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ジブリ関連本を普段は読まないけれど、SWITCH9月号が「君たちはどう生きるか」のパンフレットだった

生まれたときからジブリが好き。私の身体の中にはそれくらいジブリ、というか「宮崎駿」が棲みついている。

宮崎駿の最新作「君たちはどう生きるか」は何の情報も知らずに映画を観たいということで、初日の午前中に映画館に足を運んだ。(もちろんSNSやネットニュースはシャットダウン)

感想はというと、いまだにうまく言語化できない。友人に「どんなところがよかったの?おすすめは?」と聞かれたときに、うまく答えることができなかった。おそらく、誰かに気持ちをシェアするというよりは、映画で感じ生まれた感情を灯火として自分の心の中に留めておくものなのだろうと思う。

いくつか言語化できる感想としては、「80歳を超えた人が作る映画なのか?」というくらい表現がすごい。アニメーションとしての力量も驚くし、物語としてのメッセージ性も、もう人生の終わりが見えている人が作るものではないなと思った。

もう一つは、長年ずっと宮崎駿の作品を見ていたからこそ過去の作品のオマージュを感じられたこと。「あのシーンはあの映画で観たな」とか「あのキャラクターはこの映画で観たな」とか、いままでの宮崎駿作品を感じることができた。とはいえ、いままでの彼の作品をまとめたストーリーというと、まったく違って、映画自体は新しい宮崎駿作品なのだ。

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世の中にはジブリ公式、非公式でかなりの読み物が流通している。最近はYoutubeにジブリ考察の動画も増えて、「映画の隠されたの意図は?」「宮崎駿が伝えたいメッセージは?」なんて動画がたくさん投稿されている。

実は私はジブリ好きといえ、こういったジブリの本や動画をまったく読んでも見てもこなかった。持っているジブリの本は

アニメージュが出している「紅の豚」の公式ブック

あとは、BRUTUSのジブリ特集をいくつか読んだくらいだ。たまに、NHKで特集される映像作品を観るくらいだ。

個人的には宮崎駿の作品は「アニメーション」がまず第一に好きで、「観る」ということが最優先なので、物語の解説本を読んでも私にとってはあまり意味のないことのような気がしたからだ。ジブリのアニメーションを観て自分がどう感じるかが大切だと思っている。

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ただ、さっきも書いたけれど、「君たちはどう生きるか」についてはうまく言語化できていないこどがモヤモヤもしていた。なので、パンフレットを買おうかと思ったけれど、公開初日に観劇したので、パンフレットの購入はできなかった。後々に発売されたものは映画のシーンだけなので、どうしたものかと思っていたら、SWITCHで「君たちはどう生きるか」特集がされるということで、購入した。

結論、これがパンフレットだった!

特集では、スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫さんと池澤夏樹さんの対談があり、私の観劇後のモヤモヤはすべて解かれた。でも、これはここで書いちゃうよりは、雑誌を読んでいただくか、映画を観てご自身で気付いた方が良いと思うので、書きません。

ただ、鈴木さんが語る、宮崎駿の映画制作エピソードが本当に面白くて(たぶんいままでの鈴木さんの著書でも語られていたのだろうけど)、やっぱり宮崎駿って天才なのだと実感した。

個人的に驚いたのは、宮崎駿は「時間」の感覚がぶっ飛んでいること。「魔女の宅急便」ではキキの旅立ちまでのストーリーが5分で軽やかに描かれて、物語が始まる。一方で「千と千尋の神隠し」では千尋が「千」という名前になって物語が本格的に始まるまで40分ほどかかる。思い返せば、確かに宮崎駿の映画の時間軸って「起承転結」の時間が均等になってはいない。だけど、時間を感じさせないストーリーなのがすごい。

もう一つ驚いたことは、宮崎駿はストーリーが先ではなくて、一つの絵からアニメーションを作り、物語が作られていくということ。そんなことできる人がいるのか?宮崎駿だからできるのか。あと、宮崎駿は「アニメーション(動く絵)」を作ることが好きと鈴木さんが言っていて、やっぱり生粋のアニメーターなのだろうなと思った。「君たちはどう生きるか」でも、観ていて心が動くアニメーションのシーンがいくつもあった。

他にも語りたいことはたくさんあるけれど、まだ観ていない人もいるし、やっぱりこの映画は自分でそれぞれ内省をした方が良い作品だと思うので、この辺で。ぜひ、気になった方は手にとって読んでみてください。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。写真展が続けられるようにサポートしていただけるとありがたいです…!