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コロナ休暇と僕の「本番」――子供部屋の手記

メンタルボロボロの中のコロナ罹患

 思えば9月はメンタルが我ながらボロボロだった。
 最終章に突入したのはいいが細かい流れを決めなかったために行き当たりばったりでバトル描写を盛らなければならず、結果的に難航した「トプカプ戦記」の執筆と相変わらずの閲覧数と評価数の少なさに例のごとくやられていた。
 マガジン公募向け作品の最後の一作に『座敷わらしが為った鬼の少女と元特攻隊員の和風ファンタジー』を書いたが一度消去して、エンタメ全振りの武装白バイもの「ニンバスライド」に書き直して、さらに余計な時間と消耗を繰り返した。
 そして何より新規実装艦の朝日に惹かれて艦これのイベントやウマ娘のハニバに打ち込んだのがいけなかった。
 艦これは朝日自体はすぐに手に入ったが欲を出して全面クリアや別の新実装艦のジャヴェリン目当てに、連日艦これの専ブラに張り付き、やめたかと思えばウマ娘のL’Arcシナリオとガチャに張り付き、メンタルとフィジカルをおろし金に掛けるが如くすり減らしていた。
 そして思い出したように「ニンバスライド」と「トプカプ」を書き綴っていたのだから、そりゃ消耗もする。

 そんな中で、どこで貰ったのか知らないがコロナに罹った。
 まず16日の土曜日に熱が出て頭に靄がかかったようになり、ただでさえアドリブで書いていた「トプカプ」が書けずに鬱状態に陥った。その翌日の日曜日も気分が良くなく、これは風邪が悪さしているなと思った。
 以前に疲れがたまりすぎてぶっ倒れたことがあり、Twitterのフォロワーさんのコロナ罹患で苦しむツイートを見ていたおかげで「今回もどうせメンタルとフィジカルがやられたところに気温変化が重なって風邪を引いただけだろう」とタカを括っていた。
 だが月曜日に検査キットを使ったところ、見事陽性反応。自室軟禁。
 翌火曜日に病院に通ったら、陽性確実という判断と薬を貰った。

 どうも最近の流行はそこまで重くないが罹患しやすいタイプらしく、僕は勝手に重いタイプばかりと勘違いしていたらしい。

 その後翌週の火曜日までは就労移行支援はすべて在宅ワークに切り替えて、僕はまたソシャゲの合間に原稿を書くメンタルとフィジカルをおろし金に掛ける行為を行いながら、なんでこう上手くいかないのだと嘆いていた。

 たぶんTwitterでよく見かける普通の人なら両立可能なのかもしれないが、そこ行く僕は疲労が溜まりやすく更に睡眠時間も長いうえにマルチタスク苦手マンなので、そりゃ上手くいく訳もないのだ。

 結局「トプカプ」を二話コロナ中に、「ニンバスライド」をコロナ明けに書きあげた辺りで古くからの友人から「お前が時間も意欲もないのは明らかに艦これのせいだろが。もう振る舞いが完全にDV依存妻のそれだから、二次創作はともかくゲームの方は絶対に縁切れ」と言われる始末だった。

 正直イベントだけでも時間とフィジカルとメンタルをおろし金にかけてる自覚はあったので、確かにもうこれ以上は危ないと思って、その日のうちに艦これの専ブラを削除し、封印した
 休止期間を挟みつつも10年続けたゲームであったが、普通の人に比べて要領の悪さが目立つ僕はメンタルがやられることもあり、もう無理だと思っての引退だった。
 で、もう一方のウマ娘はというと、後述の理由もあってなんだかんだ継続したままだ。

9月末、僕の本番

 やっと明日にはコロナ療養週間から外れるという9月25日、オーバーラップ文庫大賞の二次予選通過作の案内が来た。
 結果としては二次落選。文章力はやや足りないが作風自体はこなれて書かれていて、設定も重厚で良かったものの、話のスケールが小さく、キャラも少し抑え気味で、心理描写の冗長さが目立つためストーリーの牽引力がないという講評だった。
  アクションに欠けると言う指摘や、作り自体が00年代ラノベ的なジュブナイル性が強すぎると言う評は読んでくれた友人作家たちからも聞いたが、決定的な欠点ではないと思い込んでいた結果ではあった。

  ただ、自信作だったこの作品をぶん殴ってくれたおかげで僕自身も吹っ切れたと言うか、僕自身の作風の欠点を洗い出してくれたのだ。
  本当に自信作ではあった。
  ただそれでも冗長性の問題やキャラが抑え気味で、エンタメ性に欠けると言うのは自分でも感じられる欠点だった。
  そしてそれは僕の今抱えているあらゆる物語が抱えている欠陥でもあった。

・得意分野だからと言って情景・心理描写を多用、不義理や説明不足だと言う強迫観念からの動作描写や説明の過多。
 ・キャラクタの個性の暴発や誇張化・記号化を嫌って、リアリティへの強迫観念から、キャラクタをわざと大人しくして個性を内面描写や吐露セリフで深掘りする癖。
 ・作品内の空気感やリアリティを優先し過ぎてエンターテインメント性が欠ける作風。
 ・読書やインプット不足による表現力や語彙の欠如。

  それは企画書やWEB連載中の作品を含めて全て僕の作品の欠陥でもあった。

  自信作をぶん殴られ、改善点をここまで示されたら僕も逆に運が回って来たように思えた。
  一人で演じていた茶番劇も終わったような気がした。

 僕に課せられた課題は大きく四つ。

・インプットの増加
長年インプット不足を来していたことによるボキャ貧の改善とエンタメ性の再学習。
・キャラクタの洗練
キャラクタをもう少し誇張的かつエンタメ向きにしつつも、深掘りや空気感に馴染ませて魅力を引き出すようにする。
(そのためには「キャラが命」のソシャゲであるウマ娘は教材になってくれると思い、一応継続に至った)
・エンタメ性と知識と文章の勉強・実践
一番と重なるが、早い話が「とにかく積んでる本やアニメやゲームを片付けて、創造性のピースと文章力を身につける」ことである。
再読や書き写しも徐々に行って行くつもりだ。
・それまでの強迫観念の打破
リアリティ重視、説明や動作描写を省いて不親切にしない、作品の空気感を壊さない、自己満足のギャグを挟まない。
この辺は大事なことではあるが、これに重きを置きすぎる脅迫観念的な思い込みを打破しなければならない。

 長所を活かすのも良いが、まずはこれらをクリアする必要があると僕は思う。

「トプカプ戦記」の数少ない読者の方から提案された電撃大賞落ちの作品の改稿によるカクヨム大賞送りは、今回は見送りだ。
  正直上記の欠陥が目立ちすぎるし、作品のエンタメ性がたとえライト文芸としても波が小さ過ぎるのだから。キャラクタと設定だけ引っ張って一から書き直しするくらい必要だからだ。
  やるなら一から書き直して来年のカクヨム大賞に挑んでやりたい。

  そして当面の狙いは次回のオーバーラップ文庫大賞と次回のGA文庫大賞。

 落選企画書のキャラクタ(お気に入りなのだ)と設定(これだけは自信がある)を抜き出して上記の欠陥を修正し、エンタメ性を付加して書き下ろしたもの。
 前々からエンタメ性重視で考えていた物語を、よりキャラクタや設定を誇張化したもの。
 両賞にこの二つをそれぞれ出す。

 一応就職活動に関しては履歴書提出や面接を繰り返し、上手く行ってるのか行ってないのかわからない状態だ。
  だけども確実に僕の本番は今回って来ているらしい。
  SS将校を追い出した眼鏡のメイドさんが後ろで応援しつつ見張っていると思いながら、僕は取り敢えず最終局面に差し掛かった「トプカプ戦記」を書き、インプットと改稿をやることにするのだった。

 そして、その『ぶん殴られた自信作』を供養も兼ねて投稿しているのだが、一応リンクを張っておきたい。

https://kakuyomu.jp/works/16817330664675925299

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