見出し画像

035.介護の手前の時期

 私の母は72才になる。それなりに年をとってきたので、そろそろサポートが必要な感じ。先日、子育てが終わったなあ、あとはがんばってお金を稼ぐだけか、と思っていたけど、まだまだやることがあった。

 母は基本的に元気で大きな持病はなく、膝が悪いのも、目が見えにくいのも年齢を考えれば普通。介護が必要なのはまだまだ先の話だ。

 それでもサポートが必要な理由はコミュニケーションに問題が出はじめているからである。今回、久しぶりに病院に付き添って、改めて実感した。

 病院に付き添ったのは母が白内障の手術を受けることになったから。手術?そんなおおごと?と心配になったけど、高齢になると多くの人が白内障の手術をして、眼のレンズを変えているらしい。割とライトな感じとはいえ、ずっと健康体で患者の経験が少ない母は、なんだかちょっと怖いというので、手術前の診察に付き添うことにした。

 いざ診察を受けてみると、白内障の前に治療が必要な病気がみつかった。母1人では、診察結果を聞いて理解するのが難しい内容だったので付き添っておいてよかった、と思った。以前ならおそらく理解できたし、しようとしただろうけど、もう最初から理解することはあきらめている様子だった。私がいたから、まあわからなくてもいいやと思ったんだろう。

 診察時に自分の状況を説明するときも、私の記憶にある以前の母よりスローペースで、言葉がすぐには出てこなかった。私が母について知っていることをつけ足して説明したりしたのだが、あれ?デジャヴ?子どもの診察の付き添いを思い出した。この光景、既視感ある。

 そんなわけで、これまでよりもう少し母の様子を気にしないといけない時期に入ったことがわかった。介護にはほど遠いが、普通の大人としての判断は難しくなってきている。

 これまで、なぜだか私の頭の中では、母は50代で止まっていた。割と近くに住んでいて、接しているにも関わらず、なぜだかイメージではしゃんとしているのだった。でも、実際の母は明らかに老いていた。私の頭の中もそろそろ更新しないといけない。

 こうして徐々に親が老いることに慣れていくんだなあ、いきなり介護がはじまるわけではないのよね。少しづつ少しづつ、変化していく。

感じた事を言葉にして生きています。サポート頂けたらうれしい!!