサポートしてくれる会社は神なのだ)。

学歴もない、資格もないという時にものを言うのは資産、マネーである。外国人を居住させようという時に、大抵の国は就職先のスポンサーか資産の裏付けを取る。不法就労になると困るからだ。自分を説明する証明書類がほとんど無い上に金も無ければ、それは犯罪者予備軍と思われるのがオチである。

裏を返すと何かが足りなくても別の何かで補うことができる。学歴が無ければ金を、金が無ければスポンサーを手に入れれば良い。どのステータスが必要かは国によるので、手持ちのカードで自分が挑戦できる国を探せば良い。当たって砕けるのでは無く必勝法を探すのだ。既にゲームは始まっている。

また年齢については若い方が有利である。若いと言っても仕事の経験が無い学生は少々違う方法を取らなければいけないが、相手国もオジサンオバサンを労働力として受け入れる気はない。そして歳を取ると気力も下がってくる為、もし日本脱出を考えているなら早い方が楽である。

年齢がネックになる場合、ビザの中でも労働を前提としないリタイアメントビザを検討する。日本人は金持ちと思われているので多くの国がリタイアメントビザを認めている。その点先代たちに感謝しないといけない。もし年齢が行っていてまともに仕事を探せる気がしないなら、金を作ってリタイアメントビザを取るのが早道となる。労働はできないが行ってから仕事を探すという手もある。リタイアと言うと悠々自適という印象だが、これからは中流階級が外国に住むための切り札となるだろう。ただし貧乏人が押し寄せることに最近気づかれつつあり、年々ハードルが上がってきている。

ちなみに自分の場合日本ではデスクワークで営業以外これといった特技はなかったが、単身渡航し雇ってくれる先を見つけて学歴と就職先の力でスムーズにビザを取ることができた。それからしばらくしてリーマンショックが来たので、もし動き出しが数ヶ月遅かったら人生が180度変わっていただろう。日本を出るとそんなことはしょっちゅう起きるようになる。

またもちろん、日本で海外部門のある企業に就職して駐在員になるという手もある。実際外国に住んでいる日本人の多くは日系企業の駐在員やその家族だ。ただこの道は自分が選択しなかったため語ることはできないのであしからず。


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