見出し画像

中1娘がキャパオーバーになった日、自分の黒歴史を思い出した。



とある金曜日の出来事。

朝起きるなり、娘(中1)が泣いている。眉毛を八の字にし、ポロポロ大粒の涙を流して。こんなことは初めてだ。

ーーお、お?どうした?

「今日、学校行きたくない…。」

とりあえず理由を聞く。学校は行ったら楽しいけど、今日は無理だと言う。嫌なことがある訳じゃないけど、どうしても気力が足りないと。

なるほどね。思い当たることはいくつもある。

・体調は悪くはないが、週末で疲れが溜まっている。

・前日、塾の宿題を夜遅くまでしていて寝不足。

・近々塾の実力テストが控えていて、クラス分けにも関わるのでプレッシャーを感じている。

・そして、雨。バス通学にとって雨は本当に憂鬱らしい。


あー、多分キャパオーバーなんだろうな、と悟る。

ただ、正直、迷う。こんな理由で休むのは、「逃げ」にはならないだろうか。行きたくなければ行かなければいい、と簡単に受け入れていいものか。行ってしまえば案外大丈夫だったというパターンもあるんじゃないか(小3息子で経験済)。

でも、あまりにも悲しそうに泣く娘に、この時は厳しい言葉をどうしても掛けられなかった。

ーーうん、分かった。とりあえず、今日は休もうか。

学校にアプリで欠席の連絡をする。その途端安心したのか、解放されたように笑顔が戻る娘。

それから1日、課題をしたり、本を読んだり、ゴロゴロしたりして大人しく過ごしていた。学校を休んで塾には行くのもなんだかなあと思い、とりあえずこの日は塾も休むことに。


夕食の後。塾の送迎がなくなったのをいいことに、ビールで晩酌を始める私。夫は出張中だ。娘を横に座らせて、話をしてみることにした。

・塾がきついなら、日数を調整してもいい。一旦休んだり、辞めてもいいと思う。

・先のこと(成績とか進路とか)を考え過ぎなくてもいい。なるようになるし、なるようにしかならないし(当たり前)。

・周りに優秀な子が多くて気後れしてるかもしれないけど、比べなくていい。自分は自分。人は人。

・パパもママも、偏差値とか高校とか気にしてない。自分に合った道に進んでほしいと思っている。

・睡眠削っていいことはないから、なるべく早めに寝るようにしよう。

…などと話した。ビールのお陰か饒舌だ。娘は娘で、やっぱりテストが心配なこと、学校は楽しいけど、ハードで疲れることなどをポツリポツリと話してくれた。

そうやって話していたら、昔、この日の娘と同じように学校を休んだ自分のことを思い出した。



あれは、高校生の時。詳しくは忘れたが、漢字テストか英単語テストがある日で気が重かった(多分勉強出来ていない)。

隣町の高校には自転車→電車→徒歩で通っていたが、果てしなく遠く感じる。登校時間が迫る中、イヤイヤが絶頂となり、強行手段に出た。

「お腹が痛い…。行けなさそう。」

お腹が痛い演技中。

母は厳しい人(と思い込んでいた)だったので、簡単には休ませてくれないと思い、嘘をついたのだ。

その時、母がどんな顔をしていたのか思い出せない。もしかしたら、顔も見ていなかったかもしれない。

母は予定(多分パート)があるらしい。お金と保険証をテーブルに置いて、「病院の受付しとくから、あとで受診しなさい。」と言って出かけて行った。

その時の解放感ったらなかった。完全に、今日の娘の気持ちと同じだ。

ただ、1つ試練が。受付されてしまい、行かないわけにいかなくなった近所の内科。とぼとぼと向かった。

診察した先生(中年のおじ様)。

「他に悪いところもないし、便秘かな。」

そりゃそうだ。仮病なんだから。

これで帰れると思った私に、次の瞬間、衝撃が走る。

浣腸カンチョウしておきましょう。」

ーーか、か、カンチョウ!?!?

初めてのことに、軽くパニックになる私。それからの記憶は断片的だが、優しく看護師さん(中年のおば様)に付き添われ、処置室のベッドに横になり、薬の入った液体をスポイトみたいな管で入れられたかと。便秘ではないので、すぐにびっくりするほどの排便があったような…(お食事中の方、なんだかすみません)。

ーーこれが浣腸なのか。とりあえず、すごい威力だな。あーびっくりした。


衝撃の出来事の後、帰りながら私はこう思った。

ーーテスト受けた方がマシだったな。

それな。


母が仮病を見抜いていたかは分からない。でもきっと、心配する程の状態ではないと感じていたはずだ。

結果的に、その日の出来事があってから、仮病を使う事はなかったように思う(大人になってからはあったけど←)。


という黒歴史を、せっかくなのでありのまま娘に話した。


娘は、きゃははと笑っていた。


いつになくたくさん話をした後、娘は、「明日(土曜日)は部活も塾(テストあり)も行く!」と笑顔で言った。元気を取り戻したようだ。


それを見て、まあ、こんな日があってもいいよな、と思えた。何が正解かは分からないが、とりあえず娘の心と身体の健康が最優先なのだ。

それに、色々とつまづいたり失敗しながら、私も大人になったのだ。いや、大人になってからも失敗し続けている。逃げたこともたくさんある。でも、そこから得た教訓もたくさんあるし、それが今の私を作っているのだから、無駄だったことは何一つない(と自分に言い聞かせている)。

娘の人生はまだまだ始まったばかり。これからもっと色々あるんだろうけど、寄り添ったり、励ましたり、時には見て見ぬふり(笑)をしながら、娘が色々な経験を積んでいけるよう見守っていきたいと思う。

そう結論付けた、ある梅雨の1日だった。



*****


最後までお読みいただきありがとうございました♩

雨の日が続きます。体調にも不調が出やすいです。皆さんも色々と気を付けてお過ごしくださいね。


娘と息子の過去記事はこちら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?