見出し画像

サズの購入について 思い通りにはいかない

今回の滞在中に、ロングネックorショートネックの7弦サズ、それから3弦バルタサズを購入したいと考えていた。

バルタサズはElezîzの工房に発注してあり、数日前Dersîmを訪れた際、帰りに立ち寄って購入する予定だった。が、いろいろなミスコミュニケーションが重なり、そもそも発注自体できていなかったことが発覚。今発注すると完成までに最低3か月はかかるという。

7弦のサズについては、一時的に拝借しているあゆみさんのサズが最高に良い音なので、彼女が購入した工房で、と考えている。あゆみさんの友人が「ポルシェだ」と言っていたらしい。確かに、これはポルシェ。素晴らしい響き。

3弦バルタサズは、Elezîzの工房が第一候補だったが、早く入手したいということもあり、あゆみさんに紹介してもらったイスタンブールのとある工房を訪ねてみることに。

到着すると、職人のAdnanが出迎えてくれた。彼もまたDersîmの出身で、Mikail Aslanにも楽器を納めている。「トルコ語もザザ語も話せない」と最初に伝えたのに、高速トルコ語で話してくる。そういう人は意外に多い。「ゆっくり話して」とお願いしているのに容赦ないイギリス人みたいなものかも知れない。

チャイをご馳走になりながら、現在在庫のあるバルタサズやその他の3弦サズも試奏させてもらう。確かに音はいいが、今一つはまらない。価格は、「友達だから特別に」ということで、11,000リラ。77,000円ほどだ。通常は800ユーロで販売しているらしい。即決できる価格ではないので保留にする。

77,000円!



午後からはメソポタミア文化センターでサズのレッスン。前の週に購入できている予定だった楽器がないためEngîn先生の楽器Sêtêlを借りてレッスンを受ける。前回も同じ楽器を借りたけど、非常によく響く良い楽器だ。

メソポタミア文化センター



「先生、これとても良いですね。実は今日とあるサズ工房を訪ねてバルタサズを見てきたんですが、11,000リラなんです」
「えー!それは高いね!このSêtêlは5,000リラだったよ。Amedの人が作ったんだ。いい音だよね?」
「そうなんですかー?!いや〜めちゃくちゃいい音です。職人さん、教えてもらえますか?」
「もちろん。残念ながら受注生産だから在庫はないと思う。でも連絡してみるといいよ」

ちなみにEngîn先生のサズレッスンも驚くほど安い。そんなのほぼボランティアじゃないか!と思うほどだ。

帰宅して、先生に紹介してもらったAmedの職人さんのインスタページを見る。有名な音楽家、友人たち(音楽家)の多くも彼の楽器を使っていることが判明。腕の確かな人なんだろう。メッセージしてみるとすぐに連絡があり、3弦サズは370ユーロ(約55,000円)、7弦サズは450ユーロ(約67,000円)だという。相場がそのくらいなのか、やはりなかなか値が張る。

ちなみに例のElezîzの工房産のSerdarのバルタサズはいくらだったのか聞いてみると「3,000リラだった。ちょっと高いよね」という。約21,000円!いや全然高くない!むしろめちゃくちゃ安い!それであの音?!

私が方々で提示されている価格を伝えると「えー!!いやいや、高過ぎる!」と驚いていた。相場が上がったのかも知れない。SerdarがElezîz工房に交渉してくれるそうなので、結局当初どおりのところで購入し、日本まで送ってもらうことになりそうだ。

が、手元にないと練習できないので困る、という問題はいまだ残ったままだ。練習用に77,000円は出せないしなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?