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小さな幸せを。 #12


2020年11月10日。
今日も朝6時過ぎに採血と注射をしました。47000と少し白血球の数が減ったものの、薬の投与を続けてきているので末梢血中に出てきている造血幹細胞は昨日よりも多いんだそう。今日も予定通り、採取をすることになりました。昨日と同じように採取室へ移動して行います。まずは脱血側の右腕に針を刺していきます。昨日、採取しているため同じ場所には刺さないよう少し末梢側にズラしてトライ。血管内に入るものの血管壁に当たってしまっているのか、昨日ほど上手く回路が回りません。場所を探ってみるものの、昨日の穿刺で血管が弱くなっているためか痛くなってきたので仕切り直し。こうなることは想定内だったので予備の血管を用意していました。以前にもnoteに書きましたが、私の血管は細くて分かりにくい。かつ、蛇行していて真っ直ぐ走行している血管がほとんどない。(真っ直ぐ走行している部分がとても短いのだ。)そのため、念入りに採取用の血管を打ち合わせしていました。もう一つの血管をトライしてみるものの、また血管壁に当たってしまっているのか回路が上手く回らず、痛くなってきてしまったのでまた仕切り直し。今度は左腕でトライすることになり、昨日返血した血管の末梢側にズラしてトライ。しかし、今度も血管壁に当たってしまい、痛くなって仕切り直し。ここで穿刺担当を交代し、チーム総出で私の細い血管の中から1番良さそうな血管を慎重に探してくれました。もっと血管太かったらすんなり始めれたのにと。細くて分かりにくくて蛇行してる私の難しい血管からチームの皆さんが頑張って探してくれてるのを目の前で見てるとなんだか申し訳なくて涙が出てきちゃいました。「辛いよね、ごめんね。」と担当の看護師さんが言ってくれたけど、痛くて辛いから泣いてるのか、迷惑かけて申し訳なさすぎて泣いてるのか、採取できなかったらどうしようと不安で泣いてるのか、自分でもよく分かんなくなってました。なんとか先生が1番良さそうな血管を探してくれて、無事に穿刺完了。計5箇所、針で刺されてしまいました。1番の難所、針が無事血管に入ったのでみんなで「良かった。」とひと安心。入室してから30分弱かかってしまっていました。ようやく採取スタートできるという安心からしばらく涙が止まりませんでした。1時間ほど経ったくらいに担当の先生がきて、昨日の採取した細胞のカウント結果を教えてくれました。昨日とこれくらいの量(今日)があれば移植に十分な細胞数が採れているだろうと判断してくれて今日は昨日よりも少し早めに終わりました。今日採れた細胞は69mL。合わせると約226mL、母に移植される予定です。無事終わったことを母に連絡しました。

今日は母が診察の日なので同じ病院内にいます。(こんな御時世なので会えませんが。)母は採血でCRP(炎症マーカー)が高かったから、レントゲンと血培をやることになっちゃって再診待ちとのこと。白血球数も少ない上に好中球の割合も低いまま退院したので、カビに感染しちゃったのかなと思いました。採取後の体調チェックしにきた看護師さんから「今日お母さん外来みたいですね。まだ未定だけど入院することになりそうだよ。」と聞きました。また入院?この前、私が入院したのと入れ替えで退院したばっかなのに。気になってそわそわしてしまうけど、母からの正式な連絡を待つしかなかった。数時間後、やはり入院するとのこと。たった4日間、家で過ごしただけで母は病院へ戻ってきてしまいました。母に会えるから嬉しいような、計画していたものが崩れて悲しいような複雑な気持ち。居てもたってもいられず、母が病棟に戻ってくるのを入り口のところで待ち構えようと歩いてたら、ちょうど母が歩いてきました。「早いお帰りでしたね。」と母と顔見知りの看護師さんたちに出迎えられ、4日前と同じお部屋へ向かいます。まさか入院するとは思ってないので、入院セットは何も持ってきてません。私が同じ病棟に入院中だったので、運良く未使用の着替えを貸してあげることができました。まさかの事態だったので家に居た父も飛び出てすぐに入院セットを持ってきてくれました。母は特に体調崩してそうな感じはなく、元気だったので余計でした。白血球がかなり少ない母は症状が出てからでは手遅れになるかもしれないので、悪化する前に早めに治療したほうが良いとのこと。せっかく退院できたのにまた入院することになり、母の背中がしゅんと小さくなっていました。入院手続きを素早く済ませ、治療スタート。もともと予定していた血小板輸血に加えて抗生剤の点滴をするので3つ点滴棒に袋がぶら下がっていました。さっきまで元気だったのに、熱が上がってきてつらそうでした。久しぶりに会えて嬉しかったからお話たくさんしたかったけど、ドタバタして疲れてそうだったので自分のお部屋に戻って寝ました。




母が体調を崩してしまったので移植の話は一旦保留。体調を万全にして、体力を戻し、もう一度仕切り直すしかないそう。幸いなことに、私の採取した造血幹細胞は冷凍保存が可能なため、母の移植が先送りになってしまっても問題ないとのこと。また造血幹細胞を採取しなければいけないのかとドキドキしたけれど、ひと安心。とりあえず今は母の体調が良くなることを願って待つのみ。頑張れ、お母さん!!




〜おまけ〜

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今日まで毎日、朝夕と注射してきたG-CSF。こんな感じで浅いところに注射されると分かりやすく虫刺されみたいにぷっくり。量が多すぎて予防接種と比べものにならんくらい痛いけど、膨らんでるの見てるとかわいいく思えてくるでしょ?