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大河ドラマ『光る君へ』を100倍楽しく見るために

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大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期を舞台としています。日本史の授業で習ったあの頃の歴史や文学について、もっとくわしく丁寧に知ることで、ドラマもより楽しめるのではないでしょうか。…
このマガジンは、毎週1~2本記事を更新します。平安時代の歴史や、『源氏物語』などの文学について、今…
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#源氏物語

■大河ドラマ『光る君へ』第29話「母として」感想―今でもあなたは私の光

さて、大河ドラマ『光る君へ』第29話の感想です。 毎回思うのですが、タイトルがこの上なく秀逸ですよね。今回の「母として」も、予告で見たときには「彰子さまと敦康親王さま」「まひろっちとかたちゃん」の関係を言うのかなと想像していました。 でも、第29話ではそれだけでなく「詮子さまと一条天皇」の関係もあり、また「倫子さまと彰子さま」「倫子さまと田鶴君」「明子さまと巌君」もあり。 そして、何より「倫子さまvs明子さま」という母同士の戦いがゴジラ対モスラという怪獣同士が戦う様相を

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■昔語りはわれのみやせん―ビギナーズ・クラシックス版『和泉式部日記』

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』第30話では、颯爽と「あかね」さんが登場しました。彼女は、のちに「和泉式部」という名で中宮彰子さまにお仕えする女性です。 和泉式部は、恋多き情熱的な女性と言われています。彼女の詠む歌は、その時々に心にぐっと来たものを素直に吐露したような、どこにも誰にもおもねることのない、まっすぐな気持ちを伝えるものが多く伝わっています。 そうして、彼女はたくさんの和歌と、『和泉式部集』『和泉式部日記』を残したのです。 個人的な思い出になりますが、『

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■大河ドラマ『光る君へ』第27話「宿縁の命」感想―たとえば、君がいるだけで心が強くなれること

さて、一週の休みを挟んだ大河ドラマ『光る君へ』第27話です。 私の書く記事のなかで、この大河ドラマの感想がもっとも字数が多く、内容もぎゅぎゅっとしているため、「一回やすみ」が入るとその週はなんとも手持無沙汰になると判明……ずっと書いていると、やはりそれが「習い」になるのだなと実感したのでした。 そんな待望の第27話「宿縁の命」は、のっけからめっちゃ蔵之介さまな『源氏物語』が展開されましたね。なに、その懐の深さ……惚れてまうやろ! と生涯道隆さま推しを自認するワタクシでさえ

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■大河ドラマ『光る君へ』第26話「いけにえの姫」感想―少女たちは自らの足で堂々と荒野を歩む

大河ドラマ『光る君へ』第26話「いけにえの姫」、いかがでしたか。 最後の最後で何かしらの衝撃波をかましてくるのがドラマの常套手段とはいえ、あの構図と予告編が炸裂させたモノは、情緒をものっそい高低差を持つジェットコースターに乗せてくれました。 日頃、主人公にほぼ興味を示さない私でさえも、あのときは と叫びましたとさ💦 大弐三位、誰の子だよ…(/ω\)イヤン しかも、7日は放送休止とか…やきもきやきもき… ・ ・ ・ というわけで、一条天皇への行成どんの説得「円融院の

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■大河ドラマ『光る君へ』第25話「決意」感想―そして、僕は途方に暮れる

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』第25話の感想です。 いやぁ、第25話もいろいろ盛りだくさんでした。行成さまが超ブラック企業にお勤めなシゴデキ官吏だったり、ロバート実資さまが鸚鵡ちゃんに異世界転生してたり、公任さまが超公任さまだったり。 マジで見どころだらけ。 そんなこんなで、定子さまと一条天皇の悲恋に沸き散らかしている第24話の感想はコチラです。 ではでは、第25話の感想に行ってみましょう♪ ■今日の中関白家道隆さまが天に召されてから2か月。物語内の歳月で言え

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■大河ドラマ『光る君へ』第21話「旅立ち」感想―あなたの一日が終わるときに、そばにいるね

えりたです。 突然ですが、6月2日は「本能寺の変」が起きた日です。今でこそ、何やら年中行事のように燃えさかっていますが(え)、天正10年のこの日に織田信長公は天下統一の志は半ばのまま、現世との縁を断ち切られます。 そして、第21話で燃えさかる二条第と、火の海のなか一人静かに逝こうとなさる定子さまを見たとき、私が思い浮かべたのはこの「本能寺の変」でした。 無念さも悲しみも覆い尽くすような、生への諦念。あるいは、やっと終わることができるのだという、ほんのりとした安堵。 そ

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■大河ドラマ『光る君へ』第20話「望みの先に」感想―コントの先に推しがいた

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』も第20話まで来ました。日本史上最大の推しさまである藤原道隆さまが天へご出立になってからもう3週も経つのですね(涙)かなしい… と、ワタクシったら、いつまでも悲しみに暮れていますが。そんないたいけな?ワタクシをさらに奈落の底へ落してくれる「長徳の変」がどしどし進む第20話。もうメンタルが、メンタルがぁ……(´;ω;`)ウッ… そんなこんなで、悲しみの予兆に打ち震える前回、第19話の感想がこちらです。 ではでは、第20話の感想に行って

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■大河ドラマ『光る君へ』第19話「放たれた矢」感想―「来ちゃった♡」と宣う白馬な王子と風雅に生きるイケメン

さて、第19話です。 ちょうどこの日は外出しており、リアタイできずでした。さらに今週は仕事でばたばたしていたこともあり、ようやく今日(第20話放送前日)視聴し、見ながら「もう道隆さまはいらっしゃらないのだなぁ」とじわじわしたりもして。 考えてみれば、道隆さまがご出立になってから、もう2週間が経つのですね。そんなこんなで第19話です。 ラスト1分で長徳の変が始まり、中関白家推しのワタクシの心は奈落へ向かってそろりそろり。「隆家さま、誰がどう見ても高貴な身分の方の牛車なのに

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【読書note】あなたの「光る君」はだれですか―紫式部『源氏物語』

えりたです。 今日は、大河ドラマ『光る君へ』に関わる本のご紹介です。 以前、こちらの記事を更新しました。 こちらは、長い間『源氏物語』をはじめとした、平安時代の文学を研究していらっしゃる三田村雅子先生による『源氏物語』の入門書です。「100 de 名著」シリーズですから、書店で手に入れやすいですし、また、お値段もお手頃。なので、私にとっては、心からのおすすめ本♡ これを読むと、けっこう本気で「うわぁ…『源氏物語』読みたい…‼‼」ってなるですよ。しかも、大河ドラマ『光る君

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■大河ドラマ『光る君へ』第17話「うつろい」感想―今日をかぎりの命ともがな

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』第17話……終わってしまいました。えぇ、ワタクシの歴史上の最推しであらせられる藤原道隆さまが天に召されてしまったです…… いや、「歴史上の推しさまが天に召されること」は織田信長さまで慣れていると思っていたのです。だって…昨年の『どうする家康』を含め、年に何回か「本能寺の変」って描かれるじゃないですか。だから、ちょっとした年中行事的なナニカのように思っていたのです(え) 駄菓子菓子。 第17話のラストで描かれた、あの道隆さまの最期のご

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■大河ドラマ『光る君へ』第14話「星落ちてなお」感想―白い袍の関白さまなアクスタをください

大河ドラマ『光る君へ』も第14話まで来ました。 昨日、他の記事を書いていて思ったのですが、あの衝撃の第9話からもう5週間経っているのですよね… 毎週、情緒がジェットコースターをぶちかますほど濃い物語が展開しているので、気づかずにいましたが。こうして言葉にしてみると、改めて月日の流れの速さに驚きます。 そんな今週は兼家パパりんがご退場になりました。 明るくやさしい道綱どんと、息子大好き寧子さまと。 それがどれほど束の間の時間であろうと、「家族」でやさしい時間が過ぎてよ

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■大河ドラマ『光る君へ』第12話「思いの果て」感想―むしろ「フラグ回収の果て」なイケメンの行く末を

えりたです。 さて、『光る君へ』第12話はいかがでしたか? いやぁ、こまろちゃんがかわいかったですねぇ♡(そこかい)穆子さまに静かにだっこされてたり、感極まった倫子さまにお手々をにぎにぎされてたり。それでもまったく動じない肝っ玉よ! これで左大臣さまが、こまろちゃんをひざに抱いて「こまろよ…倫子が…倫子が…(泣)」って呟きながら、廂で日向ぼっことかしてたら…萌えないはずはなく…と、どこまでも想像の羽は羽ばたくわけです。 というわけで、今回も相変わらず萌えどころが主人公か

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■大河ドラマ『光る君へ』第9話「遠くの国」感想―明日から本気出す

さて、波乱の第9話でしたが、みなさま……情緒はご無事ですか? 多くの人と同じく、私も予告で「遠くの国」とタイトルが出たとき、「あ~直秀が越前に行っちゃうのかぁ…しばしのお別れ、さびしいなぁ」くらいに考えていたのです。そう、越前編でまひろっちとの再会イベントが発生することを信じて疑わなかったのです。 駄菓子菓子。結果はアレで(泣) いくら「遠くの国」と言ったって…トート閣下のいらっしゃる黄泉の国まで行かなくてもいいぢゃんかよぉ(号泣) この結末のもたらす衝撃があまりにも

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■大河ドラマ『光る君へ』第8話「招かれざる者」感想―壺拭くお兄ちゃんと「シムラうしろ!」な花山帝

えりたです。 先週の大河ドラマ『光る君へ』は第8話「招かれざる者」が放送されました。どちらかというと、第9話以降への布石がものっそい敷かれて、その意味でもドキワクできたお話でした。 ワタクシ個人といたしましては、高橋光臣さん演じる藤原義懐が陣定で公卿さまがたに檄を飛ばす場面に胸をアツくしておりました。 いや、だって。 義懐が「帝の仰せですぞ!」みたいに命令する口調が、同じく高橋光臣さんが演じていた轟轟戦隊ボウケンジャーのボウケンレッドの 「おれはすでに命令した! こ

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