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慣れた頃こそ、用心を。


先月の中頃(確か金曜日)、夫が雪道で転んだらしい。その日は一旦溶けた雪が再冷凍されて、ツルツルのスケートリンク状態になっていた。

帰宅してから、腰が痛いと大騒ぎ。

あっ!と思ったら身体が宙に浮いて、その後ドーンて背中から落ちた。

当時の状況を説明する夫


うわ、痛そう。きっと大股で歩いてたんだろうな。

ーーえ、でもリュックしょってるよね?

そう。リュックがクッションになって、衝撃は吸収されたと思う。

ーーじゃあ、なんでそんなに痛みがひどいの?

打った衝撃じゃなくて、身体が宙に浮いて落ちるまでの間に、多分腰をひねったんだと思う。

宙に浮きながらひねったのか。フィギュアスケートで言うところの回転ジャンプを失敗した、みたいな感じ?

とにかく、普段しない動きを腰に与えてしまい、良くなかった様子。


夫はスポーツマンなのだが、びっくりするほど身体が硬いので、怪我をしやすい。しかも、職業柄、同じ体勢で作業を行う時間が長く、凝り固まってしまうのはそういったことも影響がありそう。

それでも、幸い、骨には支障がなかったようで、2週間ほど整体に通いながら、少しずつ良くなっていた。


そして、つい先日。

今シーズン、もう行ける日があまりないというので、家族でスキーに出かけた。何度も訪れた、すっかり馴染みのスキー場。

途中、2人乗りのリフトに乗ることに。

わが家は4人家族なので、娘(小6)と夫、息子(小2)と私がペアになった。

ゲートを通過する時、息子のリフト券が何度もエラーになり、足踏みする息子と私。結局、スタッフの方にエラーを解除してもらったのだけれど、その間に、隣のゲートから1人のスノーボーダーが娘&夫ペアと私たちの間に入り込んだ。

なので、娘&夫→ボーダーさん→息子&私の順にリフトに乗ることに。私たち家族にボーダーさんが挟まれた形だ。

ボーダーさんが乗るリフトが前を通過したので、私と息子も乗車位置に待機。後ろから来るリフトの位置を確認するため、私はずっと後ろを見ていた。

と、次の瞬間。急にリフトが停止。

乗客が降り損ねたり、何かトラブルがあった時にはよくあることだ。

ーーあ、止まった。

ふと前を見ると。

赤いスキーウェアの人がリフトから地面に落ちている。スキー板を付けた足が上になり、ダンゴムシがひっくり返った時のような姿だ。

ーーえ、あの人大丈夫?!すごい体勢だけど。あ、それでリフト止まったのか。


でも、次の瞬間、その「赤いスキーウェアの人」=「夫」だと脳が認識した。

ーーえー?!うちの人??!

衝撃。

そして、娘だけが残されたリフトは、地上3mくらいの位置で止まっている。

「わー!」とか「ドシン」とか音がしなかったし、その瞬間を見ていないので、全く状況が掴めない。


ーーどどど、どういうこと?あんな高いところから落ちたの?!

天パる私。(((( ;゚д゚)))アワワワワ
多分、色々声を発していた(覚えていない)。前にボーダーさんのリフトを挟んでいるので、お互いに声が届かない。

よく見ると、娘のスキー板も地面に落ちている。

すぐに駆け寄りたかったが、私もスキー板を履いていて、ホイサッと動ける状態ではない。


後から聞いた話では、まず、夫のストックが地面に引っ掛かった(ちゃんと上げていなかった)。そして、ストックの持ち手側が溝落ちに引っかかって身体が宙に浮き(また?)、リフトから前に落ちたと(空中で前転?)。

その時、娘のスキー板を巻き込んだらしい(板が娘の靴から外れてよかった!)。リフトは夫が落ちた後に上がったので、高い位置から落ちたわけではないと。


落ち着いてから聞けば、あーそうだったのか、と分かるが、その時は目にしたものしか情報がなく、かなり焦った。

夫の身体は大丈夫?腰やっちゃったばかりだけど?

そして、娘は、どうする?スキー板なしでこのまま山の上へ?(リフトは、手を伸ばして届く高さよりはるかに上で止まっている。)

私と息子もこのままリフト乗る?いや、娘は行くんだし、乗るよね、もちろん。

あ、じゃあ夫は置いてくよね(負傷したと思っている)?

数秒間で咄嗟に色々考える私の脳。


私が脳をフル回転させているうちに、すぐにスタッフの方が駆け寄り、夫を抱え起こしてくれた。どうやら、立てるみたいだ。そして、夫は何か言いながらこちらに歩いてくる。

ーー歩けるんだ!

別のスタッフさんは、娘に、そのまま乗って行くように指示している。頷く娘。冷静だ。

結局、夫は、私たちの次のリフトに乗せてもらい、娘の板を持って行くことになった様子。

ーーは~、とりあえず良かった。

何が何だか分からなかったが、手馴れていて、迅速かつ丁寧に対応してくださったスタッフの方々に感謝。たまにあることなんだろうが、当人達は焦ってさらに良からぬ行動を起こしてしまったりするものだ。

声掛けもなんだか優しくて救われる。夫はリフトを止めてしまった罪悪感や気恥ずかしさもあるだろうから(知らんけど)。


リフトが上に着くと、板がなく歩いて降りる娘のために再度リフトを止めてもらい、安全に降りることができた。

そして、皆で合流。

上記した説明を夫から聞く。

見た感じ、夫の身体も大丈夫そうだ。


ーーも~、ほんと頼むよ(初歩的なミスじゃん)。びっくりしたー!あー、でも、結果的に無事で良かったよ~。

夫「一瞬だったから、どんな体勢で落ちたか覚えてないんだよなあ。」

娘「スキー板なくて、足が軽かった~。」

えっと、2人ともそんなもん?こちら、めちゃくちゃ焦ったし、かなり心配したんですけども?体勢?ダンゴムシでしたよ?


後から考えると、リフトで私たち家族に挟まれたボーダーさんもいい迷惑だったと思う。リフト止まるし、前のおじさんは落ちてびっくりするような姿だし、後ろのおばさんはあわあわ言ってるし。

お騒がせいたしました。


まあでも、本当に無事で良かった。

子どもたちも、リフトに乗る時のストックの扱いについて、ダンゴムシの夫から学んだはずだ。

雪道もリフトも、微妙に慣れた頃に起きたハプニング。そんなもんだよなあ、慣れた頃こそ気を付けなきゃだよなあと、改めて思った。



翌朝。

腰の状態が悪化したんじゃないかと思って、夫に声をかける。

ーー腰、大丈夫?

すると、こう答えが返ってきた。

それがさ、調子いいんだよ。この前転んだ時と逆側にひねって、治ったのかもしれない。荒治療ってやつ?(   ´∀`)ハハハ

え。そんなことある?

私の心配をよそに、超絶ポジティブシンキングな夫にイラッとした朝なのだった。


まあ、悪化してないならいいんだけどさ…。


でも、宙に浮く→腰ひねる続きの夫。引越しもあるし、もうちょっと注意しないと何か大きな怪我とかにつながりそうだ。ちくちく小言おばさんを出動させなくちゃだな。




最後までお読みいただきありがとうございました。


そういえば、以前、娘が楽しみにしていたディズニーシーに行く前日にアキレス腱を断裂し、飛行機じゃなく手術台に乗った夫でした(もちろんディズニーは中止)。

これからお互い歳を重ねるので、注意し合っていかないとなあと思います。




***2024/3/12追記***

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