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日本のタブーはアメリカのモラル

September 9, 2020

カレンダーはあっという間に9月になり、秋入学の時期となりました。いつもだったらオリエンテーションやガイダンスでキャンパスがにぎわう季節ですが、今年は新しい様式での新学期になりそうです。

新学期には新入生向けに様々な案内チラシが配られますが、サンフランシスコ州立大学で大学から配られたもので一番驚いたもの。それはコンドームでした。保健センター主催の学生向けの健康デーがあり、同僚とともに覗きにいったときのこと。
保健センターの利用に関するクイズやくじ引き、病気や怪我の予防に関する展示、お化け屋敷のような出し物まであり、なかなか凝っています。その中で女子が群がっているブースがあり、近寄ってみると...色とりどりのコンドームがお菓子屋さんのように並んでいる!!業者が無料で配布していて、店員さん(女性)がご丁寧に1つ1つの説明もしてくれます。一緒に行った同僚(女性)2人も、その中から何個かを選び、もらって帰っていました。

一般的に、日本の大学や社会では性に関することを公の場で話すのはタブーに感じる人が多いと思いますが、アメリカの大学では、自身の健康を守るための教育の一貫として、真正面から扱われていることが多いようです。サンフランシスコ州立大学ではかつてはオリエンテーションでコンドームの使い方の説明も行っていたのだとか。(ただし、宗教上の理由等で不快に感じる学生もいたためオリエンテーションの場では行わなくなったそう。)

また、サンフランシスコ州立大学のHPでは、"Sexual Communication & Consent"として、コミュニケーションと合意について、「もし相手がNoと言ったら、それはYesではありません」「Noの伝え方」といったガイドが掲載されています。学内ではフライヤーも配布されていました。こうした"Sexual Health"は、サンフランシスコ州立大学だけではなく、多くの大学で学生向けに案内されていて、コンドームの配布は決して珍しいことでありません。モンタナ州立大学では、2017年までは、毎年、健康で安全で合意のある行動を啓蒙する目的で、学生によるコンドームを使ったファッションショー(!)が行われていて、人気のイベントだったそうです。

日本の大学のタブーはアメリカの大学ではモラル。アメリカではこうした土壌があって、ジェンダーのちがいや多様性を受けとめて、個々を尊重する姿勢が浸透しているのかもしれません。
今日はノー残業デーです。たまった仕事に熱中していると、つい価値観もこりかたまってしまいます。今日は早めに仕事を切り上げて、海外の大学のHPをのぞいてみるのはいかがでしょうか。

*San Francisco State University: Sexual Health
https://wellness.sfsu.edu/sexual-health

*San Francisco State University: Sexual Communication & Consent
https://wellness.sfsu.edu/sexual-communication-consent

*Montana State University: 8th Annual Latex & Lace Condom Fashion Show
https://www.montana.edu/calendar/events/21689

(写真:ナパのカップケーキ屋さん)


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