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日本脱出マニュアル~1.国ガチャは何度でも引き直せる。

日本がヤバいヤバいと言われ始めて久しい。今から約15年前、私は日本でのサラリーマン生活を辞めてシンガポールに渡った。今はいろいろな国で暮らしながら事業や生活をしているが、日本で暮らしていた時と日本脱出した後を比べると、もはや完全に別の人生と言って良い。外国で暮らすということはそれくらい大きな変化が起きる。
しかし思い立ったが吉日、とばかりに行動を起こせる人ばかりではない。このノートは日本脱出に興味がある人向けに、体は出られなくても脳内だけでも日本脱出できないか?と思い書いているものである。もちろんその後に実際脱出できれば尚良しである。

「国ガチャ」は何度でも引き直せる

日本では「親ガチャ」という言葉があるらしい。親が裕福・まともであるかそうでないかにより、子どもの将来が大きく変わってしまうという意味である。また遺伝的に劣った容姿や体などを背負ってしまうと、スタートラインで弱者になってしまい挽回が簡単ではないという意味でも使われているようだ。

確かに親は選べない。親というのは唯一無二の存在であるので、ハズレであると自分が言い張ればそれは真実となる。「うちの親なんて口うるさいだけで全然理解してくれないよ」「いやいや、うちの親なんて家にすら帰って来ないし」などと、日本人らしく謙遜しあっていれば会話もスムーズに進むだろう。中には虐待や貧困などガチな問題もあるので一概に親不孝とも言えない。なかなか便利な言葉だなと思う。

しかし生活する国は自分で変えられるのだ。それが「国ガチャ」である。日本は島国であり日本語というマニアックな言葉を独占的に使用しているため、他国に行って暮らすという発想が欠落している人が多い。北海道から東京に出てくるのも大阪からソウルに行くのも、物理的距離はたいして変わらないがソウルの方は国境があるため遠く感じる。しかしひとたび日本を出て暮らしてしまうと、日本はアジアの縦長の国という程度の認識になる。日本というのは日本人が思っているほど極東の小国でもない。自分がどの国に住みたいかを考えることは難しくない。

日本は高齢化が進み経済的に長期低迷しているし、良いところなど無い!と思っている人もいるかもしれないが、日本が圧倒的に有利なところがある。それはビザ無しで行ける国が世界最多ということだ。これは経済援助やマナーの良い国民性など先人たちのお蔭と言って良い。この点では生まれた国ガチャはSSランクである。自分も世界中を移動する時にどれだけ助けられているか。世界で最も信用があるパスポートを持っていることをまず認識したい。

ではどの国に住もうか。自分で国ガチャを引くのだ。発展している欧米が良いのか、成長中のアジアが良いか、などなど選択肢は195あるので自分の興味や性格から考えてみるとよい。まずはネットや知人ネットワークなどを駆使して現地の情報を調べ、観光でも訪問してみる。ここでウキウキできると未来は明るい。

これは人生一発逆転を狙うことができるニューゲームである。一度住んでみて違うなと思ったら、国ガチャは何度でも引き直すことができる。失敗のリスクは自分の周囲の人間関係と金銭的なものぐらい。もちろん危険地域に渡った場合は別だが。暗い日本でグダグダと不満にまみれているくらいなら、国ガチャを引いて人間関係もリセット、新しい人生を手に入れた方が面白いはず。

ちなみに親ガチャというのは外国の方が酷い。例えばタイでは生まれた時の家庭環境で階層がほとんど決まってしまい、違う階層の人と日常生活で友人になることもない。観光客がマッサージ店に行って「物価が安くて助かる〜」などと感激しているが、それは経済が発展しても貧乏な層が存在しているからである。華人など家族的結びつきが強い多くの国では、親が子供の付き合う相手も制限し財産も計画的に相続させる。他国と比較すると日本は階層間移動はしやすい国と言える。しかし未来もこのままである保証はない。


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