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永遠には失わないので

大好きなドラマの放送(配信)が終わってしまい、呆然としている。

いつまで経ってもこの感覚に慣れない。いつからか「○○ロス」という言葉を聞くようになったけれど、まさしく心にぽっかり穴が空いた状態なのである。毎週楽しみにしていた水曜日と木曜日は、ただの週の真ん中になってしまった。

これは何かに似ているなと思ったら、本を読み終えたときも同じなのだった。夢中になって読んで、本を閉じ、フーッと息を吐き、終わってしまった余韻に浸る。

ドラマも読書も、終わりまでにそれなりの時間を使う。何時間、何十時間を一緒に過ごしてきた登場人物たちと別れるのがつらい。

と言いつつ、またすぐに次の「大好き」を見つけるのだから、薄情だなと自分に苦笑してしまう。別れがあれば出会いもある、なんて手垢のついた言葉を思い出す。

新しく読み始める本の1ページ目をめくるのも、ドラマの第1話を見始めるのも好きだ。まっさらな気持ちで始めることができる。これから何が起こるのか。好きになれるのか。ドキドキしながら、今日からまた新しい物語をはじめる。