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ナナライに行ってきた。

7/7,ゲーム「アイドリッシュセブン」の1stライブイベント「Road To Infinity」(通称ナナライ)に行ってきた。

アイドリッシュセブン(アイナナ)は、男性アイドルグループ達の育成音楽ゲームで、登場する各グループの楽曲を音ゲーでクリアしながらストーリーを読み進める、という形式のゲーム。
http://idolish7.com/
私も友達に進められて始めるまで、イケメンが並ぶだけのアイドルゲーだろと思っていたのだが、予想外にストーリーが複雑で面白くて、気づいたはまっていて、気づいたらライブチケットも取っていた。

出演は、ゲームでキャラクターの声をあてている声優の方々で、この手の2.5次元系イベントに行くのが初めてだったので、どういう形でライブが進むのかわからず、一緒に行く予定の友達とあれこれ予測していた。

「声優イベントなのかな?それとも完全ライブ形式?」
「どこまでキャラに寄せるんだろう?衣装着る?髪は?」
「髪色までは寄せなくていいかな…」

当然ながら、声優は声の仕事がメインであり、顔やスタイルで食ってるわけでも、舞台で歌ったり踊ったりするのが本業なわけでもない(最近はアイドル化してると言われるものの)。
なので、はちゃめちゃに楽しみな気持ちが200%だったものの、実物を見てがっかりしちゃったらどうしよう、というほんのちょっとの不安も抱いていた。

でも、ライブのずいぶん前から、痛バックとか、ライブで着る服とか、髪型とか、応援グッズとかを準備してる人をツイッターでたくさん見かけた。すごい人になると、ウエディングドレスみたいなワンピースを用意していた。
そういうのを見てるうちに、わたしもいてもたってもいられなくて、ライブに向けて服やカバンを買ったり、汗で落ちにくい化粧品をそろえたり、推しの色のマニキュアをさがしまわって黄緑のマニキュアを三本も買ったり、よくわからない方向に期待を爆発させていた。

当日。10時開始の物販に9時の時点でもう3,000人並んでいて、しかもほとんど全ての人が何らかの形で推しキャラの色やアイテムを身につけていた。全国どころか世界から贈られた大量のフラワースタンドが並んでいて、西武球場前はナナライへのむせ返るような期待に溢れかえっていた。

私も友達と9時半から物販に並んでいたけど、目につくすべてのもの、人がライブへの期待を煽って、開演は夕方だっていうのに朝からアクセル全開になってしまって、テンションの納め方が完全にわかんなくなってしまった。

そして、17時。
定刻で開演。代表曲「モンスタージェネレーション」の音楽とともに登場するキャスト。
https://www.youtube.com/watch?v=V444LTeh3Tk
キービジュアルの衣装を着て、歌い、踊っている。
それを見た瞬間、開演前までの不安が消し飛んだ。

ほ、本物!生きてる!現実!三次元!3Dフルボイス!!(声に出して言った)

ゲームのアプリ画面で見ていた二次元のキャラが現実に、同じ空間に登場し、MVと同じステップを踏んでいることに、一瞬にして脳がバグる。失われる理性と語彙。

生きてる!いる!やばい!現実!

頭のおかしいオタクの妄言だと思われるでしょう。顔もスタイルも全然違うだろ、歌もダンスも大したことないだろと突っ込みたいでしょう。
でも違うんです。そうじゃないんです。

四万人収容のドームで、アリーナでもない席で、肉眼でキャストの顔も動きなんてろくに見えないんですよ。確かに、音外したり踊れてなかったりするんですよ。
でもそういうことじゃないの。
キャラと同じ声の人間が、キャラの格好をしてキャラと同じ振りを踊っている。
喋り方とか動きとか、MCのトークまで、人によっては憑依してるレベルでキャラクターに寄せている。

キャラクターとしてだけじゃなくて、人気声優揃いでめちゃくちゃ忙しいはずの、歌やダンスが本業ではない人達が、この日のために相当練習してきたのが一曲一曲から伝わってくる。
だって、ひとグループ少なくとも4曲はあったのに、ちゃんとMV通りに踊ってて、しかも振りも揃ってるんですよ。
似てるとか似てないとか、上手いとか下手とかじゃない。
彼らはそこにいて、歌って踊れば空気が揺れる。そういうリアルがあそこにはあった。

キャストだけじゃない。
設営も、音響も照明も演出も、全部アイドルのステージを形作るプロの仕事だった。
そして、今日を待ち侘び、気合いを入れてきた四万人のいかれた女たち(一部男)。ペンライトを振り、煽りに応え、ファンサに歓声を上げ、コールを叫び、アイドル達の名前を呼んだ。

あの場にいた全ての人が、アイドリッシュセブンをたかがゲームのキャラ、声優イベントと思わず、本物の、現実のアイドルとして扱っていた。
どれか一つでも欠けていたらきっと白けていた。
でも、奇跡的にすべてが揃っていた。
だから彼らは本物になった。

本物だったんです。
いたんです。
見たんです。
確かに実在してたんです。

ライブが終わった後、自分の見たものが信じられず、呆然として、ライブ中のことを全然思い出すことができなくて、そのかわりに何度も何度も思った。

あまりにも楽しかった。
そして、あまりにもアイナナが好きだ。

痛バックとか、課金とか、フラワースタンドとか、はたから見たらただの自己顕示欲で、そんなことにお金かけて、と馬鹿馬鹿しく見えるかもしれない。でも、ガチ勢とは程遠い私でさえ、ライブ1週間前からナナライのことしか考えられなくて、何かしたいという気持ちに突き動かされたし、その時間さえも本当に楽しかった。

「アイドリッシュセブン」という作品を見ていると常々思うけれど、本当に細かいところまで作り込まれていて、作っている人の作品への愛がものすごく深いのを感じる。だから余計に、作品から放出されるエネルギーがあまりにも大きくて、ただ受け止めるだけじゃ、与えられるのをただ待っているだけじゃパンクしてしまう。受け取ったものを、自分も出力せずにはいられなくなるのだ。

そのなかでも、やっぱりライブという生身のイベントを現地で見るという体験は本当に桁違いだった。
おかげで、ライブ直後はナナライロスがすごくて、まじめに涙を流して泣いた。
それは、「ナナライが終わってしまった」という単純な寂しさだけじゃなくて、こんなにも愛の詰まった、クオリティの高いものを見せてもらって、多くのパワーをもらったのに、それを大した形で出力できない悔しさが、個人的には強かったように思う。エネルギーははちきれそうにチャージされているのに、それをうまく吐き出せないのがつらかった。
「ああ楽しかったなあ」と、惜しみながら飴をなめるみたいに、繰り返し思い返しながら少しずつ日常に溶かして消えていくみたいな、そんな消費しかできないことが。

そんな、あまりにも楽しかったがゆえの強烈なつらさを、1週間かけてやっと落ち着いてきた。今は、ライブで発表されたアニメ二期と推しグループのCDの発売を糧に生きている。
そして、もうすでに2ndライブを期待している。
でも、ただ連れてってもらうのを待ってるわけじゃない。
私たちの目一杯の好きが、彼らをライブに連れていくのだ。
とりあえずそういう気持ちで、このエネルギーを出力していくことに決めた。

#ライブレポ #アイナナ #アイドリッシュセブン #ゲーム #コンテンツ会議

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