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夕景(Twitter300字ss企画)

 夕暮れの、僅かな間にしか見られない絵があるという。とても貴重な絵で、その話を聞いた人間しか閲覧できないらしい。私はSNSに届いたメッセージで、他言無用と念押しされて画廊の場所を教わった。好奇心が警戒心を上回り、指定された日時に出掛けた。
 真っ赤な夕焼けに照らされ、その絵は燃えているように見えた。案内人はいつのまにか消え、私だけが絵の前にいる。描かれているのはこの屋敷だ。夕焼けの中、服装も性別も年代もバラバラの人達が寛いでいる。十数名はいるだろうか。しかし、この絵の何が貴重なのか……。
 気がついた時には、外見に統一性の無い大勢の中にいた。凍てつく夕焼けの中、私は寛ぐ人々の輪に入って行った。


《Twitterの300字ss用に書きました。お題は「夕」。》

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