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Human|アフターコロナで「こんにちは」

CHEESE STANDの藤川真至さんのnoteがさきほど公開されました。精神的なコロナ疲れが出てきたところに、未来を考えてみようという内容に、明るい気分にさせていただきました。

料理人付き編集者として、藤川さんが書いたnoteの原稿に編集者として意見したり、少し手を入れたりさせていただいています。関わった記事がどのように伝わってくのかは、興味深いものですね。

僕も気が滅入ってしまっているので、未来の楽しいことを考えてみようかなと、思います。アフターコロナの時代の人と人との出会いについてです。

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世界が変わった2020年

2021年3月12日、1年前に世界中を恐怖に陥れた新型コロナウィルスの感染拡大から1年。世界各国が一つになって立ち向かった、今世紀最初の課題に人類は打ち勝ち、平穏を取り戻した。

人類が勝利した直後に開かれた東京オリンピックとパラリンピックは、人類の結束をさらに強め、宗教による対立も緩和されて、地球の環境にも多くの目が向けられるようになった。

国連は「The Earth 2120」の名の下、地球が誕生46億年の歴史の中で、もっとも美しい地球を目指そうというプロジェクトが立ち上げた。その最初の10年のリーダーは、中国が務めることになった。

そんな中、僕は2年ぶりに桜の蕾を探しながら、午前中の東京を歩いている。

アフターコロナ、つまりコロナ以後の世界でもっとも変わったことはなんだろうか。

リモートワークによって日本の働き方は劇的に変わって、不要不急の仕事以外は「出社」がなくなった。それによって、東京にいる必要がなくなり、都心を離れる人が増えた。政府も、移住者希望者に補助金を出して奨励。一方、東京都に対して、オリンピック関連のレガシーを国が負担をするなど、税収が下がった都にも配慮した政策に、小池都知事もだまるほかなかった。

これで、戦後日本が抱える長年の問題であった東京一極集中の問題も解決に向かいそうだ。

リモートワークやオンラインイベントが一気に当たり前になって、サービス業やイベントなどの需要は減ってしまった。やっぱりアイディアを持っている人は、すぐに対応して新しい価値を作ってしまうもので、かえって小さくとも価値のある高額なイベントが増えたり、オンラインとオフラインをみんな器用に使い分けながら、新しいサービス業のあり方や、イベントのあり方を求めている。

家飲み、家食べが増えたのもアフターコロナの特徴かな。料理動画配信サイトは絶好調だし、家で本格的に料理をしたいというニーズから、料理人のレシピ本が飛ぶように売れている。Webテレビや地上波では、料理番組がほとんどだし、プレゼンがうまい料理人はひっぱりだこ。彼らのレストランも、満席が続いているそうだ。

宴会需要が減ったことで、高級食材の需要も減り、たとえば漁師さんは大変だったけど、1年漁獲量を減らしたことで、海の資源が回復して、かえって今年の浜値は上がっていると言っていた。

ただ、居酒屋とかで集まることは減ったかな。家でオンラインで飲んでいた方が、楽しいからね。通販で買っておいたお気に入りのレストランの料理をチャチャっと作って食べるのが、華金の贅沢な過ごし方になっている。

ちなみに、今日は金曜日。夜はYouTubeで知り合ったデヴィッド・ボウイ好きの仲間とオンライン飲み会の予定、楽しみで仕方ない。

アフターコロナでは、人と人の出会いが少なくなってきたわけだけど、その反動がやっぱり出てきているのも事実。家族の時間が増えて、昭和を彷彿とさせるホームドラマがリバイバルが続いていて、「時間ですよ」が30年ぶりに、観月ありささんの主演で復活していて、Twitterの実況が祭りを越えたオリンピック状態で、高速で流れていくTLを動画にした僕のツイートが先日バズったばかりだ。

オープンなパートナーの関係についても、社会的な認知が広がりました。

わずか1年で、本当に日本は変わったなと思う。幸いにも気候災害などのように、インフラなどの物理的な被害が少なかったことで、アフターコロナの時代の変化に早く対応できたのではないか、とも思う。それと、3月の自粛期間で、Zoomをとかオンラインソフトを必死に使い込んだのが良かったんだろな。

使ってみて、オンラインでぜんぜんいけるじゃん、っていうのにたくさんの人が気づいて、一気にそっちがわに振り切っていった印象があります。

人と人が会う意味も変わったように思う。

不要不急のなか、それでも会いたい人とは誰なのか。そんなことをみんなが考えだしたんだと思う。

会いたくて、会わなくてはいけない人に、時間もお金もかけて会いにいく。

会うことが見直された時代に、「こんにちは」の意味が見直された。それは、国民的5人組アイドルグループの活動停止最後の曲が《こんにちは、日本》だったこともある。

今日は、お元気ですか?

今日は、お会いできて光栄です

今日は、二人の記念の日ですね

など、日本語本来の「こんにちは」を、みんなが好んで使うようになったのだ。

新型コロナウィルスの脅威は確かにあったけど、それを乗り越えた未来は、人々のつながりが、オンラインやオフラインという境界をなくして一つのつながりとなって、世界は真剣に未来と向き合うよぷになった。

思い返せばつらい2カ月だったけど、そのあとの日本は生まれ変わった。「戦後の終わり」は、令和ではなく、コロナだったことは皮肉だったか。

新しく世界が生まれ変わる瞬間に立ち会えた。この時代に生まれて、素直によかったなと思う。

さぁ、この桜並木の先に、会いたい人がいる。1年ぶりの再会だ。どんな話をしようかな。でも最初のあいさつだけは、もちろんきまっている。

こんにちは、お元気でしたか?

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この物語は、僕の願いが込められていますが、もちろんフィクションです。

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