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心理学と習慣化


人間は習慣化さえしてしまえば、継続することができます。

しかし、習慣化する前に挫折してしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。

今回は、心理学と習慣化に関する情報と論文を元に習慣化とその行動や認知機能への影響について理解の幅を広げていけたらと思います。

1.Habituation mechanisms and their importance for cognitive function
リンク:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnint.2014.00086/full

2.A Quantitative Account of the Behavioral Characteristics of Habituation: The Sometimes Opponent Processes Model of Stimulus Processing
リンク:https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2014.01589/full

3.Context-Specific Habituation: A Review
リンク: https://www.mdpi.com/2076-2615/4/3/377

4.Habit Formation and Behavior Change
リンク: https://oxfordre.com/psychology/view/10.1093/acrefore/9780190236557.001.0001/acrefore-9780190236557-e-129

5.The Virtuous Spiral: Aristotle’s Theory of Habituation
リンク: https://academic.oup.com/book/29503/chapter-abstract/223407237

習慣化に必要な行動と日常的に落とし込める方法

1.具体的な目標設定

新しい習慣を始める際には、非常に具体的な行動目標を設定することが重要です。
例えば、「もっと運動をする」よりも「毎日朝7時に30分間ジョギングをする」といった具体的な目標の方が達成しやすくなります

2.小さなステップで始める

大きな目標を一度に達成しようとすると挫折しやすいです。そのため、小さなステップから始めて徐々に目標を拡大していくことが推奨されます。

3.環境の整備

習慣化を支援する環境を整えることが重要です。例えば、ジョギングを習慣にする場合、前日の夜に運動服を準備しておくなど、行動を容易にする準備をしておくことが効果的です。

4.トリガーを使う

習慣となる行動を開始するためのトリガー(きっかけ)を設定すると良いでしょう。これには、特定の時間帯や他の行動後に新しい習慣を行うといった方法があります。例えば、歯磨きをしたらスクワットを10回する。

5.報酬の設定

新しい行動を行った後に自分自身に小さな報酬を与えることで、その行動を継続するモチベーションを保つことができます。報酬は、お気に入りのお菓子屋を楽しむことや、短い休憩をとることなど、簡単なものでも効果的です。

6.反復と一貫性

習慣は反復することで強化されます。毎日同じ時間に同じ行動を繰り返すことで、それが自然と日常の一部になります。

小括

これらのステップを実行することで、新しい習慣を形成しやすくなり、それを持続させることができるようになります。習慣化の過程においては、小さな成功を積み重ねることが、最終的な目標達成への道となります。

習慣化するために必要な期間はどのくらい??

慣化に必要な期間は、一般的には約21日から数ヶ月とされていますが、これは行動の種類や個人の状況によって大きく異なることがあります。

特に有名な研究では、平均して66日が新しい習慣を形成するのに必要な期間として示されています(Lally et al., 2010)

この研究によれば、習慣化の期間は18日から254日の範囲で変動し、習慣の種類や個人の持つ動機、環境など多くの要因に左右されます。

この研究は、単純な行動から複雑な行動まで、習慣化する行動の種類によって必要な時間が異なることを示しています。

例えば、毎日水を飲む習慣は比較的短期間で習慣化できるかもしれませんが、毎日のジョギングのような物理的な努力を要する習慣はより時間がかかるといわれています。

Lally et al., 2010
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ejsp.674

この研究では、習慣を形成するためには一貫した努力と時間が必要であることが強調されており、習慣化のプロセスには個人差があるため、自分自身に合ったペースで進めることの重要性も説かれています。

挫折した時の対処法

1.挫折の原因を特定する

まず、習慣を継続できなかった具体的な理由を理解することが重要です。これにより、同じ問題が再発するのを防ぎながら計画を調整することができます
(Kelly McGonigal, "The Willpower Instinct")

2.計画の再調整

目標をより現実的なものに調整し、必要に応じて小さなステップに分割することが推奨されます。例えば、毎日1時間運動するという目標が挫折の原因であれば、最初は10分から始めるといった調整が有効です
(Charles Duhigg, "The Power of Habit")

3.自己慈悲を持つ

挫折を自己批判の理由とせず、自己慈悲を持って対処することが重要です。これにより、ネガティブな感情が次の行動に悪影響を及ぼすのを防ぎます
(Kristin Neffによる自己慈悲の研究)

4.社会的サポートを求める

友人や家族からの支援を求めることも有効です。彼らの励ましやアドバイスが新たなモチベーションにつながることがあります。
または、何処かに所属したりチームで一緒に始めるというのも有効そうですね。

5.習慣のトリガーを見直す

習慣を再開するための新しいトリガー(きっかけ)を設定することが役立つ場合があります。例えば、朝起きた後にすぐ運動する、仕事から帰ったらすぐに勉強するなど、日常のルーチンに組み込むことで再開しやすくなります。

これらの方法は、挫折からの回復に役立ち、習慣化の取り組みを再び前向きに進めるための支援になります。

習慣化の道のりは直線ではないため、柔軟性を持ちながら、自分にとって最適な方法を見つけ出すことが大切ですね。

Kelly McGonigal, "The Willpower Instinct":
リンク: https://www.penguinrandomhouse.com/books/307165/the-willpower-instinct-by-kelly-mcgonigal/

Charles Duhigg, "The Power of Habit":
リンク: https://charlesduhigg.com/the-power-of-habit/

Kristin Neffの自己慈悲の研究:
リンク: https://self-compassion.org/

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