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父の愛情①〜私は父から逃げ続けた〜

※もし、内容に関しまして、気分を悪くされるようでしたら、その際は静かにページを戻って下さい。よろしくお願いいたします。

父に対する嫌悪感の始まり

私が父から受ける愛情に、違和感を感じるようになったのは、両親が離婚してからすぐの事でした。

田舎へ引越しの当日…。

当時私は小学5年生。子供だし、女性らしさなど自分で意識すらしていない頃です。

荷物を運び出し、父と父の友人と3人でエレベーターに乗っている時のことでした。

ポニーテールにしていた私のうなじを、父は触りながら、友人にこう言っていたのを覚えています。

「こいつのうなじ、色っぽいやろうが」

正直ゾッとしました。

『親がそんなこと言うのか…?気持ち悪い…』

父の友人は、どう返事をしたらいいものか…戸惑っていたと思います。無言で苦笑いしていました。

「やめてよ!」

そう言って、父の手を振り払いました。

エレベーターが1階に着いてドアが開いた瞬間、私は逃げるように飛び出したのです。

『母と離婚になったことで、ポッカリと抜け落ちた父の心の中を、娘で埋めようとしているのか?』

いろんなモヤモヤばかりが駆け巡り、少しずつ父と距離を取るようになっていました。

父に対する嫌悪感は、この時から始まったのです。

苦痛の睡眠時間

田舎に引越して、慣れない環境、気持ち的にも落ち着かない日々…。

それでも寝る時だけは、安心して寝たかった。

父は3交代の工場勤務…

夜勤で父が夜いない日は、ぐっすりと眠れていました。
しかし、夕方帰ってくる日と休みの日の夜は、全く落ち着いて寝ることが出来ませんでした。

寝る時は父と姉と3人で川の字。
私は真ん中にいつも寝ていました。

ある晩、夜中眠りについていた時のこと、私の背中が直に撫でられているように感じました。

『なに…?』

一瞬なにが起こっているのか、分かりませんでした。

『ゴツい手…父だ。』

その後すぐ気づいて、父の手を力いっぱい叩きました。

「もう!せんでよ!!」

そう言って、背中から手を外して、私は姉が眠っている方へ逃げて寝ました。

この父の行動は、一度ではなく何度もありました。その度に夜中私は苦痛を味わい、落ち着いて休むことすら出来なくなりました。

『父にとって、これは愛情なのか?
いや、姉に対してはそんな事していない。
なんで私だけなのだろう…。』

そして、直に背中を触ってくる事に、父に対する嫌悪感を強く持ってしまい、長年苦しみとなっていくのでした。

この事を姉に話したのは、ずっと後…20年ほど後のことです。それまで沈黙を隠し通しました。

監視されている気配

引越し先には、自分の部屋という空間がずっと無かったのもあり、勉強部屋は縁側の一角に無理やり机を置いたような場所でした。

隣の和室と縁側の間に、すりガラスの戸で部屋を区切られている中で、学校の宿題やテスト勉強をしていました。

このとおり、プライベートな空間などありません。

父はその戸をこっそりと開け、私をジッと見ている…これが日常茶飯事でした。

「開けるぞ」とか、ノックするとか全くありません。いつもいきなり開けてきます。

あまりにも何も言わずに、私の顔をジッと見てニヤニヤしているだけなので、ついに口走ってしまいました。

「何なん?いつも人の顔見てニヤニヤして…監視しよん?気持ち悪いんやけど。」

その言葉に父は怒りをぶつけてきました。

「何ちか?!親に対して何を言いようとか!」

…そう返ってくるのも、私の中では想定内でした。

でも、父の行動にずっと我慢をしてきた経過で、一度思いを吐き出せて、少しは私も意思表示が出来るようになってきたと感じた瞬間でもありました。

父はショックだったかもしれない…

でも、娘が感じる嫌悪感を、少しは察知して欲しかったです。

その後、私は必要以上に父と話す事はありませんでした。

私は成長と共に、異性に対する依存が酷くなっていくのでした。

…つづく。

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