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医療業界×ビジネスサイド。医療の専門性が無い故の、突破できることと立ちはだかる壁。

このテーマ、書いてみますが、初めにお伝えしておきます。正解もないテーマですし、あくまで個人で思っていることなので、イチ参考意見として捉えていただけますとありがたいです。

さて、まず最初に自分が医療の分野で、医師・薬剤師等の資格無く、やってきた仕事だけ列挙しておきます。

・MR(医薬品情報を提供する仕事。いわゆる営業的な仕事。でも、金銭交渉の機会すらない絶妙な立ち位置。)
・医薬品のマーケティング(いわゆる他業界のマーケとはだいぶ違う)
・KOLマネジメント(ハイタッチセールスみたいなもの。)
・学会、医療スタートアップの広報業務
・学会医師の活動を事務観点でサポートする業務
・イベント運営
・ITサービスの営業、カスタマーサクセス
・政策渉外

もっと詳細のキャリアについては、5社働いた中の3社目までではありますが、以下の記事に書いております。

このような医療系の専門資格が無い中で、本当に医療業界でパフォームできるのだろうか?という疑問を日々感じながら仕事をしてきた、というのが本音です。
今の会社にも医師・薬剤師資格を持っている人も複数いますし、そうではなくともMBA、MPH等の学歴を持っている人が多かったりと。何も持っていない自分が、どこまでこの業界で役立てて、かつ、ちゃんと重要な仕事までできるのだろうか?と模索し続けていました。

そして、今も絶対こう、という解はないです。自分自身がこの業界で大成しているわけでもないですし、逆に何らかのちゃんとした資格を持って仕事をしていたらもっとスムーズだったのか、はもはやわからないことなので。

ただ、一つ言えるとすると、文系出身・医療に馴染みはない、という方でも
この業界を変える原動力になる、ということだと思います。
ちょっと要素多くない?と思われるかもしれないですがw、個人的には以下を満たしていることなどが大事ではないかと思っています。

・本当に医療をもっと良くしたいと思う真剣な心
・その心を行動に移す実行力
・新しいものを受け入れて推進する革新力と、今を大事にする保守的な心も理解して巻き込める力
・超スピードで変わる、かつ、ボリュームが相当な業界情報にキャッチアップできる知的好奇心と情報整理力
・得た経験と情報を次の施策に落とせるPDCA力
・医療者じゃないからと言って、引き下がらない強い心w

これらの力って、別に何かたいそうな資格が必要なものではないと思うのです。資格を持っている時点で、いくつかクリアしているものは勿論あると思いますが。必要条件と十分条件みたいな関係なのかもしれません。

古き良きものを大事にする業界ですから、「医療者でもないのにお前はでかい口で何を言っているのだ」という反応をされることも、残念ながら多々あります。笑
裏を返せば、「そんなの関係ある?」と澄まし顔でスラッと反応できるくらいの知識・思考と強い心が求められます。まぁ生半可な気持ちで挑むと一蹴されてしまうでしょう。
私がM気質だから、ではなくw,一定のハードルがあるからこそ参入して面白い領域ではないかと思っています。

わりとここまでで、本質的な話は書いた気がしますが、もう少しブレイクダウンして書いていきたいと思います。

●上記の条件が自分に照らし合わせたときにどうなのか
・本当に医療をもっと良くしたいと思う真剣な心
 → これはあると思っていますが、明確な契機があるわけではないです。
   ただ、1回の行為を人に与えたときに、その行為は不可逆である、というところに関心があるだけです。

・その心を行動に移す実行力
 → 年とともに実行力が弱ってきている気もしつつ・・がむしゃらにまず動いてみる、はわりと好きな方ではないかと思います。しかし、もっと得意な人は得意だろうなぁと思います。

・新しいものを受け入れて推進する革新力と、今を大事にする保守的な心も理解して巻き込める力
 → ここは、前者は強いですが、後者は弱いです。w

・超スピードで変わる、かつ、ボリュームが相当な業界情報にキャッチアップできる知的好奇心と情報整理力
 → 勉強は苦にならない方なので、割と合致します。

・得た経験と情報を次の施策に落とせるPDCA力
 → コンサルでバリバリ活躍される方のようにはうまくできないかもしれません。が、できるだけ木を見ず森を見る意識は心がけています。

・医療者じゃないからと言って、引き下がらない強い心w
 → ここは無駄に自信がありますw

●医療業界は理系、医療職しか活躍できない?
答えはNOだと思います。医療職ではない理系と文系は少なくとも大した差は無いと思います。勿論薬学的なバックグラウンドがある方などはスタート地点の知識レベルという観点では、高い位置にいると思います。
が、後述するビジネスサイドの職種に期待されていることと照らし合わせれば、別に大した話ではないと思います。
むしろ、医療業界はこうなのだ、という固定概念がついてしまうほど、ここを変えればよいのに、という着眼点はどうしても狭くなってしまいがちなので、そこをゼロベースで考えられる強みは、医療職ではない方の特権だと思います。

●医療業界におけるビジネスサイド職種の価値
どのような企業で働くか、によっても変わってくる部分が大きいですが、結局医療の業界も分業なのだと思います。
まず、医療現場で働く、という観点から。
かつては、医師が診療だけではなく、経営も広報も採用も財務も、全てを任され、医療に関わるものはすべて医師が掌握するような感じでしたが、だいぶ変わってきたのだろうと思います。
医師は診療に専念し、それ以外の職種の面々が必要な領域を埋めていく。
そのような中では、他の業界と同様、たくさん医療者以外が活躍できるシーンが出てきています。
今後クリニックと病院の割合・経営形態等がどのように変わっていくかにもよりますが、医療現場でのニーズ自体も高まるのではないでしょうか。

次に、医療に関連する企業で働く、という観点から。
医療×DXが進めばそこに参入するベンチャー企業も増えるので、ここもまた、ビジネスサイドの職種の採用ニーズは勿論高まります。
実際問題、2005年、自分が新卒で就活していた当初は、個人として見聞の幅が狭すぎたのもありつつ、文系職種が新卒で医療業界に関わろうとすると、製薬・卸・医療機器メーカーくらいしか見当たりませんでした。が、15年以上経った今は、全然状況が違います。(たぶん、今就活をしていたら、まず間違えなく、製薬には入っていないと思いますw)
様々な企業が勃興することで、選べる幅は確実に広がるでしょう。

ということで、総じて医療の業界において、医療職以外の知識・経験を求める流れはこの10年ほどでぐっと高まったと思いますし、更に高まると思っています。

●医療系の資格がないと苦労すること
どのような仕事を担っていくか、にもよりますが、原則として心底困り果てることは無いと思います。医療の業界でも分業が当たり前になるからです。
ただ、診療領域などにディープに医療者以外が助言する、といったところにはまだまだセンシティブな業界です。それ以外も、医師が考えていることが正義で、それ以外は通りづらい、ということもまだ0にはならない業界だと感じます。
ただ、このあたりは「どういった人に対して、誰をどう巻き込みながら進めるか」の勘所さえつかめれば回避できるものだと思います。
なので、若干精神的なストレスを感じることもあるかもしれないが、きちんと領域を見極めれば問題ない、という結論です。

●医師等の資格がないとできないこと
診療行為をすること、患者に直接医療行為を行うこと、医師と診療に関するディスカッションをディープに行うこと、など、有資格者ではないとできないことも勿論あります。有資格者ではないとできない領域に誤って足を踏み込んでしまうことは、法律違反にもなりえますので、そのあたりは医療業界で働かれる際には留意が必要です。

まとめ

医療業界は医療の専門職だけでは、他の業界水準に並ぶような成長は難しいと思います。だからこそ、医療に理解・知見を有し、医療ではない領域で尖っている人たちがもっと関わっていくことが重要だと思います。
短期的な利益を求めすぎる方や、真摯・誠実な対応が取れない方は全くもって合わない業界だと思います。w
が、他業界で成果を上げてきた方々がもっと医療に入ってきたら、この業界が良き方向に変わっていくのでは、と真に思い、この記事を書いてみました。
そう簡単な業界ではないですが、少しずつ業界が変革していく楽しみを一緒にわかちあえるビジネスサイドの方が増えたら嬉しい限りです。



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