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「学び」アップデート

ゲームの好きな子供にゲームをやめさせる最も効果的な方法が2つあります。

一つ目は、「教える」ことです。

「ゴールに辿り着くにはA・B ・Cの3つのルートがあるけど、Bのルートが一番近道だよ。AとCは通らないでね。」
「DとEの武器を持ってるけど、まだDの使い方は教えてないから、この間使い方を勉強したEだけ使ってね。Dはまだ使っちゃダメだよ。」

(新渡戸文化学園の「教えない授業」で有名な山本崇雄先生がおっしゃっていることです。)

二つ目は、強制することです。

ルールとペナルティの約束を決め、それを徹底的に守らせます。本人が「毎日3時間ゲームをやりたい」というなら、それを約束にします。約束を破ったら3日間ゲームをしない、これがペナルティです。そして、何があろうと、毎日時間は絶対にやらせます。夜になって眠くなろうが、見たいテレビがあろうが、毎日きっちりやらせる。やっていなかったら

「ゲームをやりなさいよ」
「なんでやってないの?」

と声をかける。


いかがですか?この2つ、とても嫌な気持ちになりませんでしたか?

そして逆説的に、どうしたら自ら主体的に「学ぶ」ようになるかも明白だと思います。

人は、自分で学び方を選びたいものです。探索したいものです。そして「知りたい!」と思ったときに学びたくなるものです。教えすぎるとドキドキもワクワクも消えていき、強制されると好きだったことも嫌いになってしまいそうです。

今、学校は教え込みすぎているように思います。そして子供たちを管理しすぎてもいます。

養老孟司先生は、頭がいいだけじゃダメで丈夫な体が必要、という文脈でこう言っています。

「昔は野山を駆け回っていた子供を学校に集めて一斉授業するのは理にかなっていた。でも今は野山を駆け回っている子供なんていないでしょう。おとなしくしているでしょう。その子供たちを集めてまたおとなしくさせておくなんて、意味がないですよ。昔と逆なんですよ。小学校では、思いっきり体を使って遊ばせればいいじゃないですか。小学校の学習内容は中学生なら三日で理解できるんじゃないですか。学びには適切な時期っていうものがあるんですよ。」

なんとも痛快です。


我々大人の、「学び」のアップデートが必要です。子供達に学びを選択させたり委ねたり、工夫する余地はたくさんあります。一人一台端末も大きな後押しになります。もっともっと子供が本来持っている力を信頼し、本来自由な子供を自由にすることで、力が開花していくのではないでしょうか。「夢みる小学校」のように。

冒頭に紹介した新渡戸文化学園でも、PBL(Project-Based Learning)において、

自分の「好き」で誰を笑顔にできるのか
自分の「好き」がどんなソーシャルイシューの解決につながるのか

を子供たちと一緒に考えています。

「自分と自分以外の誰かの幸せをクリエイトする」そんな力を身に付けられる学びを、公教育でも提供できたらと切に思っています。そしてそんな学びがきっと卒業後にも生きていくのではないかと思います。

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