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アマチュアギタリストこそJC-120を使いこなせ!

1.ギターの音作りで一番重要なのはアンプ

ギターの音作りって難しいですよね。家の小さいアンプでいい感じで作れても、スタジオやライブハウスなどにあるアンプを使うと全然違う音になることも誰もが経験したことがあることでしょう。エレキギターにおいて音作りの核ともいえるのがアンプと言っても過言ではないでしょう。ギターよりもアンプの方が大事とかいう人もたまに見かけますw(それは流石に過言やろ!)それを、解決するには、良いアンプを買って、練習でも本番でもそれを使うのが一番良い解決案です。

個人的にオススメは現行品なら Fender の '65 Deluxe Reverb ですね。


・・・、無理やろ!!
重いし、デカいし、そもそもこんなん家で音出されへん!!!


アマチュアギタリストの大半がそんな風に思っていませんか?
僕は車も持ってないので、特にアンプの持ち運びは正直キツイというのが本音です。ギター2本持っていくことは割と普通にありますが、アンプは現地に無いという以外の理由では持っていきません。
「俺は基本車移動やし、アンプの持ち込みなんてギタリストとして当然のたしなみやろ、そのための筋トレや!」って考えの方は素晴らしいと思いますが、そんな人には時間の無駄になるので、ここで記事を読み終えて、ブラウザバックを推奨します。

そんな、もやし野郎の僕が考えた結論は、どこのスタジオにも、ライブハウスにもまずある「JC-120で如何に最良な音をつくるか」をテーマにして音作りを考えることです。


2.JAZZ CHOURUS 120 の使いずらいところ

今年(2023年)で、50周年を迎える超ロングセラー商品であるJC-120ですが、だれもかれもが憧れるアンプというわけではありません。


むしろ、世間一般の評価としては非常に使いずらく、他のアンプがあるならそっちを使いたいという人が多いです。(複数人ギタリストがいる場合、奪い合って、負けた人がなくなくJCを使う場面を何度か目にしましたw)

JC-120のなにがそんなに使いづらいかというと、まず歪まないことです。一応「Distortion」というつまみを使えば、歪んだ音も出るには出るのですが、「この歪の音が良い」という人は聞いたことがありません

次にクリーントーンが嫌いという人も結構いますね。確かに真空管の音が好きな人にとってはすごく使いずらそうな固い音のイメージがありますね。

ただ、悪い評価だけしか聞かないわけではありません。デカい音量がでる。コーラスは使える。あと、頑丈で壊れても修理が容易である。この壊れにくいことが各地で愛用されている要因でしょうね。

最後に、あまり他人からは聞いたことがありませんが、個人的には地味にリバーブが良い。お金出してペダルを買うくらい買うくらいならこれで十分なレベルだと思います。また、エフェクターのノリが良いと思います。非常に評価の低いプリアンプなんですが、エフェクターの良さを他のアンプよりも比較的に引き出してくれるように感じます。これは、おそらくキャビネットとしては優秀なのかなと考えています。

3.クリーントーンを使いこなそう

JC-120を使いこなすためには、まず単体でそれなりな音を作る必要があります。そこで、イコライザーで調整するのですが、JC-120はその個性的な音が原因なのかフラットが「ベース5・ミドル5・トレブル5」という派閥「ベース0・ミドル10・トレブル0」という派閥など様々な考察がされていて、フラットの基準すらままならないという状況です。

僕の意見としては、イコライザー的には「ベース0・ミドル10・トレブル0」がフラットだと思いますが、そもそもの音が偏っていて、さらに長く使われてきている場合、修理の仕方によってかなり個体差が出てきていると考察しています。

そのため、使うギターや演奏するジャンルなどを考慮して「ベース0・ミドル10・トレブル0」から、個体差を確認しながら調整しています
例えば、ストラトで結構歪ませてブルースを弾く場合は、「ベース4・ミドル10・トレブル0」くらいを基準にして、まだギターの高音が気になる場合はギターのトーンを絞っています。
また、フルアコでスタンダードなジャズを弾く場合は、「ベース3・ミドル7・トレブル2」くらいを基準にして、各種ノブで微調整しています。

大事なことは、まずは自分のギターの特性を理解して、どのような音を出したいかをイメージして、アンプだけで可能な限り近づけることだと考えています。JC-120が嫌いな人は、一度、スタジオなどでJC-120とギターだけでどこまでできるか1~2時間くらい向き合ってみることをお勧めします。(個人練習なら、お金もそんなにかかりませんしね)意外といい感じのところまでは、どんなジャンルでもできるアンプだと思います。

あと、「チャンネルリンク」や「Distortionのスイッチだけ入れてつまみは回さない」など結構いろんな小技もあるので、気になる人はそっち方面を調べてみるのもいいかもしれませんね。(僕は使わないので、あまり詳しくありません。すみません)

4.納得できる音作りのためのエフェクター

JC-120単体で可能な限り、理想に近づけれたら、必要なエフェクターもおのずと明確になります。また、購入前に試奏する際も、自分のギターを持っていきJC-120で試奏させてもらえれば、購入後にイメージが違って後悔することもなくなるでしょう。あとは、お財布と相談しながら、エフェクターを購入するといいでしょう。

参考に、あまりお財布と相談しなかった約十数年前の僕の事例を挙げておきます。相談しなかったこともあり、この十数年間エレキギターの機材回りの更新をすることはありませんでした。

①激しく歪ましたい

ブルージーな曲で、激しいギターソロを弾く場合、やっぱり歪ペダルが欲しい。純粋に歪の音が気に行ったEVA電子のオーバードライブを購入しました。暴れん坊で、調整が難しいけどゴキゲンに歪んでくれます。

Overdriveとかいいながらめっちゃ歪みます

②ギターソロで艶のある音作りをしたい

JC-120のクリーントーンだと音が固くて色っぽくない、そして単純にブーストすると高音がキャンキャンして、うるさい。そこで、当時は普通に定価の2割引きで6万円くらいで売っていたKLONのCentaurです。軽く歪ませながら綺麗にブーストしてくれて、TREBLEを絞れば、理想的な色っぽい艶のあるトーンになりました。

今じゃあとても買えないけど、安いコピーモデルがいっぱいある


③どうしても真空管のクリーンが欲しい

ブルースロックで激しいカッティングなどするときに、真空管の音じゃないとどうしても物足りない。そこで、真空管入りのプリアンプ BatCat の 2-Tone です。「いや、プリアンプを買うならJC-120の設定はそこまでシビアにしなくてもよくない?」って思いましたか?実は僕もそう思っていました。なので、上記2つよりも先にこれを購入して導入したんですが、どうしてもJC-120っぽさが残ってしまい、真空管の良さが出し切れないと感じたんです。逆に言えば、先にJC-120のイコライザーで音作りすることの大切さを教えてくれたペダルですね。

鏡面ボディは汚れが目立つ


④リバーブはJC-120で十分

演奏ジャンル的にあとはリバーブだけあれば事足りるので、薄くリバーブをかけている感じです。曲的に途中で on/off を切り替えたい場合は BOSS の FS-5Lなどで操作可能です。


5.技術革新によってもたらされた最新の手段

そんなセッティングで問題なく十数年間、演奏活動をおこなってきましたが、最近デジタル技術の進化によって新たな選択肢が出てきました。それがアンプシミュレーターを使って、JC-120のリターンから入力を行うということです。十数年前のアンプシミュレーターはあくまでも、PCのインターフェース的な機能がメインで、リターンから入力してみても、おもちゃみたいな音にしかなりませんでした。しかし、ここ数年で飛躍的にアンプシミュレーターの技術が進化したようで、最新のモデルであれば問題なくシミュレートされた音が出力されます。また、リターンから入力することで、JC-120のプリアンプ部分を回避できるので、2であげた問題点をすべて回避することが可能という究極の答えのような選択肢になります。

僕のオススメのペダルは UNIVERSAL AUDIO の UAFX DREAM / 65 Amplifier です。実際に十数年ぶりに購入したエフェクターです。ポイントはアプリでの設定変更でフットスイッチの設定をリバーブ on/off と ブースト on/off にすることが出来るという点です。もはや、完全にアンプのフットスイッチにすることが可能ということで、ライブなどで使う場合にはかなり重宝する設定です。残念ポイントは設定の仕方の説明が全然足りてないことと結構ややこしいことです。

注意点(2023/02/20:追記)

JC-120のリターンから入力するのが、かなり有効な手段なのは間違いないが、古いJC-120の場合、センドリターンが付いていない可能性があります。目印としては、電源がボタン式の前に使われていたトグルスイッチのモデルで、上下に電源ONにするタイプ(ON-OFF-ONタイプ)の機種の場合、センドリターンがない可能性があります。
※最新式のモデルもタイプの違うトグルスイッチ(ON-OFFタイプ)になっていますが、最新式のモデルのJC-120には当然センドリターンが付いています。

電源(POWER)がON-OFF-ONのトグルスイッチ


6.最後に

長々と書かせていただきましたが、5番の方法だけ読んでも事足りる内容でした。じっくり読んでいただいた上で、「おいー!」ってなってしまった方には申し訳ありませんでした。しかし、アンプシミュレーターもマルチエフェクターも内蔵されているような商品は良いアンプ並みに高額ですし、ペダルタイプのものは種類がまだまだ少ないので、まずは評判の悪い JC-120 を使いこなすところから考えて欲しいと思い、この順番にしました。使いこなすことだけなら、出費も少ないので、お金はないけど時間はある学生さんなんかには特に意識して欲しい内容でした。僕も学生時代にじっくり時間をかけて向き合った結果、現在の考えにたどりつけたので、もし読んでくれた方の何かの参考になれば、幸いです。



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