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バーラマを購入しに行ったら撮影が始まった@イスタンブール
以前バルタサズを試奏させてもらった工房のAdnanが「予算に応じて提案しますよ」と言ってくれていたので、もう買うぞ!というつもりで出かけていった。美しいDersîmへ行ったばかりなので、Dersîm出身のAdnanが作る楽器を持ちたいという気持ちもあった。
あゆみさんに連れて行ってもらったÖzbekのバーラマは確かに超一級品だが、500ユーロで4か月待ち、という楽器を買う決断はできそうにない、というのもある。
ロングネックとショートネック、どちらにするか決めかねていたが、やはり慣れ親しんだショートネックが良さそう。作りは同じで、素材(桑の木、マホガニー)が違ういくつかを持ってきてくれたので、試奏してみる。
あゆみさんのバーラマ、通称「ポルシェ」とは格が違うものの、自分に合っている気がする一本があった。装飾がなくクリア塗装も施されていないマットな仕上げも好みだ。
弾きながら歌っていると、Adnanたちが「いいね!歌って歌って!そうだ、撮影しよう!」と言い出し、Adnanのタンブール演奏に合わせて私が歌うところを撮影することにるなった。
まずはEl qajiye。彼らの友人でもあるMikail Aslanが素晴らしく歌っているDersîmの歌。
次にAy dilberê。Feqîyê Teyranの詩を元にしたAram Tigranの名曲。クルド人のみならず広く膾炙している。
最後にÇu çem。こちらもクルド人なら誰もが知る民謡。Mikail Aslanも歌っている。
撮影といっても、軽い感じのものだろうと思い、膝に乗ってきた猫ののどをゴロゴロさせながら歌い始めると、タンブールをひくAdnanが少しのチューニングの狂いも許さない人だということが発覚。
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何度も何度も「だめだ、もう一回」とやり直しを要求。さらには、「こっちのアレンジの方がいいかな?どう?」と様々なアレンジを試し始めたものだから、結局それぞれの曲で7〜10テイクくらい撮るはめになった。
さすがAdnanの演奏は素晴らしい仕上がり。「昔はもっと良く弾けたけど、サズの制作で手の筋肉が固くなって弾きづらくなった」と話す。「でもサズを作る仕事が大好きなんだ」と。そんな言葉を聞いて嬉しくなる。サズが好きで、サズを作るのが好き、そういう人が作るサズを弾きたい。
撮影に合計3時間はかかっただろうか。めちゃくちゃ疲れていることに気づく。
「あの、職人さん、このバーラマいくら?」恐る恐る聞いてみると、「3,000リラ。4,000リラで売ってるけど、友達だから!」驚いた。もう少し上の価格で見積もっていたので、何の迷いもなく購入できる。
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支払いを済ませ、相棒になったばかりのバーラマを背負い、暇を乞う。
帰宅して、少し弾いてみる。いいじゃないか!そして早々と寝てしまった。歌うのって体力使う!疲れた!
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