見出し画像

米国出張LA

夜19時からのパーティが終わったのは22時だった。


その間、たくさんの個性的なお客様が来てくれて、終わった時には150人くらいが来てくれた会になった。

当初は30人くらいかなって思っていたのに・・・・。


お客様は、私がデザイナーだというと、強くハグしてくれる人たちだった。

そして、お洋服を見て、鏡の前で合わせてみて、みんな表情豊かに唸るような顔で

「Fantastic!」とか「Super!」とか感嘆の言葉をくれた。





とある有名なフォトグラファーのお客様は、私のミニマムなカッティングのシャツを試着してすぐに「I will take it」(もらおう)って言ってくれた。


これがLAで、米国で、初めての販売経験になったのだ。


パーティーはDJの音が大きくなってきて佳境だったが、私は今、自分に起きていることが信じられなくて、少しだけ外の空気を吸いに出た。


日本での徹底した「おもてなし」の販売経験とのあまりにも真逆な体験、そして、インドからLAに何かが届いた瞬間に、体が震えるような、何かが自分の中で劇的に変わっていくような感覚を抱いた。


お客様の中には、ファッションデザイナーの人もいた。

生地の凄さにびっくりしていた。

「まさか手織りなんて」と言われたから

「手紡ぎだよ。Hand Spun」と言ったら信じてもらえなかった笑。


「日本的、というよりも、何か懐かしく、原住民にも通じる感覚。」とも言われた。


それは私が、アジアを旅しながら作っているからだと思う、そんな会話ができたことはとてもいい思い出になった。



その日帰宅したのは23時半。

早く寝なきゃ翌日も今度は自分たち主催のパーティーなんだから、、、と思ったのに、全く寝付けず、しばらく興奮の中にいた。


翌日、ついにプライベートエキシビジョンだ。

18時からのスタートに備えて、借りていたエアビーにお洋服を並べたり、お寿司とインド料理が用意された。


このイベントがスタートする前に、ちょっとだけ重要な会議があって、実はそこで大きな戦略の舵取りのヒントになることがあり、私の頭はとても忙しかった。


でも時間は待ってくれずに18時に早速ゲストの人たちが来てくれた。


昨日の会よりも若くて、ザ・ファッションな人たち。


個性の集まりだった。






黄色のパーカーに大きなサングラスや、

瞼までタトゥーを入れた子や、

みんなの前でスカートを脱いで試着しちゃう子や、

色が変わる靴を発明してバズっている子や、

コブばかりがついたレザーコートを着ている無口なスキンベッドの男の子や。



でも、みんなと仲良くなれたし、みんなが受け入れてくれた感覚だった。

新しい視点、新しい提案を、こんなにもウェルカムに思ってくれて、私もそれが心地よくって、あまり感じたことがない異質同士の一体感がこのパーティーには生まれていた。


そしてそれが、アメリカの良さなのかもしれないなあって話しながら思っていた。


ただ、一方で、なんとなく心に、強烈な問題意識みたいな、何かマグマがあって、それが、今でも言葉にできなくって、パーティーが終わってまた真夜中、眠れず、ベランダで空を見ていた。

日本に帰国した今も言葉にならないけど、私は、言葉じゃなくって、多分、作ることで答えを見つけていくと思う。

人生ってどうしてこんなに面白いんだろう。

途上国で必死にもの作りをしていた先に、LAのこんなパーティーが待っていたなんて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?