ペルソナを生成してAI記事を推敲する方法
みなさんはペルソナという言葉を知っていますか?
ペルソナはもともと心理学用語で外的側面(周りに見せている自分)という言葉からきています.
現在はマーケティングなどの分野でよく使われています.実際にいそうな架空のユーザーを作り上げて,そのユーザーだったらどんな消費行動をしてくれるだろうかとか,どんな商品を選ぶだろうか,といったことを議論するときに使われます.
マーケティングや新商品開発では,近年流行りの方法だそうですね.
さて,なぜ普段科学記事を紹介している私がペルソナの話をするかというと,実は生成系AIの特技の一つがペルソナを作ることなんです.
通常ペルソナを作るときには,実際にその市場に詳しかったり,消費者の行動をよく観察したりとなかなか骨が折れる作業です.しかし,ChatGPTなどの生成系AIを利用すると無限にペルソナを生み出すことができるようになります.
今回は,そんなペルソナを使って科学記事をブラッシュアップできないかという取り組みを紹介したいと思います.
想定読者を想定しきれない
このnoteでは科学記事を紹介しますが,その想定読者は科学の専門家ではなくて,そんなに科学に詳しくない人たちを考えています.そのため,正確性よりもふわっと理解できるかな~ぐらいの感じの記事を書くことが多いです.
ただ,よくコメントなどに寄せられる声として「難しい」という意見があります.あまりに中身のない話をしてもつまらないなと思って,専門用語をあまり削らないで記事を投稿するのが良くないのか,あまり想定読者のことを考えられていない運営になっています.
それはChatGPTを使って書いた論文の要約記事も同様です.私個人としてはわかっても,読者からしたらあまりよくわからないものを投稿していることが多いようでいつも反省しています.
ということで,冒頭の話に戻って,科学に興味があるけどあまり詳しくないペルソナをChatGPTに生み出してもらい,その人からコメントをもらって記事をブラッシュアップしようという試みをやってみました.
ペルソナ作成
こんな感じでお願いするといともたやすくペルソナを作ってくれました.今回はこのサトシさんというペルソナを使って,科学記事にコメントをもらってみましょう.
ChatGPTが作ったサトシさんのプロフィール
ペルソナ: サトシさん
年齢: 25歳
職業: 会社員(営業職)
学歴: 大学卒業(専攻: 経済学)
居住地: 都市部の一人暮らしのアパート
趣味:
映画鑑賞
自然散策
ドキュメンタリー番組を観ること
興味・関心:
科学全般に興味があるが、具体的な知識は浅い。
環境問題や新技術のニュースに関心を持っている。
健康やライフスタイルに関する科学的な情報に興味がある。
日常生活:
仕事は平日フルタイムで、夜や週末にはリラックスする時間を確保している。
仕事の合間や休日に、ネットやテレビで最新の科学技術や環境問題についての情報をチェックすることがある。
よくドキュメンタリーや科学番組を観るが、専門用語や詳細な知識がないため、理解しきれないことが多い。
課題・ニーズ:
科学的な情報をわかりやすく理解したいが、専門用語や複雑な説明に戸惑うことがある。
新しい技術や環境問題について簡単に知りたいが、どこで情報を探すべきか決めかねている。
科学のニュースや情報をもっと身近に感じたいが、どこから始めればいいか分からない。
価値観:
知識を深めることに前向きで、特に自分の生活や社会に役立つ情報を重視している。
科学の進展が自分の健康や環境に与える影響に関心があり、積極的に情報を取り入れたいと考えている。
友人や家族との会話で科学に関する話題を共有したいが、専門的な内容に自信がないため、わかりやすく理解できる情報を求めている。
目標:
科学的なトピックについて基本的な知識を得て、自信を持って会話できるようになりたい。
科学に関連するニュースや情報を簡単に理解し、自分の生活に活かせる知識を得たい。
環境保護や健康に役立つ情報を効果的に取り入れ、日常生活で実践したい。
確かに科学に興味がありそうなので,基礎的なことは説明しなくてもわかってくれそうですね.
一方で,専門家ではないので難しい話になると多分理解に苦しむでしょう.
ここであらかじめ,ChatGPTに作成させた論文要約記事を渡してやります.
すると,このように読んだ感想を教えてくれます.それをChatGPTに再度利用させて,記事のブラッシュアップをお願いします.
こうして完成したのが先日投稿した記事です.
私は作っている本人なのでわかりますが,確かにペルソナの作成によって,記事の難しいところが可視化され,多少ましになった印象があります.
ただし,ここで気を付けなければならないのでは,ペルソナをどういう人物にするのか?という点です.
あくまで検証企画など私の意志はなるべく介在させずに取り組みましたが,私が読者だったらいきなりスキャフォールドの話はつまらなくない?と思います.(ChatGPTの記事なので辛辣にいかせてもらいます.自分が言われたらショックですが…)
もともと,サトシさんは科学に興味がある人だったので,その点はスルーされて専門的な解析方法などに対してはわからないとコメントを入れてくれていました.そもそも,科学に興味がある人という設定をしたのは私自身なので,ペルソナ作成時点で少しミスっていたのかもしれませんね.
最後に
今回は,ChatGPTでペルソナを作って論文要約記事をブラッシュアップする方法を試してみました.
これまでゴールシークプロンプトや人間の記事との比較などいろいろ取り組んできましたが,ペルソナは一つの手法としてまだまだ試行錯誤の余地があるような気がします.
加えて,これまでの取り組みも組み合わせてみると,もう少しで人間を超えるサイエンスライターを生み出すことができるのではないかなと妄想しています.
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