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雑記note9 『エリザベート』

こんばんは。えりたです。
先日、大好きなミュージカル
『エリザベート』
東京有楽町にある帝国劇場で
観劇してまいりました。

まずは、『エリザベート』のお話をざっくり。

――死、それは偉大なる愛
自由を愛し、類なき美貌を誇った
ハプスブルク帝国最後の皇后エリザベートと、
彼女を愛した黄泉の帝王”トート=死”。
トートはエリザベートが少女の頃から
彼女の愛を求め続け、
彼女もいつしかトートの愛を意識するようになる。
しかし、その禁じられた愛を受け入れることは
自らの死を意味した。
滅亡の帳がおりる帝国と共に
エリザベートに"運命の日"が訪れる―。

東宝ミュージカル『エリザベート』HPより

ミュージカル『エリザベート』は

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)

とまぁ、演出が
宝塚歌劇団の小池先生ですから
『エリザベート』には
宝塚版と東宝版があります。
私が劇場で実際に見たのは
実は東宝版だけなのです。
いや、宝塚版は
チケットの競争率がえげつなくて
取れる気がしないんですよねぇ…(遠い目)

ま、そんな事情はともかく(笑)

東宝版はわりと回数を見ているというか
たぶん、観劇20回は下らないというか。
そのため、お芝居の流れだけでなく、
曲も歌詞も、台詞も
ほぼアタマに入っているんです。
それなのに、
再演のたびに観ているんですよね。

『エリザベート』の何に
そこまで惹きつけられるのか。

もちろん、再演のたびに
メインキャストが変わりますから
その変化を見る楽しみもあります。
実際、私の今回の主目的は
トート役の古川雄大さんでしたし。
 
あるいは、
『エリザベート』で歌われるナンバー
何度聴いてもすばらしいというのも
理由の一つです。
『私だけに』『闇が広がる』
『愛と死の輪舞』『最後のダンス』…
音楽でしか伝わらない、
心のひだひだしたところが
ダイレクトに胸に響く曲たち。
私など、どうしても
これらのナンバーを歌いたくて
ボイトレに通ったことまであるほどです(笑)

そういった素晴らしさは
数え上げればきりがないほどあるのですが。

でも、たぶん、いちばんの理由は
一人ずつの人物が抱え持つ物語の豊饒さだと
思うのです。

たとえば、タイトルロールのエリザベート

彼女は、ジプシーのように自由に、
ナニモノにも囚われず生きたいと願います。
しかし、運命のいたずらで
その願いとは真逆の世界に嫁ぐのです。
彼女に与えられたのは
「オーストリア皇后」という役割。
古いしきたりや
宮廷の常識といったモノたちが跳梁跋扈し、
彼女から大切なものをどんどん奪っていきます。

そして、彼女は
自分を縛ろうとするものたちと
全力で、全身を傷だらけにして戦います。

その結果、彼女は「自由」を得た

でも、そう思ったのもつかの間。
彼女は、自分の手の中に残ったのが
「孤独」だけであったと、切実に、
身を切り刻まれるように思い知るのです。

そんなふうに苦しみ抜いた末に、
最後の最期、

「私が命委ねる、それは、私だけに」

物語の幕開けで高らかに宣言した言葉通り
誰にも支配も指図もされず
黄泉の帝王にさえ手を出させず
彼女は自分の命の終わりを
自身の手で軽やかに選びとります。

それはほんとうに見事な幕引きで。

孤独に苦しんで、
絶望のなかでのたうちまわって。
それでも手放すことのなかった
彼女だけの「自負のカタチ」なのだろう

思うのです。
その強烈さは何度観ても、
自分の心にある「芯」をアツくします。

・    ・ ・

あのとき、
オーストリア皇帝に出会ったから。
あるいは、あのとき
トート閣下の気まぐれで
失うはずだった命を与えられたから。
もっと言えば。
時代の波が
帝国を飲み込もうとしていたから。
近代と現代の狭間に生まれたから。

エリザベートを取り巻くものって
彼女自身の無邪気さや
至らなさの結果のというものも
もちろん、あります。
でも、大半は
彼女にはどうしようもなかったもので。

そして、彼女は
そんなもののために
「私の魂の自由」を奪われるなんて
許せるはずがない、と
全身全霊でそれらのものと戦うことを選ぶ。
その強烈な自我とか自負とか
彼女自身の生きる力の強さに惹かれ

だからこそ、私は
何度も観劇するのかな、と思ったりするのです。

…ってあれ?
エリザベートだけで
一記事になってしまった。
トート閣下についても書きたかったのに。
この記事、多分また続きを書きます。

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