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「ニンバスライド」企画書

キャッチコピー

武装白バイに乗る、彗星みたいな元レディースのかぐや姫が、僕の惚れた女性(ひと)

あらすじ

 北海道共和国首都・札幌特別市の治安を守る札幌市警察。オタク警官の伊水智(いみずさとし)巡査はその中の武装部隊・交通特別機動隊への転属辞令を受ける。
 智がチームを組んだのはチャラいパトカー男性警官・原田徹(はらだとおる)と黒い姫カットの元ヤンの白バイ女性警官・相澤果凛(あいざわかりん)の二人。
 智は二人と組むことを心配していたが、そんな中で違法薬物の持ち込み事件が発生しチームは早々に出動。売人の防弾車を追って札幌市域を駆け抜け、智の先を読むナビに導かれた果凛の運転と銃撃でマフィアの防弾車を追い込んだ。
  そして果凛は智に、智は果凛に惚れ、徹を交えた三人は札幌で起こる事件に挑むのだった。

第1話のストーリー

 北限のメガロポリスと呼ばれる北海道共和国首都・札幌特別市。国際交易の拠点であると共に裏社会の結節点でもあるこの街の治安を守る札幌市警は様々な強行部隊を有しており、オタク警官の伊水智巡査が転属した特別交通機動隊、通称「特交機」もまたそのひとつだった。
 交通課の危険運転取締から荒くれ者だらけと言う特交機に回され、怖さで一杯の通勤初日。智はカブで通勤中に追い抜き運転のバイクに注意するが、姫カットの女性ライダーは智にガン付けながら警察手帳を取り出す。相澤果凛、特交機の隊員だった。
 特交機は「フォワード」の白バイと「バックス」のパトカーで構成され、チームはフォワードドライバーの白バイ警官と、バックスドライバーとバックアップの二人のパトカー警官がチームを組んで、逃亡する凶悪犯や暴走運転者に対応する。
 智はバックアップとして配属されたが、同じチームを組むのはチャラく馴れ馴れしいバックスドライバーの原田徹、そしてさっき最悪の出会い方をした『伝説のレディース』ことフォワードドライバーの相澤果凛。智は早速その人選に絶望する。
 しかしチーム結成の当日、千島マフィアの下っ端が暴走族相手に違法薬物を売りさばいていた現場を市警に急襲され、違法薬物を乗せたまま自動車で逃亡したマフィアを追うことになった。
果凛はPDWを搭載した「フォワード」の1200㏄仕様のハーレーの白バイに跨り、その後を徹の運転する「バックス」のクラウンのパトカーが続く。
 マフィアの乗る四駆を追って果凛と徹は札幌北部の首都高速トンネル区間を走る。
  智は四駆が札幌の特別市高速に不慣れで、カーナビに従って逃げ道を走っていると直感で思い、臨港線に通じる前田JCT前で隙を見せるはずだと、作戦を立てる。徹と果凛は智の作戦を信じてバックスを前に、フォワードを横に着けて四駆を包囲する。
  智の読みと作戦は当たり、前田JCTを目の前にバックスに道を阻まれた四駆は必死に逃亡しようと銃撃と加速でバックスを振り切るが、その脇を果凛の駆るフォワードの白バイが駆け抜ける。
  まるで彗星のような軌跡を描いて、銃撃をかわしながら四駆の横に並ぶと、果凛はPDWを抜いてタイヤに向かって一斉射する。
  四駆はたちまち走行不能となりトンネルに激突。チームは初勝利を上げた。
 そして果凛と智はお互いに和解し、智は果凛の運転に、果凛は智の冷静なナビに惚れていた。

 第2話以降のストーリー

環状族摘発・智と果凛のデート編

 智が命名したチーム「ニンバスライド」は初出動の後、深夜の第二環状線を攻める環状族の摘発に投入され、三夜に渡る摘発で「ニンバスライド」は乱闘を含めた大捕物をやってのけ、最後の夜には環状族チーム「グレイヴ」のヘッドのランエボの改造車と徹の駆るエンジン以外はほぼノーマルのクラウンのパトカーとのバトルが繰り広げられ、バトルでもその後の乱闘でも徹が勝利した。

 環状族摘発を通じて果凛と智もチームワークを確かめあい、果凛のバイクテクと智の「気づき」とナビゲートの良さをお互いに褒め合ったりもして、徐々に「ニンバスライド」はチームとして纏まりつつあった。

 そしてとある休日。好きな美少女エージェントアニメの劇場版を見に映画館に行った智が果凛と鉢合わせ、同じ映画を見るのだと知って意外な気持ちになった。
 映画を見終えてなんとなく訪れたモールの洋食屋で、果凛もまあまあなアニメ好きなことや、暴走族に入った理由。暴走族から足を洗うきっかけとなった憧れた交機の白バイ警官の話をする。
 智も智もバイク好きだが母親に言われて125cc以上に乗れないこと、自分が警官を目指した理由でもある交通課の兄の話を語った。
 そしてお互いに隠しながらも好意を自覚しあった。
(伝説の白バイ警官と智の兄は同期で、共に交機で活躍していた)

   一方、マフィアも関与し、銃器なども保持する札幌市域圏を牛耳る二つの凶悪暴走族グループ「ジャックザリッパー」と「紅梅花」の暴走行為の激化と大抗争の予兆は確実な物となり、環状族摘発がその呼び水となったこともあり、大抗争に対して特交機もまた対応を迫られることとなった。

9.13 西11丁目大抗争編

 遂に「ジャックザリッパー」と「紅梅花」、そしてその傘下の暴走族たちの大抗争が近いうちに起きることが漏れ始めた。札幌市警察はXデーと激突予想地点を複数に割り出し、武装鎮圧部隊の投入を試みる。
特交機もまた駆り出されるが、第一環状線の南郷通IC付近での激突を要マーク地点と予想した市警はそちらに主要武装部隊を送り、「ニンバスライド」を含む特交機の少壮隊員の部隊が第二マーク地点であった石山通に駆り出されることとなった。

 一方で果凛と智は取り締まりの最中に、かつて果凛に懐いていた妹分で、果凛の後を継いでレディースグループ「メイデン」のヘッドとなった宮村杏(みやむら あん)と出会う。
 果凛の突然の脱退後、一匹狼から「ジャックザリッパー」の傘下に入った「メイデン」は今や「ジャックザリッパー」に乗っ取られてしまい、今回の大抗争にも参加すると言うのだ。
「なんでそんなバカなことをしやがった!」と詰め寄る果凛に、杏は「何の落とし前も付けずに勝手に抜けてった人が何言ってるんですか!」と返す。言い返すことの出来ない果凛に「もう手遅れなんですよ! ジャックザリッパーの連中から銃とか武器とかが配られて、うちら殺し合いになるんですよ!」と泣きながら言う。
 そこに智が割って入って、抗争後に果凛の手で「メイデン」解散を宣言する約束を取り付けた。
 智は「そのためにも特交機が抗争を台無しにしてやる」と口にするのだった。

 かくてXデーと判明した9月13日深夜、札幌圏の北と南東から「ジャックザリッパー」と「紅梅花」の二大チームと傘下チームの合わせて280台ほどの二輪や四輪は甲高いエンジン音を響かせながら突き進み始めた。
 各方面に配備された交通課のパトカーが数百台単位の暴走族の進行方向の連絡をするが、二大チームは市警の予想にないルートで市内を練り巡った結果、激突地点は第一環状線ではなく市域地の大通西11丁目であった。深夜の大通公園と石山通一帯を占拠するように280台の車とバイクが集い、500人の大抗争が幕を開けた。
 本来事態収拾に当たる特別強襲機動隊は二大チームと市警自身が引き起こした渋滞に阻まれ、特交機も本隊は押っ取り刀で駆けつけている最中。大通公園西部の現場には石山通に配備された予備配備の特交機の少壮隊員で占められた部隊が活動できる程度だった。

「ニンバスライド」は他の部隊と共に大通公園で、南から市内を練り巡って来た「紅梅花」とその傘下グループと対峙する。
鈍器や刀剣、マフィアから流れた拳銃やサブマシンガンで武装した暴走族の面々が「ジャックザリッパー」との激突の肩慣らしとでも言いたげに特交機に襲いかかる。
 それに「ニンバスライド」らはバックスのパトカーを盾に本格的な武装とフォワードのバイクテクで応戦するが、多勢に無勢でやり込められ、北からの「ジャックザリッパー」の合流でついに500人単位の乱闘となる。車やバイクも燃え、下手な銃撃があちこちへと飛び、公園は荒れに荒れ、信号機も倒れ、ビルのエントランスが破壊される。
「紅梅花」、「ジャックザリッパー」、特交機の三つ巴の乱闘だったが、大騒ぎに乗じて智と他のナビゲーターが連携し、特交機本隊と交通課のパトカーで大通公園に通じる通路を全て塞ぎ、車も単車も逃げられない状況を作る。

 そんな中で果凛は智と杏に目配せし、「ジャックザリッパー」の総長・中間晴樹(なかまはるき)を挑発。一騎打ちを提案して、封鎖した大通公園11丁目・12丁目の旧札幌中央裁判所前を舞台に一騎打ちが始まった。
 運転テクは果凛が上だが中間は持ち前のタフさを発揮し、フルオート拳銃を抜いて果凛の腹に当てる。果凛はそれでも精神力を振り絞って怯まず、正当防衛と嘯いてPDWで中間の脚と燃料タンクを撃ち抜き、勝負に勝ったのだった。
 バイクから降りた果凛に駆けよって、銃創の応急処置をする智に、果凛はまんざらでもない顔で「あたし、あんたのこと好きかも」と告げる。

 大抗争は結果的に札幌市警の大捕物となり、「ジャックザリッパー」はヘッドの中間と傘下の幹部数名が、「紅梅花」は幹部連4名が複数罪状で逮捕された。
 そして大抗争から一ヶ月。果凛の退院の日に、智は特交機副隊長・藤見(ふじみ)警部に「メイデン」の解散式に警官として立ち会えと言われる。
 駐車場には「メイデン」のメンバーが勢揃いしていて、そこには私服姿の果凛の姿もある。果凛と杏が藤見警部と智に向かって「メイデン」解散の意を伝え、特交機副隊長として藤見警部がそれを受け取るのだった。
 そして制服に着替える果凛に杏は「今の果凛さんの方が目ぇキラキラしてますよ。昔みてーな凄みはねーけど、かっけーっす」と声をかけた。
 それに対して果凛は「お前もポリになるか? 意外とやり甲斐あるし、実は意外に良い奴多いぞ」と返す。杏は苦笑しながら「考えときます」と一言断った。

 この後は千島やロシアのマフィアとの市内高速網を巡る諜報・戦略戦や軍警察との衝突、徹の恋模様などのエピソードを随時展開できればと思っております。 


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