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大河ドラマ『光る君へ』を100倍楽しく見るために

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大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期を舞台としています。日本史の授業で習ったあの頃の歴史や文学について、もっとくわしく丁寧に知ることで、ドラマもより楽しめるのではないでしょうか。…
このマガジンは、毎週1~2本記事を更新します。平安時代の歴史や、『源氏物語』などの文学について、今…
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#源氏物語

【読書note】あなたの「光る君」はだれですか―紫式部『源氏物語』

えりたです。 今日は、大河ドラマ『光る君へ』に関わる本のご紹介です。 以前、こちらの記事を更新しました。 こちらは、長い間『源氏物語』をはじめとした、平安時代の文学を研究していらっしゃる三田村雅子先生による『源氏物語』の入門書です。「100 de 名著」シリーズですから、書店で手に入れやすいですし、また、お値段もお手頃。なので、私にとっては、心からのおすすめ本♡ これを読むと、けっこう本気で「うわぁ…『源氏物語』読みたい…‼‼」ってなるですよ。しかも、大河ドラマ『光る君

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■大河ドラマ『光る君へ』第17話「うつろい」感想―今日をかぎりの命ともがな

えりたです。 大河ドラマ『光る君へ』第17話……終わってしまいました。えぇ、ワタクシの歴史上の最推しであらせられる藤原道隆さまが天に召されてしまったです…… いや、「歴史上の推しさまが天に召されること」は織田信長さまで慣れていると思っていたのです。だって…昨年の『どうする家康』を含め、年に何回か「本能寺の変」って描かれるじゃないですか。だから、ちょっとした年中行事的なナニカのように思っていたのです(え) 駄菓子菓子。 第17話のラストで描かれた、あの道隆さまの最期のご

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■大河ドラマ『光る君へ』第14話「星落ちてなお」感想―白い袍の関白さまなアクスタをください

大河ドラマ『光る君へ』も第14話まで来ました。 昨日、他の記事を書いていて思ったのですが、あの衝撃の第9話からもう5週間経っているのですよね… 毎週、情緒がジェットコースターをぶちかますほど濃い物語が展開しているので、気づかずにいましたが。こうして言葉にしてみると、改めて月日の流れの速さに驚きます。 そんな今週は兼家パパりんがご退場になりました。 明るくやさしい道綱どんと、息子大好き寧子さまと。 それがどれほど束の間の時間であろうと、「家族」でやさしい時間が過ぎてよ

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■大河ドラマ『光る君へ』第12話「思いの果て」感想―むしろ「フラグ回収の果て」なイケメンの行く末を

えりたです。 さて、『光る君へ』第12話はいかがでしたか? いやぁ、こまろちゃんがかわいかったですねぇ♡(そこかい)穆子さまに静かにだっこされてたり、感極まった倫子さまにお手々をにぎにぎされてたり。それでもまったく動じない肝っ玉よ! これで左大臣さまが、こまろちゃんをひざに抱いて「こまろよ…倫子が…倫子が…(泣)」って呟きながら、廂で日向ぼっことかしてたら…萌えないはずはなく…と、どこまでも想像の羽は羽ばたくわけです。 というわけで、今回も相変わらず萌えどころが主人公か

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■大河ドラマ『光る君へ』第9話「遠くの国」感想―明日から本気出す

さて、波乱の第9話でしたが、みなさま……情緒はご無事ですか? 多くの人と同じく、私も予告で「遠くの国」とタイトルが出たとき、「あ~直秀が越前に行っちゃうのかぁ…しばしのお別れ、さびしいなぁ」くらいに考えていたのです。そう、越前編でまひろっちとの再会イベントが発生することを信じて疑わなかったのです。 駄菓子菓子。結果はアレで(泣) いくら「遠くの国」と言ったって…トート閣下のいらっしゃる黄泉の国まで行かなくてもいいぢゃんかよぉ(号泣) この結末のもたらす衝撃があまりにも

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■大河ドラマ『光る君へ』第8話「招かれざる者」感想―壺拭くお兄ちゃんと「シムラうしろ!」な花山帝

えりたです。 先週の大河ドラマ『光る君へ』は第8話「招かれざる者」が放送されました。どちらかというと、第9話以降への布石がものっそい敷かれて、その意味でもドキワクできたお話でした。 ワタクシ個人といたしましては、高橋光臣さん演じる藤原義懐が陣定で公卿さまがたに檄を飛ばす場面に胸をアツくしておりました。 いや、だって。 義懐が「帝の仰せですぞ!」みたいに命令する口調が、同じく高橋光臣さんが演じていた轟轟戦隊ボウケンジャーのボウケンレッドの 「おれはすでに命令した! こ

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■大河ドラマ『光る君へ』第7話「おかしきことこそ」感想―緊縛する愛情とド直球な本音を炸裂させるイケメン

さて、大河ドラマ『光る君へ』第7話です。今回は忯子の死に絶望する花山天皇から始まりました(涙) その後、絶望のあまり、ぐんにゃり軟体動物化した花山天皇がお持ちになっていたのは、あの緊縛な赤い布でした。即位後の添伏での緊縛プレイで使われたあの布です。 初めてあの緊縛を見たときには、思わず「やはり花山天皇だから…?」と気持ちがざわざわしちゃいましたが。でも、やはりそれは花山の忯子への(ちょっぴり過剰な)愛情表現だったようで… 衝撃的な場面であったからこそ、あの赤い布は、見て

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■大河ドラマ『光る君へ』第5話「告白」感想―フラグを立てるイケメンと桃太郎侍をめざす帝

さて、大河ドラマ『光る君へ』もあっという間に第5話まで来ました。 ここまでのお話も毎回怒濤の展開に翻弄されて、うぉうぉ言っていましたが、今回は主人公二人の関係に明確な転機が訪れました。 最後の場面、おうちへ帰ってきたときのまひろちゃんの表情にぞくっとした方も多いのではないでしょうか。少女であれた時間は終わり、女性としての時間へ否応なしに放り込まれたまひろ。目の表情ひとつで、あんなにも雄弁に語れるものなのだと、役者さんの凄まじいお仕事ぶりにやはりうぉうぉ言っていたのでした。

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■大河ドラマ『光る君へ』第4話「五節の舞姫」感想―ちょっとした冒険だな…アタック!

そんなこんなで大河ドラマ『光る君へ』第4話です。 実は、日曜日は大阪におりましたのでリアタイ視聴はできず。体力的にも限界が来ていたので、Twitter(現X)もさほど眺められずいたのです。が、目に付いたところで、緊縛とか、緊縛とか、花山天皇とか「あっ…(察し)」な単語があったので、永観二年の八月を迎えたのだなぁと思ってはおりました。 ということは、前回の感想でも勝手に盛り上がっておりましたが、轟轟戦隊ボウケンジャーのチーフである藤原義懐さまがお出ましということであり(何か

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■大河ドラマ『光る君へ』第1話「約束の月」感想―中関白家と円融天皇と

とうとう始まりました、大河ドラマ『光る君へ』。みなさんは御覧になりましたか? 私はリアタイ視聴こそできませんでしたが、映像苦手民にしてはめずらしく、その日のうちに録画を見、ざわざわしておりました(笑) 今回はそんな『光る君へ』第1話「約束の月」の感想です。 ■第1話「約束の月」あらすじ■定子さま爆誕! 中関白家は順調ですワタクシの中関白家(道隆さまのお家)好きは以前からお伝えしていましたが、道隆さまのうるわしさ、超お兄ちゃんっぷり以外にも、第1話ですでに感涙にむせぶ出来事

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■1000年前のラグジュアリーを最新の研究から学ぶ―『紫式部と王朝文化のモノを読み解く』

大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期の物語です。年代で言えば、西暦1000年前後。今から約1000年前の時間を舞台にしています。 もちろん、同じく「日本」という国で暮らしていますから、1000年前と言えど、共感できるところ、身近に感じるところもたくさんあると思います。たとえば、春の桜を愛でる気持ち、あるいは、新年を迎える新鮮さ。そういったものは今も昔も変わりません。 ですが、やはり1000年の時間の隔たりは大きいと感じるところもあるのです。それは、衣食住など文化の具体的な

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■歴史上の人物の日常を垣間見る―藤原道長『御堂関白記』について

今年の大河ドラマ『光る君へ』は、『源氏物語』の作者である紫式部が主人公です。彼女は平安中期、今からちょうど1000年ほど前の時代に生きていまいた。 その時期、最も大きな権勢を誇っていたのは藤原道長です。彼は、四人の娘を天皇の后として入内させ、彼女たちの生んだ皇子たちの外祖父として長く政権を維持しました。現代の教科書で言うところの「摂関政治」ですね。 私たちは学生時分に日本史でこれらのことを学びます。ですが、これ以上のことは知らないんですよね、実は。 紫式部の本名とか(と

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■春の桜を愛でる気持ちはどこからやってきたのか―『100分de名著 古今和歌集』

国語の記事を書くようになって、改めて感じたことがあります。それは「義務教育で教えられる内容の濃さ」です。 たとえば。 今回話題に取り上げる『古今和歌集』。かなり多くの人が、これが平安時代の和歌集であることを知っています。また、 『古今和歌集』に収められている二首です。そのどちらの歌にせよ、歌そのものや歌の意味するところを、多くの人が何となくは知っています。 それって、とてもすばらしいことだと思うのです。 この二つの歌も『古今和歌集』も、どちらもおそらく、教科書に載っ

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■言葉一つで無限に広がる読書体験を―『100分de名著 紫式部 源氏物語』

来年の大河ドラマ『光る君へ』は摂関政治最盛期の平安時代中期を生きた紫式部を主人公とする物語です。 「紫式部」と言って、すぐに思い浮かぶのは『源氏物語』ですよね。これを機会に『源氏物語』を読もうと意気込んでいるかたも多いのではないでしょうか。 でも、『源氏物語』って、ただでさえ五十四帖もある、長大な物語です。しかも初っ端から と、全力で古文。 私たちが高校で習う古語文法は、このあたりの時代を基にしています。ですから、係り結びだの、敬語だの、動詞の活用だの、定期テストで苦

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