出版社の内部事情をボヤく。

変化してきた編集と営業の関係。

いまはだいぶ各々の出版社でも改善されてきたと推測しますが、ひと昔は編集部と営業部は何かあるたびに言い合いになり、互いの言い分をぶつけ合って譲り合えない雰囲気がありました。

本が売れれば編集部は自分の手柄!営業部は自分たちが頑張って営業したからだ!になるし、売れないと編集は営業がちゃんと販促しないからだ!営業部は編集が売れない本をつくるからだ!になる。

しかし、そのような関係ではまずい時代に変わってきた。内容がよいだけでは売れなくなってきたのだ。

今まで売れていた作家も部数が伸び悩み、新しいネット社会で熾烈を極めるコンテンツビジネスにあって、出版はどう立ち向かうべきか。

雨後の筍のように生まれる新刊の多さが新しい価値の提案ならまだしも、似たようなものばかりが増え始めたのだから、類似書を気にしないでは企画が立てられない環境に変化してきた。営業の声、書店の声、売上のリサーチが編集部には欠かせなくなってきたのだ。つまり、チームでの総力戦で当てにいく流れが生まれてきたように感じる。


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話は変わるけど、今日改めてうちの出版社は、コミュニケーションがよく取れた、互いに理解し合いながら気持ちよく仕事ができる仲だなと感じたわけだ。

出版ってデリケートなくらい人間関係が大事な業界である。そもそもコンテンツビジネスは究極、人で決まると思っている。

編集と著者、編集や著者とライター、デザイナー、イラストレーター、編集と営業、営業と書店といった具合に、一冊の本の製作・販売の裏には様々な事情がある。

で、今日の話なんだけど、編集長と電話で本の装丁について話したんだけど、自分は著者プロデュースから原稿チェック、書店営業とマルチにさまざまやるんだけど、やっぱり根っこは営業マンなわけですよ。

書店でどう売るのか、どんな見え方になるのか、机上で判断する装丁と現場で見る装丁の違い、ライバルの装丁を知っているから、現場感覚から編集部が出してきた企画や装丁に、それじゃダメだぜ!って言ってしまうことがある。

だけど、編集部には編集部の苦労があるし、本を作る上で色々なデリケートな外部との付き合いもある。人間関係のバランスもある。プロとプロの意地の張り合い、考え方もある。それも分かってあげた上で、編集長に率直に聞いたわけだ。

装丁について俺は妥協したくない。売れる売れないの最前線に身を置く営業マンとして、納得いくまで妥協せずに直すところは直して欲しい。編集には編集の考えもあるでしょうから、ぶっちゃけ、どうなんでしょう!?と。

話を聞いて初めて、なるほどなと、見えないプロセスや編集の大変さ事情があった。みんな一生懸命にやっていると、仕事に限らず互いの感情や事情、事実の裏に隠された真実があって、ちょっと間違えると勝手な思い込みや好き嫌いの感情から誤解が誤解を生んでいくものだ。

話し合うことで理解し合いながら進む。疑問に感じたらすぐに話し合う。そのスピードが大事なのだ。誠実さはスピードに現れるのだから。


長くなりましたが、うちはやはり仲がいいという面倒くさい自社アピールなわけですが、写真は、人間関係に悩み黄昏ている私です。ウソですけど(笑)。

ただ、ピーナッツをポケーッとしながら食べていた所を撮られただけですw

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