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【雑記21】学び直す

書店員を辞めるとき、何人かの同僚に
「次は何をするの?」と問われました。

「何をするんだろうね?」

苦笑いして、そう答えながら、
やりたいことを即答できない自分がいました。
文章を書いて生きていくことは決めた。
でも、そんなこと本当にできるのか?
それだけの文章を私に書けるのか?

そんな疑問たちから抜け出すことが
できなかったのです。

でも、今なら。

「次は何をするの?」と
同じ問いを向けられたら、
私は「書評とエッセイを書いて生きていく」と
笑顔で(少し恥ずかしそうに)
答えることができます。
相変わらず、
そうなれる方法は分からないし
思いつくのはnoteを書き続けるくらいだけれど。
それでも胸を張ってそう言うことができます。

では、その変化の根底にあったものは何か。
それが、今回のお題である「学び直し」でした。

■息をするように書く

数年前、私は
ブロガー兼Webライターをしていました。
また、もともと受験国語を教えることを
生業としていましたから
文法や文章の作法などは
ひと通り身についています(多分)。

そこからどうして
書店員になったのかは
未だに自他共に認める?謎ですが(笑)
とりあえず、その書店員も辞めて
まずはnoteを書き続けようと決めたとき
「毎日書くこと」を苦にすることは
まったくありませんでした。
寧ろ、しがみつくように書いていると言っても
過言ではないほど、毎日パソコンに向かい、
何かしらを書き続けていたのです。

でも、毎日書いているうちに
イヤでも向き合う羽目に陥ったものがあります。
それが、手癖で書いている自分です。

■飽き性が書き続けるために

似たような言い回し、
似たような構成、
似たような結論。

私はもともと極まった飽き性です。
何でも、ある程度できるようになると
途端に飽きてしまい、辞めてしまうという
悪癖を持っています。
そんな私が手癖で書き始めてしまっている。

このままでは文章を書くことに飽きる。
そんな危機感が少しずつ募っていきました。

そこへもう一つ思いが重なりました。

「この人が勧めているなら、きっと面白い」と
言われるような書評家になりたい。
そのためには
たくさんの方に読んでいただける素敵な文章を
自分の想いをまっすぐに伝えられる文章を
ぐいぐいと書けるようになりたい。
危機感と同時に
そんなことも考えるようになっていたのです。

でも、そのためには。
私の文章には何かが足りない。
ただ、何が足りないのかわからない。

欠落は分っても
欠落の中身が分からず、
だから、それを埋める方法も見当がつかず。
困惑しきった果てに取った方法が
「学び直し」でした。

■体育会系で行こう

兎にも角にも、文章を学び直そうと
まず、私が手を出したのは
文章術に関する本を山ほど読むことでした。
そして、とにかく
たくさん文章を書きまくること
同時進行させることにしたのです。

「文章を書く」という物静かな行為へ
突然の体育会系訓練の導入。

ワタクシ、基本スペックが
猪突猛進なゴリラなんですね(笑)
何をするにせよ、
真っすぐ力づくで
うっほうっほと事態を打破していく。
それしか方法を思いつないんです。
だったら、有無を言わせず
それを愚直にやっていくしかない。

ただ、ここにはうっすら勝算もありました。
私は、人の文章から影響を受けやすい
つまり、人の書く文章のクセが
自分の文章に入り込みやすい性質を
持っているのです。
だったら。
山ほど文章術の本を読めば、
そして、
それらを読みながら書き続ければ
何かしらの変化はあるだろうと。
そんなことを考えた上での
体育会系な所業でもあったのです。

■相変わらずなゴリラだけど

その結果どうなったか。
それは、私は書く側でしかないので
自分の文章がどのような評価なのか、
実は分かりません。
でも、書き方や文章に変化が生じたのは
如実に感じています。

思いつくままに書いていたのが
いろいろ整理してから書くようになったり。
以前の四角四面な論説説明文が
少しだけ丸みを帯びたり。
あと、モノゴトを見るときの
明度や彩度が上がったような感覚もあります。

何より、文章を学び直すことで
書くのがもっと楽しくなったんです。

以前は、書くという行為に
ほんの少し憂いとか悲壮感がありました。
でも今は、これを書きたい!とか
どこから書けば読んでもらえる?とか
書くことに対して
気持ちが跳ねるようになったんです。

そうして、私は
「書評とエッセイを書いていく」という
明確な目標を持つに至りました。
それらが、
いちばん気持ちが跳ねるものだったから。
いちばん自分らしくいられるものだったから。

学び直しをするなかで
この目標を得たことが
いちばんの収穫だったかも知れません。

・ ・ ・

学び直しって
大人だからこそできる楽しみだと思います。
いろんな経験を経たからこそ
発見や変化も大きいし
だからこそ、より楽しい。
せっかくなら、
より楽しく、よりハッピーに変化できる方が
いいですよね。

そんなことを考えながら
今日も私は文章術の本で学び直し
ぽくぽくと自分の文章を綴るのでした。

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