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おいしい記憶と止まらない文句

夕飯の時間になると夫と料理をする。

本当はひとりでやったほうが気が楽だ。でも私は料理がきらいなので(というか早くご飯を食べたいのでその時間が耐えられない)、ふたりでやれば早く終わるという面では協力するに越したことはない。

夫は、じゃがいもが固いとかにんじんが大きいとかもっと焼いたほうがいいとか、とにかく文句が多い。私が包丁でなにか切るときには切り方の指定が入るし、パスタは作らせてもらえない。

私は私で、夫が料理しているのを見ていると、「もっとざっくり切ってもいいのに」とか「もう焼けてるんじゃない?」とか色んなことを思う。食に対する、こだわりの差だ。なるべくおいしいものを食べたい人と、そこそこでいいから早く食べたい人。

一緒にいる時間が長いと、めんどくさいなと思うことも合わないなと思う部分もたくさん出てくる。

でもこれから先、こんなにずっと一緒にいることもないだろうし(多分)、一緒に料理することもな少なくなるかもしれない。いつか今を振り返り「あのときは一緒にご飯つくってたね」などと言うかもしれない。

2020年を思い出すとき、「おいしかったな」という記憶がひとつでも増えればいい。