マルチインカムのススメ(リライト版)

今回の記事ではここ数年の間にニュースになった、国民生活に直結する話題を挙げてみます。

①老後2000万円不足問題

2019年に金融庁が「老後人並みの生活をするためには退職までに2000万円準備しないといけない」というレポートが出て世間に衝撃を与えたことは記憶に新しいところです。

私の両親の世代の年金は受給開始が60歳で、受給総額は掛金以上の年金が受け取れ老後は年金だけで十分生活ができた世代です。

1959年生まれの私は既に受給開始年齢が64歳にスライドしており、掛け金と平均寿命まで生きた時の受給総額はほぼトントンと言われています。

私の子供の世代はいずれは受給開始が70歳以降になることを覚悟しないといけなくなるかもしれず、今の賦課制度のままだと掛け金を全額取り戻せない確率が高そうです。

年金だけに老後資金を頼る時代は終わりました。

②終身雇用の終焉

2020年には、経団連会長が、「もはや企業が終身雇用を保証するのは現実的ではない」、と明言して話題になりました。昭和の高度成長期に始まる「新卒一括採用、終身雇用、年功序列型賃金」、という日本型雇用制度は見直しが必要と訴えています。

要するに「企業に長いことしがみついてても給料は上がらないよ、しかも定年までいられるとは思わないでね」ってことです。

①②から言えるのは、企業を退職後、年金受給までにどう収入を得るか、受給開始後もどうやって不足分を補うか、について若いうちから考えておかねばならないと言うわけです。企業におんぶに抱っこで平均的な人生を歩めた時代は終わりました。

③少子高齢化、工業製品の国際競争力の低下等による経済の衰退

敗戦後のベビーブームによる「団塊の世代」が後期高齢者になり、その後一貫して人口は減りつつあります。また半導体、家電、自動車等の輸出で稼いでいたエコノミックアニマル(既に死語)はもはや遠い昔になり、日本の世界の中での存在感が薄れてきています。親より子どもが貧しくなる時代になってしまいました。企業に寄りかかって平均的な人生を歩んだとしても、親より豊かにはなれないということです。

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嬉しくないニュースばかりで暗澹たる気持ちになりますが、これらニュースから読み取れるメッセージは何でしょう?

私は「寄らば大樹の時代は終わった。自分の幸せは自力で勝ち取れ。」ではないかと思っています。雇用の不安定さや安月給を企業のせいにしてても何も解決しない。最低限のセーフティネットは社会保障として準備されているのだから、それ以上の幸せは少々のリスクを取って自分で掴み取ろうではないですか!

そこで私から提案したいのは、若いうちから「マルチインカム」を指向したらどうか、というものです。要は収入源を複数持て、と言うことです。

その昔、"DINKS"という言葉が流行りましたがこれは"double income no kids"の略で、夫婦が子供を持たず(子供ができるまで?できてからも?)共働きすると豊かな生活を送れるよ、と言う意味です。今や共働きが普通になったためか、死語になってますね。

まずは夫婦共働きを前提として、一人ひとりがマルチインカムを指向すると経済的にはもちろんですが精神的にも安定します。

「マルチインカム」の具体的な内容を分解してみると

まずは労働収入

自分の時間を他者に売ります。「他者」とは勤務先の人が多いですが(立場としては正社員、契約社員、バイト、パート、個人事業主、等がある)、個人に自分の商品を買ってもらう個人事業主でも自分の時間を使うなら収益の構造は同じです。自分の労働の対価を貰うなら1日24時間(現実的には10時間程度)の制約を越えられないからです。

バイトの掛け持ちとかすればマルチインカムに見えますが、自分の時間は増やせないので労働収入はいくらたくさん掛け持ちしても「一人分の労働」と捉えるべきです。

そして不労所得

自分が所有する有形、無形の資産から得られる収入です。自分の時間の制約を越えられるところが①と異なります。代表的なものとして、預金の利子(今や少なすぎて視野に入らない?)、不動産の賃貸料、株式の配当、情報コンテンツからの上がり(書籍や音源の印税やそれらをリリース後の売上がこれ)。年金もこれに入るでしょう。

今話題の"FIRE"、financial independence retire earlyを目指す人が増えているようですが、経済的自由を達成した後も生きがいのために働く人は多いようで、それはなぜかと言えば毎日毎日遊んでいてもそのうちすることがなくなって飽きてくるからのようですね。いつまでもやりがい、いきがいを持って長寿を全うするには自分のビジネスを持って働き続けることをお勧めします。逆に言えば、働けるうちはその労働収入が見込めるので、何もしないで生活できるほど大きな権利収入を獲得するハードルはグッと下がることになります。

まとめると、これからの時代に充実した豊かな人生を送ろうとするなら

①「マルチインカム」を目指す
②できる限り健康を維持し、健康なうちは仕事を続ける

の二つではないかとの結論に至りました。

ここで亡父の話をさせてください。彼は典型的な昭和のサラリーマンで、医者への道を断念して紡績会社に入るも業績悪化で早期退職したのち零細企業を転々とし、年金が出るようになったら仕事は引退、それから始めた趣味も続かず不遇なうちに一生を終えました。母、僕、弟のために一生を捧げてくれたのはありがたいけれど本当は何がしたい人生だったのか、無念さを思うにやるせ無い気持ちになります。自分は「親父の轍は踏むまい、自分はやりたいことを思う存分やり尽くして一生を全うし親父の無念さを晴らしたい」、そんな気分です。

企業の定年は企業や国が勝手に決めたもの。自分がやりたい仕事に年齢は関係ないでしょう。家族の食い扶持のためにやりたいことを封印してやりたくないことをずっと続ける人生は誰も幸せにしません。自分が幸せになってこそ家族や周りの人々を幸せにできます。

これからも読者の皆さんのために有意義な情報を提供し続けていこうと思っています。

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