第２回「意味のないものを愛す」／びねつラジオ
こんばんは、満島エリオです。
今日も夜更かしです。
【今週の雑談】
終わっちまいましたね、正月休み。
あんなに一緒だったのに、終わってしまった途端あの頃の穏やかな気持ちを忘れ去り、ささくれ立った心に戻ってしまうのはなぜなのか。悲しいですね。そして働きたくない。
とはいえ、実は今年の私は例年よりも穏やかな気持ちで仕事始めを迎えました。
なぜかというと、新年早々に有給休暇を取得していたからです。
有給をとってこちらのライブに行っておりました。
歌い手のそらるさん、まふまふさん、うらたぬきさん、あほの坂田。さんの「そらまふうらさか」4名によるライブです。
歌い手界隈に詳しくない方はよくわからないかもしれないので少し補足すると、「歌い手」というのは、ニコニコ動画でボーカロイド曲などを歌い、「歌ってみた」動画として投稿している人たちの総称です。こう書くと「素人の延長なのでは？」と思われるかもしれないのですが、トップクラスの人達になるとフォロワーが100万人を超えていたり、出したオリジナルアルバムがオリコンランキングに入ったり、ドーム規模でライブしたりと、有名アーティストと比べても遜色ない活躍をしています。すごくね？
で、この「そらまふうらさか」は、そのトップを張っている人たちの中の4人になります。
歌い手さんのライブでおもしろいのが、アーティストって普通「自分／自分たちの曲」しか歌わないと思うんですが、「歌ってみた」はそもそも誰かの曲を歌う文化なので、「自分の曲じゃなきゃダメ」っていう制約がないんですよ。
もちろん「じゃあRADWIMPS歌いまーす」っていうわけじゃなくて、あくまでも投稿されたボーカロイド曲の中から、というのが基本ではありますが(そして彼ら自身のオリジナル曲もたくさんあります)、でもボカロ曲って無数にあるので、「今夜のライブで何を歌うのか？」という可能性が、普通の歌手と比べてものすごく広いんですよね。
そして、それらの曲はある意味共有されているわけなので、同じ曲をAさんとBさんの両方が「歌ってみた」しているので、それを聴き比べる、みたいな楽しみ方もできるわけです。
今までの音楽アーティストが当然抱えていた制約をとっぱらった場所で彼らは活動していて、そういうところが新しいし、すごくおもしろい界隈だなと思います。
で、昨日見てきた「そらまふうらさか」は、まさしく「歌い手だからこそできるおもしろい」をめちゃめちゃ体現してるライブだったのですが、最後のMCでそらるさんが「楽しいだけのライブってすごく大事」って言ったんですね。
これ、本当にそうだなと思って。
私含め、noteで文章なんか書いてる人たちは特にわかると思うんですけど、色んなことにすぐ意味を見出したり、あれとこれを結びつけたり、すぐ感動したり感謝したくなっちゃうんですよ。
そういうのが大事だったり必要な時ももちろんあるんですけど、でも意味ばっかり追いかけすぎてると時々疲れてきませんか。
以前、「言葉は音楽に勝てないと思う」という主旨の文章を書いたんですが、その理由の一つはこれです。言葉は意味を持ちすぎだなと。
文章って、表現の手段としてあまりにもダイレクトだなと。
だからこそ「伝える」手段としては一番優秀だと思うんですけど、聴く人の想像力にゆだねる「歌」や「音楽」と比べたときに、時々「言葉って野暮だなあ」と思っちゃうんですよね。
とにかく、ついつい意味にこだわりたくなっちゃうんですけど、でも「意味があること」と同じくらい私は「意味がないこと」も大事だと思っていて。
だって、「こういう理由でこれが好き」って説明がつくものは、その理屈を崩されたら失われる可能性があるから。
でも、「意味がないけど好き」「意味はないけど楽しい」は誰にも奪えないんですよ。だとしたら、最後の最後まで抱えていけるものって、「意味のないもの」の方なんじゃないかな。
そして、だから、言葉でどうにか「意味の制約」を超えられないのかな～、ということが、ずっと考え続けていることだったりします。
まじめになっちゃった。
とにかくライブ楽しかったです。
なんで楽しいかなんて分析しはじめたら野暮だよな。
「めちゃめちゃ楽しいだけのライブでした」。
それでいいや。
【今週の1曲】
そんなわけで、野暮な説明はしねえ。そらまふうらさかが歌う、ひたすら楽しいだけのこちらの曲をどうぞ。
”ロールプレイングゲーム”／そらまふうらさか
【お知らせ】
BadCats Weeklyというサイトで昨年からエンタメコンテンツのレビューを執筆させてもらってるのですが、こちらの記事が昨日公開されております。
BUMP OF CHICKENの”ベル”という曲について語っておりますのでよろしければどうぞ！
ではまた次回。
おやすみなさい。
ハッピーになります。