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Broken carry Go train

駆け出しバンドマンの必須アイテムをご存知だろうか。楽器?いやいや、当然楽器がないと演奏が出来ないのだがその楽器に匹敵するぐらい重要なアイテムがある。



それがキャリーだ、特にこまごました機材の多いドラマーには特に重要なアイテムではなかろうか。



それなのに、またこいつが厄介なのだ。耐荷重〇〇kgと書いてあるのに細かなアーム部分だったりちょっとした所がすぐにダメになる。よりによって、大事なタイミングで。。。



あれは夏頃のライブ終わりの帰り道のことだ。そこは地元近くではなく電車で行ける範囲だが県をまたぐ、少し離れたライブハウスだった。次の日がどうしても外せない用事のため打ち上げには行かず、帰路に着くが精算が長引いてしまい終電ギリギリだ、しかも乗り換えが必要な路線のためひとつのミスが命取りだ。



小雨が降る、あいにく傘を差す暇など私には無い。ゴムバンドをぐるぐるに巻いたキャリーを引き、小走りな私。無常にもその日の雨は私には冷たかった。


ガシャーンガラガラガラ


早く走りすぎてキャリー転倒!!


焦る私


すぎる時間


荷物を組み立て直す私


刻々と終電は迫っている。。。


はぁはぁはぁ。


焦りと走りで息が上がる。


とうとう地下鉄へたどり着いた。


こんなこともあろうかと往復で切符を買っていた私に余裕の笑みがこぼれる!



勝った...



しかし勝利の悦に酔いしれる間もなく事件が起きる。キャリーの真ん中の結合部分が突如外れた。



ガラガラドッシャーン



終わった...



無情にも電車が私を置いて去ってしまう。二度と会えない幼なじみとの別れのような風景である。



夜露に濡れた体が季節の風を強く感じるのであった。。。

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