ラッキーパーソン(Twitter300字ss企画)
「お、今日のオレのラッキーカラーは黄色だって」
占い好きの幼馴染は、毎朝SNSの人気占いアカウントをチェックしている。一緒に乗る通学バスの中で、毎回、隣に立つ私に画面を見せてくる。
「へえ、そうなんだ。奇遇だね。私の今日の髪ゴム、黄色」
「お、マジだ! すげー、お前いつもオレのラッキーカラー身に付けてんじゃん!」
当然だ。君のそばにいるために、毎日選んで身につけているのだから。
昔から占いが大好きだった君のため、私は独学で占いを学んだ。試しに登録したSNSで人気が出たのは予想外だったけれど、君に見てもらえるなんて。
「今日も近くにいてくれよな!」
その言葉に、私はラッキーを噛み締めた。
いただいたサポートは、私の血となり肉となるでしょう。