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ポップアップレストランHINODE、お金のこと

ポップアップレストラン「HINODE 初日の出20191208」、カステリーナ茅場町をお借りして(関口幸秀さん、休日にお店を空けていただき、ありがとうございました!)、28名の方にご来店いただき、無事に終了しました。

HINODEは、僕とプルマン東京のシェフ、福田浩二さんと一緒に、中目黒の「ビストロ・ニョニャ」で開催している、30歳以下の料理人勉強会「Easy going」で出会った若い料理人が中心になって始めたもので、その企画・プロデュースをしました。

目指すのは三つ星店ではなく自分たちの今を伝えること

HINODE   初日の出20191208 @カステリーナ茅場町

ふるさと野菜のテリーヌ 冷たい味噌汁のジュレ 鈴木康敬、吉野瑠華

感謝のオムレツ 木イチゴと梅酒ソース
ちょっぴり酸っぱいミントの香りのシャンピニオントゥルネ

村上 凌

フォワグラのフランとFermentation Thé  三木恵基、鈴木康敬、吉野瑠華

甘鯛の若狭焼き ブイヤベース仕立て 松田樹生

Canard Rôtir & ballottine kumquat Ces ju WASABI La source
青森県産 銀の鴨 ロティとバロティーヌ 金柑 それらのジュと山葵のソース

斎藤勇佑

Snowball    白石桃果

サポートメンバー 伊東龍之介、鳥羽顕明、石川海歩

演出:坂田佳菜女
監修:福田浩二(プルマン東京 田町)
特別サポート:関口幸秀(カステリーナグループ 統括料理長)
企画:江六前一郎

ポップアップを企画するにあたって意識したのは、「一流店を目指そう」ではなく「若手シェフの現在点」をお見せしたいなと思っていました。

三つ星や既存のレストランを真似してそこを目指すのではなく、自分たちがいまできること、やりたいことをそのまま出して、お客様に受け止めていただこう。そんなことを僕から話し続けていました。それは、努力することをやめろということではなく、背伸びしたり着飾ったりして、体裁だけを整えるようなことをするのはやめよう、という意味です。

既存の一流店のありかたは、今後5年以内にガラリと変わっていくと僕は思っています。つまり、いまある一流店の価値基準だけでは絶対に生き残れなくなる。今回の若手料理人は全員25歳以下だったのですが、料理が大好きだから、きっと技術は、黙っていても磨いていくと思うので、これからどんどん良くなる。

でもその時に、その技術を活かす場所がなかったり、その時代に通用しない考え方で社会に出てしまうのは、あまりにかわいそうすぎる。

もうひとつやっている「CRAFTSMAN × SHIP」のときも出たのですが、「これからは技術を持つことは当たり前で、そのうえで頭を使うCRAFTSMANが生き残る」ということが話し合われて、それは、料理人にも同じことがいえるのではないかと思っています。

「料理についてアドバイスを貰えて嬉しい、っていうことだけではなく、お客様に何を伝えていくのか、お客様のご要望をどうレストランに活かしていくのか」

そんなことを感じてもらえないかと思い、料理とお飲み物代を定額にするのではなく、「材料原価+投げ銭」で変動していただくシステムを導入してみました。

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お客様にもプレッシャーがかかる投げ銭システム

若手料理人にとっては、材料原価だけでチャレンジできるので、リスクは少ないし、自分たちの仕事によっては、利益が大きくもなるし、少なくもなる(そのかわり、僕も浩二さんも、関口さんもボランティアです)。

一方で、このシステムは、参加されるお客様に負担をかけるシステムでもあります。

おいしいのかどうかも、事前にわからない料理だし、最後に投げ銭っていわれても、明確な基準がないのに自分では判断できない。同じお金を支払うなら、もっと気軽なレストランにいくと感じる方がほとんどだと思います。

お客様にとってもハードが高いレストランに、どうやってお客様を呼んだのか。

今回は、その方法と、実際にHINODEでいただいた投げ銭の金額を公開します(イベント、ボランティアだったので、金額発表にところは課金制しますのでサポートお願いします笑)。

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HINODEのゲストデザイン

基本的には、料理に1万円以上をお支払いする意味を理解してくださっている食通の方に来ていただこうと思いました。そのなかで料理人や料理関係者を3割、20〜30のメディア系を6割、SNS経由で1割っていうイメージで、全体の9割は、直接メッセンジャーやTwitterのDMでお声がけしました。

年齢層は40代以上30%、30代40%、20代30%で、男女は17:11です。

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