ママっていつも文句言ってるよね。
ある日、娘(小6)が私に言った。
「ママってさ、いつも文句言ってるよね。」
ーーえ。イツモモンクイッテル?
一瞬、ピンと来なかった。自覚がなかったのだ。不意打ち、とはこのこと。
でも、状況からしてすぐに理解した。
その「いつも」というのは、正確に言うと、「テレビでニュースを見ている時に、いつも」なのだ。
丁度その時、いじめ関連のニュースを見ていた。いじめ認定されるのにも時間がかかり、報告する大人もなんだかモヤモヤすることを言っていた。
それで、多分こう言ったのだ。
ーーだいたい、どんな理由があっても、いじめていい訳ないじゃん。いじめた側とか自分たちの保身ばっかり考えてるから、そんなことになるんだ。フンッ。
その直前はこんな感じだ(多分、政治絡みのニュース)。
ーーはあ?頭おかしいんじゃない?どれだけ頓珍漢なことをしてるか、今頃気付いたって遅いし。想像力が足りなすぎ。フンッ。
テレビに向かってブツブツ言っていたのだ。それを娘は黙って聞いていた。そして、ついに冒頭のセリフ。
でも、いいかい?これは「文句」ではなくて、「意見」というものなんだよ。
世の中の出来事に対して、1度自分の中に取り入れた上で、自分の考えを話しているの。
確かに、口が悪いかもしれない。文句言ってるだけに聞こえるかもしれない。でもね、大切なことを言ってる時もあるんだよ。
というようなことを何となく娘に伝えた直後(娘の反応は、「ふ~ん」)、ある人物の姿が目に浮かんだ。
実家の父だ。
父もまた、テレビに向かって、ずーっと文句を言っている。
そう、私は「文句」だと思って、聞き流していたのだ。
同じじゃないか!
きっと、父も、父なりの「意見」を述べていたんだ。
口調がキツいし、なんだか聞いていて心地の良いものではなかったから、きちんと内容まで把握しようとしていなかったのは、他でもないこの私なのだ。
母も、ほぼほぼ「もう、うんざり」という表情でやり過ごしている。
今更ながら、なんとなく、父に申し訳なかったな、と思ったのと、ぼやくだけではただの「文句」、「愚痴」と捉えられてしまうんだなあというのを身をもって知ったのだった。
私も歳を取ったってことなのかなあ…。
でも、多分、このテレビに向かって言うブツブツは、なかなか治らないんじゃないか(結構前からやっている気がする)と思う、ちょっとしょんぼりした夜なのだった。
*
皆さんはどうですか?
ブツブツ言いますか?
家族の前では心の声も全部出ちゃうんですよね。どうしたものでしょうね。
***2024/2/26追記***
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?