Human|愛があるから言えること
あれ、注文と違うものが入っているぞ。
注文してもまったく出てこない。
商品の中に異物が入っていた。
説明された料理の味と全く違うけどいいのかなぁ。
飲食店に行ったことがあればこのような経験を、何度かされたことがあると思います。そんなとき、あなたはどんな反応をしますか?
しめしめ、めいっぱいクレームして、サービスしてもらうぞ
何も言わないかわりに、二度と行かない
面倒だけど、クレーマーにならない程度にとりあえず言っておくか
だいたいこんな感じではないでしょうか。僕は「何も言わないで、二度と行かない」が多いかなぁと思っていて、それは東京には飲食店や小売店がたくさんあるから、他にいい店があると思っているからなんだと思っています。
もうひとつは、わぁわか言い出したことで、お詫びのサービスなどを受けてしまうと、なんだかクレーマーみたいで嫌だなぁ、というのもあります。
一方で、「他のお客さんにも同じことがあったらお店にもお客さんにもいらぬ機会損失なだけだから教えてあげなきゃ」と、すぐに伝えることもあります。それは、やっぱり他のお店とは違う大切な店だからなのだと思います。
僕自身も、作っている人も知っていて、その商品も大好きだったので、なんども買っているもののなかに異物が入っていることがありました。やはりそんなときは、できるだけ状況を写真で撮って、その異物をできるだけそのときの状況のまま保存しておいて(そのときはジップロックにいれました)、それこそ事件現場の鑑識係になったかのようにできるだけその状況を説明できるようにしたのを覚えています。
それはやっぱり、異物混入がどこで起きたのかがわかるかもしれない。さらに、どこで混入したかがわかれば、その工程を見直して、異物混入の可能性を低くすることができるのではないか、と思ったからです。
そう、もはやその商品側の人間の発想です。
その時は、面倒とか、もう二度と行かないとは一瞬も思わなかったですね。その商品自体を信頼しているし、これからも買い続けたいと思えるものなので、それくらいでは信頼はゆるがない、というのが僕のなかにあったのだと思います。
愛に甘えることなくお応えしていくこと
「おた飯」というキッチンカーを京橋エドグランで初めて、今週で4週目になりました。すこしづづ認知も増え、さらにイベントをしたことで日頃お会いできない方々にも来ていただけるようになりました。本当にありがたい限りです。
一方で、残念ながら商品の渡し間違いや、数量の間違い、商品のクオリティが低いなどのご指摘を受けていることも事実です。
そのたびに、原因を追究して、ふたたび間違いがおきないようにオペレーションを改善していっています。
そのたびに思うのですが、こうやって不良品や渡し間違いがあったときにきちんとご連絡いただけるというのは、どれほどありがたいことか。自分が逆の立場になったときには、「もういいや、二度と行かなければいい」と黙ることもできるのですが、そうではなくお声をかけてくださる。
しかも、正しいものや入れもれてしまったものを、もう一度受け取りにきてくださる。
サービス業として本当にあってはいけないミスをしているのですが、そのミスを通じて、お客様に応援していただけているということを実感するわけです。
もちろんそうした方々に甘えることなく、よりよいサービスを目指す必要があるのですが、ミスをした僕たちに対して頑張ってください、なんて言っていただけるのは、ありがとうございます以上に言葉があれば教えてほしいくらい、感謝してもしきれないです。
これが「愛」なのですよね。
愛していただける方々によろこんでいただいたり、またご来店いただけるようにサービスを磨いてお返ししていく。
僕たちからもできる限りの「愛」をお返しできるようにしたい。もうすぐ1カ月になる「おた飯」のキッチンカーの前に立ちながら、そう心を正したのでした。
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