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Art|バンクシーが提示した「物質を超えたアート」

イギリス出身の覆面アーティスト、バンクシーのことを知ればしるほど、クールベの《オルナンの埋葬》やマネの《オランピア》のような歴史的なアートの転換点をつくった瞬間を思い起こさせる。

ステンシルという型紙を使った描写方法をつかっていますが、基本的には西洋美術が重んじてきた写実性を受けついでいます。どちらかというと、絵そのものを見て驚くようなデッサン力や、誰も考えつかなかったような構図をとっているわけではありません。

ストリートアーティストの他の作品と比べても特徴がないといえば、言い過ぎかもしれませんが、「僕でもできそう」というくらい複雑性はありません。

しかし、そのストリートに根差した発表方法が、1970年代のパンクロック的だし、ストリートアート・グラフィックの美学を、非常によくデフォルメ・最適化したことで、誰もが知るアーティストになったのです。

大量消費されるポップアートの現代の姿のように思います。

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コロナ禍で、自宅にこもりながらガッツリと編集執筆した時空旅人 別冊「BANKSY 覆面アーティストの謎 」が発売されています。

横浜のバンクシー展の予習に!

個人的には「美術史はは異端の系譜である」ということを東京藝大毛利嘉孝先生に語っていただいた「100年後にバンクシー」をお読みいただきたいです。

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明日のテーマは「Food」。超個人的なとんかつ食べてる時の思考を書いてみます。


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