マガジンのカバー画像

大河ドラマ『光る君へ』を100倍楽しく見るために

31
大河ドラマ『光る君へ』は平安時代中期を舞台としています。日本史の授業で習ったあの頃の歴史や文学について、もっとくわしく丁寧に知ることで、ドラマもより楽しめるのではないでしょうか。…
このマガジンは、毎週1~2本記事を更新します。平安時代の歴史や、『源氏物語』などの文学について、今…
¥2,000
運営しているクリエイター

#国語がすき

【読書note】あなたの「光る君」はだれですか―紫式部『源氏物語』

えりたです。 今日は、大河ドラマ『光る君へ』に関わる本のご紹介です。 以前、こちらの記事を更新しました。 こちらは、長い間『源氏物語』をはじめとした、平安時代の文学を研究していらっしゃる三田村雅子先生による『源氏物語』の入門書です。「100 de 名著」シリーズですから、書店で手に入れやすいですし、また、お値段もお手頃。なので、私にとっては、心からのおすすめ本♡ これを読むと、けっこう本気で「うわぁ…『源氏物語』読みたい…‼‼」ってなるですよ。しかも、大河ドラマ『光る君

有料
300

■大河ドラマ『光る君へ』第12話「思いの果て」感想―むしろ「フラグ回収の果て」なイケメンの行く末を

えりたです。 さて、『光る君へ』第12話はいかがでしたか? いやぁ、こまろちゃんがかわいかったですねぇ♡(そこかい)穆子さまに静かにだっこされてたり、感極まった倫子さまにお手々をにぎにぎされてたり。それでもまったく動じない肝っ玉よ! これで左大臣さまが、こまろちゃんをひざに抱いて「こまろよ…倫子が…倫子が…(泣)」って呟きながら、廂で日向ぼっことかしてたら…萌えないはずはなく…と、どこまでも想像の羽は羽ばたくわけです。 というわけで、今回も相変わらず萌えどころが主人公か

有料
200

■大河ドラマ『光る君へ』第11話「まどう心」感想―フラグを立てるイケメンはここにもいました

さて、第11話「まどう心」です。 第10話で、都をバックに全力笑顔の兼家パパりんが映し出され、パパりん絶好調! が予想された第11話。初っ端からもぅ、パパりんは摂政さまですからねぇ…お衣装からして違います。 それにしても。 勤務を終えてお家に帰り、一晩明けて出社(=出仕)したら、社長(=帝)が変わっていたとか…どんな気持ちになるんでしょうね? そりゃ、評判は芳しくない社長でしたが…ちょっとモニョりますよね。 でもきっと、兼家パパりんが企んだ何かしらがどうやら成功したら

有料
200

■大河ドラマ『光る君へ』第4話「五節の舞姫」感想―ちょっとした冒険だな…アタック!

そんなこんなで大河ドラマ『光る君へ』第4話です。 実は、日曜日は大阪におりましたのでリアタイ視聴はできず。体力的にも限界が来ていたので、Twitter(現X)もさほど眺められずいたのです。が、目に付いたところで、緊縛とか、緊縛とか、花山天皇とか「あっ…(察し)」な単語があったので、永観二年の八月を迎えたのだなぁと思ってはおりました。 ということは、前回の感想でも勝手に盛り上がっておりましたが、轟轟戦隊ボウケンジャーのチーフである藤原義懐さまがお出ましということであり(何か

有料
200

■大河ドラマ『光る君へ』第3話「謎の男」感想―但し、イケメンに限る

というわけで、大河ドラマ『光る君へ』第3話です。 第3話はとりあえず初っ端から『源氏物語』帚木巻にある「雨夜の品定め」を彷彿とさせるボーイズトークが展開され、思わずきゃ~となりましたが。みなさまはいかがでしたか? ここでも公任さまが超公任さまでやばかったです(語彙力) さてそんな第3話の感想!…ですが、おそらく今回も主人公さんたちはほとんど出て来ません(笑) いや、彼らに興味がないわけではないのですが、そもそも平安クラスタな私はどうしても好きな方々に目線がロックオンさ

有料
200

■大河ドラマ『光る君へ』第2話「めぐりあい」感想―史実と創作の狭間にある執念を

大河ドラマ『光る君へ』第1話の衝撃も冷めやらぬまま、あっという間に第2話へ突入しました。しかも、その第2話もものっそいスピードで終わり、既に気持ちは第3話に向けて、超そわそわ。 今回のお話は、第1話から6年経った永観2年(984年)のお話でした。この年の8月には円融天皇(坂東巳之助さん)の譲位があります。その前触れを示す場面も、ものっそい不穏なものでしたが、ありました。 そんな第2話の感想です。 ちなみに、第1話の感想はこちら。 ■第2話「めぐりあい」あらすじ ■今日

有料
200

■大河ドラマ『光る君へ』第1話「約束の月」感想―中関白家と円融天皇と

とうとう始まりました、大河ドラマ『光る君へ』。みなさんは御覧になりましたか? 私はリアタイ視聴こそできませんでしたが、映像苦手民にしてはめずらしく、その日のうちに録画を見、ざわざわしておりました(笑) 今回はそんな『光る君へ』第1話「約束の月」の感想です。 ■第1話「約束の月」あらすじ■定子さま爆誕! 中関白家は順調ですワタクシの中関白家(道隆さまのお家)好きは以前からお伝えしていましたが、道隆さまのうるわしさ、超お兄ちゃんっぷり以外にも、第1話ですでに感涙にむせぶ出来事

有料
200

■「かなしい」を「かなしい」と言うだだけでは足りなくて―『百人一首という感情』

私は、人生の半分以上を受験国語のプロとして過ごしています。また、20代の頃は大学院で平安時代の物語の研究もやっていました。が、そのなかで驚くほど苦手にしていたものがあります。それが「和歌」です。 これまでずっと「和歌」の面白さが理解できず。学部生時代も授業中にずっと『源氏物語』を読んでいるような学生でしたが、和歌が出てくるとフツーに飛ばして読んでいました(そして、師匠に怒られていました)。 あるいは、高校時代。「百人一首を定期テストの範囲にするから、1~50まで暗記して自

有料
500

■言葉一つで無限に広がる読書体験を―『100分de名著 紫式部 源氏物語』

来年の大河ドラマ『光る君へ』は摂関政治最盛期の平安時代中期を生きた紫式部を主人公とする物語です。 「紫式部」と言って、すぐに思い浮かぶのは『源氏物語』ですよね。これを機会に『源氏物語』を読もうと意気込んでいるかたも多いのではないでしょうか。 でも、『源氏物語』って、ただでさえ五十四帖もある、長大な物語です。しかも初っ端から と、全力で古文。 私たちが高校で習う古語文法は、このあたりの時代を基にしています。ですから、係り結びだの、敬語だの、動詞の活用だの、定期テストで苦

有料
500

■「春はあけぼの…」好きなものは好きと胸を張って言っちゃおう―『枕草子』のこと

わりとフツーに見えるけれど、考えてみれば凄まじくすばらしいことだと思うことがあります。それは。 1000年前に清少納言によって書かれた『枕草子』の冒頭です。多くの方は、中学2年生あたりで暗唱した(させられた)と思います。 でも、この「春はあけぼの」というフレーズ、何気なく、あるいは、いやいや覚えさせられたにもかかわらず、思いの外、たくさんの方が大人になっても覚えているんですよね。そして、会話の端々に顔を出したりもする。 これって凄まじく素晴らしいことだと思いませんか?

有料
500

『大鏡』への愛を語る-1000年の時を繋いで私の心を照らす-

えりたです。今回は初4000字越えの記事です。 実はワタクシ、幼い頃から歴史が大好きで。正確に言うと、「歴史の物語」が好きで好きでたまらないのですね。 小学生の頃、毎月2冊ずつ本を買い与えられていました。そのタイトルは『まんが 日本の歴史』。なぜかは知りませんが、私はそれだけを与えられ、次に買ってもらえる日までお家ではそれを繰り返し読んでいたのです。 そこから私の歴史好きは少しずつ作られていきました。 あまりにも歴史の本が好きすぎて、ついには担任の先生が私のために、学

有料
500