レッスンがキャンセルになり財布をなくしたイスタンブールの夜
今夜は歌の初レッスン!ということで、朝からめちゃくちゃ楽しみで、予習したり、歌いながら近所を散歩したりして過ごした。
レッスンは20:30からだったが、早めに付近まで行って、カフェで本でも読もうと思って、船でカドゥキョイからカラキョイへ渡った。
今の住まいがアジア側のカドゥキョイなのだが、ヨーロッパ側への移動は基本的には船だ。ボスポラス海峡を渡る船旅、だいたい片道20分、90円くらい。
ヨーロッパ側のカラキョイについて、ゆっくり移動していると、歌の先生Aliからメッセージ。
「今日は他の生徒がみんな都合悪くて来られないって言ってるから、レッスンは中止するよ、ごめんね」
ショック!!
でも仕方ない。。
Aliは数日後から月末まで出張で不在なので、レッスンは5月からということになる。
Aliなきイスタンブールは、おもしろそうなコンサートなんかがない限り、いても意味がないので、ディヤルバクルで月末まで過ごすことに決めたばかりだった。ディヤルバクルで会いたい人、やりたいことが次々に浮かんでくる。
今日の予定がなくなったので、カフェでしばらく本を読んでゆっくりして、さぁ帰ろうと歩き出してしばらくして、はっと気付いた。
財布がない。
すぐにかばんの中を捜索。ない。
来た道を探しながら戻る。ない。
さっきのカフェで一応捜索。店員さんにも一応聞く。ない。もちろんカフェにはあるわけない。カフェを出るときにはあるのを確認しているから。
これは、もう、ない。
イスタンブールのタクシム広場近くのイスティクラル通りは特に人通りが多い繁華街。誰かにあたって落としたのか、すられたのか。わからないけど、とりあえずカード類を止めなければ。エポスのゴールドと、WISEのデビットカードが入っていた。WISEはアプリでワンクリック。めちゃくちゃ簡単だった。エポスについて調べていると、海外からだとコレクトコールでかけないといけないとかなんとかかんとか。
夫に電話して助けを求める。夜中なのにごめんよ、と思いつつ。。すぐに電話に出てすぐに動いてくれた。「大丈夫やぞ、落ち着いて」と言いながら。
夜21時すぎ。これからタクシムからカドゥキョイに帰るのに、一文なし。徒歩で帰るには相当遠回りして、徒歩で渡れる橋の方まで行かなければならなそう。そして3時間以上かかる。これはきついし怖い。
現金を少し貸してもらおうと思い、Fatihに連絡した。弟よ、助けておくれ。ベシクタシュのパブでバイト中かと思いきや、家にいるというのですぐに向かう。
家に入ると、”スパイダーマン” Turgayや、Fatihの兄Hassan, Özcanがいた。トルコに来て初日に会えなかった面々が勢揃いで、みんなが「どうしたんだ」と心配して集まってきてくれた。Hassanは実は初対面、TurgayとÖzcanは前回2019年の渡航以来の再会だ。
Fatihは、「見て、ケーキ作ったから、食べてよ!」チョコレートケーキを切り分けて、チャイを入れてくれた。Fatihがケーキを作るなんてまめなことをする姿、初めて見た。お腹もすいていたので、ありがたくて、落ち着いた。
Fatihが、「旦那さんからメッセージもらったよ」と見せてくれた。
「お金のことなんとかするので、しばらく彼女のこと助けてあげてください。あなたたちがいてくれて良かった」
家族のありがたさをしみじみと感じた。電話のあともずっといろいろ調べたり手配したり、動いてくれていたのだ。ありがとう、夫よ。
「ここで寝ていきなよ」と言ってくれたけど、何も持っていなかったので落ち着かず、やはり帰ることにする。
すると、「この時間だともう船はないけど、ドルムシュで帰れるから、乗り場まで行こう」。みんなが送ってくれた。
乗り場までの道、みんなで歌いながら歩いた。すっかり落ち着いていった。日本で助けてくれる家族がいて、近くに助けてくれる人がこんなにたくさんいる。幸せだ。
Fatihがドルムシュのドライバーに「彼女はMODAまでだから近くまで連れていってあげて」と伝え、私に500リラ手渡してくれた。「足りなかったらいつでも言って」。どこまでも優しい。
無事到着。WISEのカード、再発行も簡単で、Fatihに受け取ってもらえるようお願いした。2週間後に届く。ちなみに5,000円ほど支払えば3日後くらいに届く、という選択もできる。
エポスは日本のカスタマーセンターの営業中にコレクトコールしなければならないので明日に持ち越す。
手元にはFatihに借りた500リラと、会社のクレジットカード2枚。夫がWestern Unionで送金してくれるというので、それを受け取り、再発行したカードの到着を待つ。
明日でラマダンが明ける。
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