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虹の橋を渡った猫

2022年4月3日23:30ごろ
愛猫が虹の橋を渡りました。

出会いは確か今から13年前。
近所に野良のシャム猫を発見。

その頃、野良のシャム猫がもう1匹いて、近所のちびっ子たちが「ミケ」と呼んでいたので「三毛猫ちゃうで、シャム猫やろ」と言ったら「知ってるよー」と返ってきたり。

で、そのミケは時々のんびり散歩していたので挨拶していた。

ある日、チューリップの花壇で「太ったミケ」に遭遇。

「お、ミケ、太った?ええもん貰っとるしなぁ」と話しかけていたら、別の機会にスリムなシャム猫に遭遇。

「あれ?」と思っていたら、猫を探していますの張り紙。

名前、れい、5歳、5kg(太め)

まさか同時期にシャム猫が同時に野良になるなんて思わないし、同じエリアにいるなんても思わない。

そんな張り紙を見て、書いてあった電話番号にTEL。
やってきたおばさんは「実は娘の猫なんです」と写真と見比べる。

聞くと、新婚旅行に行く娘さんが母親に猫を預けたらしい。
おばさんは飼い主じゃないので、いまいち猫が「れい」か自信がない。

母「れいちゃんって呼ぶと返事しますよ」
おばさん「でもこの近所、もう1匹シャム猫いますよね、その子かも。それに写真よりも顔の黒さが足りない気がするんです」
母「まぁ苦労すると白髪も増えますから」

え?猫も白髪増えるの?と思いつつ、結局おばさんは「れい」を連れて行かなかった。

そして、ミケを見なくなった。

元飼い猫だから、餌が取れない

「れい」は餌が取れない。
時々会った時に、こっそりご飯をあげていた。

ある日、意を決してゴミ捨て場に突っ込もうとするれいに遭遇。
カラスVSれい。
圧倒的に、れいの負け。

母がたまたま通りかかり「あら〜れいちゃん〜」と声をかけると、サッと「お母さん!お腹空きました!!」とアピール。

何度か会っているうちに、家に連れて帰ってみた。
最初は1時間。
次は2時間。
次は5時間。

れいは徐々に滞在時間を増やし、我が家に慣れていった。

朝7時50分出勤、夜19時半退勤

当時の我が家の生活は、奈良の実家にわたしが基本一人で暮らしていた。
父は仕事で東京。ただ、母が月の半分東京暮らし、半分奈良暮らしをしていた。

わたしと一緒に朝7時50分に家を出て、れいはその間外で暮らす。
19時半ごろ帰宅すると、バス停の近くの木の下でれいが待っていた。

母が帰ってきた時はパラダイス。
好きな時間に外に出て、1時間もすると母が迎えにきてくれるから。

晴れて正式に我が家の猫に

父は64歳で仕事を退職し、奈良に帰ってきた時に「れい」に遭遇する。

どうしていいか分からず、れいが膝に乗っていた時は「重い・・・」と思いつつも長時間耐えたりしていたらしい。(そのまま昼寝されていた)

ある日、れいが外に出ると野良猫の喧嘩に巻き込まれた。
父がタバコを吸いがてら散歩に行くと、血を流したれいと会う。

急いで病院に行って、我が家の苗字がついた診察券をもらう。

「お、お前、俺ん家の子だな」

と、れいは正式に我が家の猫になった。

通じないから、通じ合おうと努力する

仕事人間だった父が退職して奈良に帰ってきたので、「ボケるんじゃないか」という心配があった。

ところが、言葉が通じない猫がいる。
父は最初、れいが粗相をすると怒った。

でも、れいは「分からない」という顔をする。

そこで父は猫に関する書籍を買ってきて勉強しだした。

「エス子、知ってるか。猫はな、1歳くらいの知能しかないんだ。だから悪いことして怒られても覚えてないんだ」

母が怒るとれいは反省する。
れいは知っていると思うけどな、と思いつつ同意した。

言葉が通じないから、通じ合おうと努力する、父にとっていい存在ができた。

父も母もれいをたくさん可愛がった。

楽しい思い出たくさん

れいのことは思い出しても、本当に楽しい思い出しかない。

東京に出てきたからの5年間は年に数回しか会えなかったけど、うちの両親を支えてくれる、かわいい「弟」だった。

どんどん背中が骨張ってきて、MAX8kgあった体重は3kg台にまで落ち、寝ていることが多くなった。

骨がもろくなって、歩くことも大変そうだった。

でも、外が好きなれいは、よく散歩してた。

悲しさと同時に、苦しみから抜けた安堵感

どんどん自由が利かなくなる体。

3月30日に痙攣が起こり、
4月2日の土曜日から歩けなくなり、
3日の23時半ごろ、母が息をしていないのを発見。

歩けなくなってから、母が毛布にまいて抱っこして注射器で水を与えて、小さくゴクゴク飲んで。

最後は眠るように安らかに。

寂しがり屋だから、合同葬にするらしい。

生きていてほしいと思うけど苦しんでほしくないとも思ったので、悲しいけど安堵感が強い。

連絡が来たのは昨日の夜中なので、今朝れいが亡くなったことを知ったんだけど、昨日の夜はずっとれいのスマホの写真を眺めていた。

父がベランダで座っていた椅子を気に入って自分専用にしちゃったりとか。

猫じゃらしで遊んで興奮しすぎて空気清浄機に体当たりして倒しちゃったりとか。

近所の仲良しクロネコちゃんと散歩したりとか。

夜中に散歩行きたくて起こしてきたりとか。

迎えに来るのが遅いと怒ったりとか。

その割に、迎えが早いと出てこないところもあり。

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一時期、膝の上に乗るのを嫌がったのに、最後はよく乗っていた。

虹の橋で、うちの両親が来るのを待ってくれるといいなぁ。

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