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DE&Iの実現に向けたネクストステップ

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の理事辞任についての私のブログ投稿(https://note.com/ervj/n/n06ab2aa78594)をうけて、多くの方々が私に支援の意を示してくれたことに感謝しています。しかし、私が最も驚いたのは、私に連絡してきた多くの方々から、セクシュアルハラスメント、不適切な行動、様々な差別、私の最悪の予想を超える差別など、さまざまな経験を共有してくれたことです。

  • なぜ、最近開催された著名なベンチャーカンファレンスできれいに着飾る女性起業家が、シニアベンチャーキャピタリストから「会場でよく声かけられる(暗にナンパを意味して)でしょう」と言われなければならないのでしょうか?

  • なぜ、女性GPが日本の大手金融機関の投資家から、"女性はキャリアへのコミットメントが低いのにファンドに投資する必要があるのだろうか "と言われる必要があるのでしょうか? 彼女は「それはあなたの個人的な意見ですか、それとも貴社の意見ですか?」と返答し、その後、「いずれにせよ貴社のお金は受け取らない」と述べました。

  • なぜ、ベンチャーキャピタリストは女性起業家に、妊娠する予定があるのか尋ねるのでしょうか? - 私は、性別に関係なく、CEOや経営陣チームが、男女を問わず、産休/育休をとるべきだと思っています。このことは、企業の価値観について、とてもポジティブで力強いメッセージを社内に広く送ることになります(なんて素晴らしい職場なんだということも!)。

改めて言うまでもなく、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)は正しいことです。しかし、それ以上に重要なのはそれが利益をもたらすという意味でも正しいということです。日本の女性をすべての「多様性」グループ(年齢、性別、民族性、宗教、障害、性的指向、国籍など)の代表例として使うならば、なぜベンチャーキャピタル業界は50%の才能が活躍しずらい場所だと感じる労働環境を作り出しているのでしょうか? なぜベンチャーキャピタル業界はそれを許容し、同時にポートフォリオ企業の同じような行動を許容しているのでしょうか?

私たちは、私たちに利用可能なすべての才能を活用しないことで、より優れた、規模の大きい、利益をもたらす会社を作る機会を自ら奪ってしまっているのです。

さぁ、今こそ目を覚まし、行動を起こす時です!!

この度私たちは日本スタートアップ・エコシステム協会(SEAJ)の素晴らしい仲間たちや、ベンチャーキャピタリスト、JVCA理事、LP、起業家など、ベンチャー業界全体のステークホルダーとともに、日本のVC業界を前進させるための具体的な一歩を踏み出すべく、「DE&I 勉強会」を実施することにしました。

最初の目標は、業界全体で何が起こっているかについての共通の理解を深めることです。つまり、より広範なVCおよびベンチャーエコシステムにおけるDE&Iの状況について把握し、すべてのステークホルダーが共通の理解を持つようにするということです。次に、いくつかの短期的な成果を上げることに焦点を当てていく予定です。アイデアの1つとして、スタートアップ業界全体の行動規範・倫理規定の策定、トレーニングなどがあります。人々に行動に対する責任を持たせるには、何がそもそも正しいのかという指針があることが大切だと感じています。これは、ベンチャー・キャピタルとベンチャー業界を継続的により強固に、多様に、包括的なものにするための重要な第一歩だと思っています。

2024年1月からこの「DE&I 勉強会」を開催していく予定です。最初のセッションは1月19日午前9時から11時を予定しています。フォーマットについてはまだ詳細を詰めていますが、オンラインでの参加オプションは必ず用意する予定です。このワーキンググループはベンチャー業界の関係者すべてに向けオープンにしていきたいと思っておりますので興味ある方は是非ご参加ください。
今後「DE&I 勉強会」に関する最新情報を入手したい方は https://forms.gle/XEvtUcNbLgsLg6298  より登録ください。


■Author

David Milstein(デービッド・ミルスタイン)
Managing Partner, Head of Japan
Eight Roads Japan

1995年よりM&Aコンサルティング会社を起業し、テクノロジー、金融系企業の買収のアドバイザリを行う。2000年、フィデリティ・ベンチャーズ日本オフィス代表として主に国内IT企業のベンチャーキャピタル投資と 海外投資先企業の日本市場へのエントリ支援を行う。
2003年より、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の日本・アジアパシフィックにおける事業開発のコンサルティングに従事。2005年ウォルト・ディズニー・ジャパン入社。ディズニー・モバイルの携帯電話サービスを開始の責任者として事業計画からオペレーションを統括。2010年、ディズニー・インタラクティブ・メディア・グループ ゼネラルマネージャーに就任。
2012年4月よりフィデリティ・キャピタル・マネジメント日本支店 (現:Eight Roads Ventures Japan) の代表を務める。米国ペンシルバニア大学卒業。ハーバードビジネススクールにてMBA取得。

■Eight Roads Ventures Japan
Eight Roads Venturesは大手資産運用会社のフィデリティの資金を基に投資を行うベンチャーキャピタルファンドです。ヘルスケア領域を含む革新的技術や高い成長が見込まれる企業へ、米国、欧州、アジア、イスラエルとグローバルに投資活動を行っています。業界に対する知見とグローバルなネットワークを最大限に活用し、投資先に対してハンズオンで経営を支援し続けています。
URL: https://eightroads.com/en/
Facebook Page: https://www.facebook.com/eightroadsventuresjapan

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