【読書感想文】四畳半神話大系(ネタバレ無し)

森見登美彦先生の「四畳半神話大系」を読んだ。
(この記事は極力ネタバレに配慮しています。)

・あらすじ
大学生である「私」は、映画サークルで無駄な2年間を送った後、後悔に満ち溢れていた。
自分は薔薇色のキャンパスライフを送っているはずなのに、どうしてこうなってしまったのか。
それもこれも、サークルを通じて一癖も二癖もある人物たちと知り合ってしまったのが問題だったのだ。
もし入学したてのあの頃、映画サークルではなく別の団体に入っていれば…
そんな彼の枝分かれした、4つの平行世界を描く物語である。

・感想
この本の面白いところは、4篇が並行世界でありあがら、つながりを持っている、という話の構成にある。というのも、A世界で謎だった事象はC世界で初めて原因があきらかになったり、逆にA世界では原因も結果も分かっていることが、D世界では原因が分からずじまいだったりする。
それはさながら、ADVゲームをしているようだった。4つのルートを攻略する中で、主人公の選択で分岐するイベントもあれば、選択に関係なく発生する共通イベントもある。
1つのルートで謎のまま終わったことは、別ルートで明らかになる。また、どの章でも主人公や彼を取り巻く環境は毎回律儀に説明されている。
そのため、1~3章+最終章というのがこの本の構成であるが、1~3章はどこから読んでも構わないだろう。
すると、2or3章から読めば、順番に読んだ私とは違う部分での引っかかりや伏線回収を味わえると思う。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?