見出し画像

北フィンランドの旅 その2 シュオテ: 不死鳥のごとく蘇ったホテル

画像14

次の目的地はシュオテ(Syöte)。鳥たちの極楽、リミンカから車で2時間ほど内陸部へ走ると、徐々に小高い丘が姿を現します。意外にも、フィンランドには高い山はありません。一番高い山はラップランド北部にあるHalti(1361m)。その代わり、フィンランド北部にはトゥントゥリと呼ばれる小高い丘が点在しており、神聖な空気が漂っています。リミンカ湾から2時間ほどドライブしただけで、景色が劇的に変わるのも、北フィンランドを旅する魅力の一つだと実感しました。

画像2

画像3

シュオテに到着して、満面の笑顔で迎えてくれたのは、ミンナ。この土地に恋をして移住をしてきたのだそう。まずはPikku syöteのホテルを内観しました。このホテルは、ユースセンターや小学校も併設されているなど、青年活動にも力をいれているそうで、子供達が楽しめるアウトドアアクティビティが豊富なのだとか。子供の頃から、アウトドアで自然に触れられるのは豊かなことですね!

画像4

画像6

画像6

その後、人生初のファットバイクにチャレンジ。ガイドしてくれたのは、2019年秋にオープンしたグリーンな取り組みが好評のKideホテルのユハ。根っからのアウトドア好きのユハは、自身の運動も兼ねて、自前のマウンテンバイクで案内してくれました。一方、私たちは電子自転車で急な坂も楽々。湖に映るトゥントゥリを眺めながらサイクリングを楽しみました。6月末には白いコットンのようなふわふわの花が一面に咲き、風に揺られて気持ちよさそう。あっという間に休憩所につくと、なんとコーヒーとおいしそうなお菓子が用意されていました!青空の下でコーヒーブレイク。フィンランド語ではカハヴィタウコと言います。アウトドアに欠かせない小さな楽しみですね!

画像7

画像8

画像10

その後、今日宿泊予定のホテルIso syöteに移動しました。トゥントゥリの頂上に立つこの美しいホテル。実は、2018年12月21日に火事が起き、ホテルの半分が燃えてしまったのです。家族経営のホテルをシュオテ地域が一丸となってサポートしたおかげで、不死鳥のごとく、2020年9月にリニューアルオープンを迎え、地元の建築家や建設会社が関わり、ローカルの素材をふんだんに取り入れた、シュオテの希望とも言える、美しいスパホテルが誕生しました。凛としたオーナーのユハの言葉が今でも印象に残っています。「人によって背負える荷の量は違います。私は若い頃に両親を交通事故で亡くしました。その深い悲しみを経験したからこそ、乗り越えていけるものもあるのだと思います。毎日がよい日であるとは限らないけれど、毎日何かしらのよいことがあるものです」ユハの言葉に感銘を受けた後、スパの温かい湯に浸かりながら言葉の余韻を味わいました。人生、山も谷も、酸いも甘いもあるけれど、なるだけ光の方を向いて歩んでいきたいと改めて気付かせてくれました。

画像9

画像12

画像11

夜は広大な景色を見ながらディナーを楽しみました。やはり、北の地にきたら、マッシュポテトと甘酸っぱいコケモモのソースが添えられた、トナカイのシチューが食べたくなります。レストランの中央には、オーナーのパートナーが描いた北極ウサギの絵が誇らしく飾られています。この絵は火事から身を免れた唯一の絵だそう。素晴らしい物語がたくさんつまったホテル。これからも素敵な物語を紡いでいくことでしょう。

画像14

画像13

食事の後は、白夜の散歩を楽しみました。この辺りは2月頃になると、木々が重たい雪に覆われ、Tykkilumi(テュッキルミ)という独特の景色が生まれます。雪のない夏には、雪の重さのため、ユニークなうねりを持った木々を見ることができます。この場所には去年の春休みに訪れ、大空いっぱい広がるオーロラの優雅な舞を見ました。季節ごとに美しい姿を見せてくれるシュオテ。またいつか訪れたい場所の一つです。

Vitis Syöte: https://syote.fi/en/

Pohjola Route:https: https://pohjolanrengastie.fi/en/ 






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?