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Life|「写真整理」が仕事のなかで好きな作業だった

先日、100の質問というのをnoteでやってみた。

好きなことに対する100の質問に答えるというものなのですが、やってみて改めて自分の好きなことを表明するということは意外と難しいことを知りました。

答えを書いていて思ったのは、これが読まれると一瞬でも考えてしまうと、書くのを躊躇してしまう自分がいるのです。やろうと思ったときはできるだけ考えずに素直なことを書こうと思うんですけども、「こんなことを書くのは恥ずかしい」とか「こういうこと書いたらおかしって思われるんじゃないか」「これを好きっていうのは、ものを知らない奴だなと思われたくない」とか、いやいや本当に無駄な自意識、誰も得しない自我が邪魔をして書くのをためらう場面が何度もありました。

総じて、自分の知らない分野についての好きなことを書くことが難しかったですかね。やっぱり、好きな理由とか、その背景を知ってから好きにならないと本当に好きはいえないという、にわか排除主義が自分のなかにはあるんだと思います。

結局、答えるのに1時間ぐらいかかったかな。

毎月4000~6000枚写真を見ていた

一方で、スラスラと答えたなかに、「へー、自分ってそんなのが好きだったんだ」と発見するものもありました。

とくに印象的だったのは、「96. 好きな作業は? ▶️写真整理」というもの。一度も「好きな作業」について、考えたことはなかったんですけど、まったくあれこれ考えることなく「写真整理だなぁ~」と出てきたんです。

インタビューは、作業じゃないですしね。原稿書くは、まったく楽しくない、むしろ辛い。伝票整理とか計算も好きじゃない。そう改めて考えてみても「写真整理、うんうん、そうかも」と思っています。

編集、とくに雑誌の編集をしていると、写真のセレクトは、本当になんども行います。1泊2日くらいの地方取材にいったら、カメラマンさんがアラ選びしてくれた写真が3000枚くらいになるときもあって、その写真を1枚ずつ見ながら、誌面に使えそうな写真を選んでいきます。

前職の料理王国の頃は、自分以外の取材も含めて月20~30件くらいの取材写真を見てましたから、1取材平均200枚くらいアップしてくるとして、毎月4000~6000枚の写真を、7年間見てきたことになります。21万枚くらいでしょうか。

これがまったく苦にならないんですよね。何なら、その時やっている仕事を止めても上がってくる見てしまう。

それで、いいねぇと思いながら、頭の中で誌面を作ったりして、「おお、これはいい!」とワクワクするほど、写真を見るのが好きでした(今思えば)。

「好き嫌い」で選べる唯一の作業

カメラマンの写真を見るのも好きですが、自分が撮った写真を見るのも好きです。

たとえば200枚くらいの写真のなかから、20、30枚くらい粗選びして、そのなかでどれを選ぶかを細かく見比べていくわけですね。

そうすると、いくつかの同じようなカットがある中でどれを使うか2択位になるわけです。ほぼ変わらない、どっちでも同じといえるような2カットのどっちを選ぶか。これがかなり楽しいです。

ごくごく細微な差を見極めて、自分の中でここがいいという基準を見つけて、1枚に選ぶ。ここは完全に好みです。この作業がなんだか好きなんですねぇ。

たとえばこの写真。

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ほとんど変わらないのですが、2枚目の方が、アンニュイな感じがして好き。そういう自分の心象風景にばっちり合うものを選ぶというのが、やっぱり楽しいんだと思います。

最近は自分でも写真を撮り始めて、いろいろ静物写真を撮ったり、料理写真を撮ったりしているんですけども、自分で撮ったにも関わらず、好きな写真ってあるのがおもしろいですよね。

まだカメラの操作に慣れていないこともあるので、意図しない光の効果が出ていたり、思った通りに撮れたうれしさがあったり、これはまるっきり自分の「好きか嫌いか」でわけられているんですね。

なにしろ、自分で書いた文章に、無意識で書いてしまうことはなくて、必ず何かの目的があってのもの。「好きか嫌いか」よりも「考えた通りにかけているかどうか」で見ることが多いからこそ、最終的な決断を「好きか嫌いか」で進められる写真選びが楽しいんだと思います。

これまで「モノクロ」「陰影」「イメージ」という決まりを作ったがゆえに、まったく更新できていなかったInstagramを、好きな写真をひたすら上げるアカウントに変えたのも、そういった「写真を選ぶのが好き」ということの現れなんだと思います。

Instagramにあげるなら、どの写真がいいかなぁと考えながら、好きなもので埋め尽くす画面を見ていると、自分の感情が豊かになっていくことを実感します。

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ということで、ぜひ僕のInstagramのフォローもお願いいたします(笑)。

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明日は「Art」。「絵の具を食材とするのなら」というタイトルで書いてみます。


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